第27回参院選は3日公示され、20日投開票に向けて選挙戦が始まった。物価高対策や、自民党派閥裏金事件に端を発した政治とカネ問題、米政権の高関税措置への対応が主な争点で、石破政権への審判が示される。19人が乱立した大阪選挙区(改選数4)では、無所属で立候補したロックミュージシャン世良公則氏(69)が大阪市内のホテルで第一声をあげ、“ないないづくし”の選挙戦をスタートさせた。
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世良氏は大阪市内のホテルで開いた演説会で、まずボランティアに感謝した。「無所属で高い高いハードルを乗り切って戦いきっていきたい」と力を込めた。
参院選の立候補を決めたのは直前。急な決断で諸般の手続きやボランティアの人数確保もままならない。事務所こそ決まったものの、現状、本格的に選挙活動できる機能はない。街頭での演説もかなわず、聴衆ゼロでの第一声となった。選挙戦でも、基本的にはSNSや映像を活用し、考えを発信していくつもりだ。東京暮らしで大阪に家はなく、ホテル住まいでの選挙活動になる。
大学時代を過ごし、音楽生活の礎となった大阪の地で、オーバーツーリズム(観光公害)が抱える問題を実感。同選挙区から立候補し、対策に取り組むと表明した。「大阪から声を上げてほしい。この選挙戦が終わった後からが本当のスタート。小さなチームですが戦っていきたい」
思想信条も関係ない。「右も左もない。党派を超えて是々非々で」と話し合う姿勢を強調した。
出馬表明後はX(旧ツイッター)で「世良さん」がトレンド入りするなど反響は大きかった。シンガー・ソングライターのASKAや、タレントつるの剛士ら芸能関係者からも好意的な反応が寄せられたが、「応援していただけるのはたいへんありがたい。ただ、その枠を超えて、僕と行動するようなことで、そのアーティストを中傷や批判にさらすのは僕も本意ではない。僕の方から何か発信してもらうことは控えます」。タレント候補にありがちな支援もない。
それでも、ロックミュージシャンの熱い思いが体を動かした。「日本社会、おかしいと感じていませんか。あなたの1票しか、この世の中は変えられない。1票にはその力がある。そう思い直してほしい。あなたが行動し、信じるものに1票を投じてください」と熱く訴えた。【阪口孝志】
◆世良公則(せら・まさのり) 1955年(昭30)12月14日、広島県生まれ。大阪芸術大在学中の77年に世良公則&ツイストとして「あんたのバラード」でデビュー。「燃えろいい女」などヒット曲多数。俳優としても、98年公開の映画「カンゾー先生」で日本アカデミー賞助演男優賞に輝くなど存在感のある役を演じた。社会福祉活動にも積極的に関わり、犬猫殺処分撲滅キャンペーンなどに参加して動物愛護法の改正に力を尽くしてきた。