マンション大規模修繕…“住民なりすまし”業者が会議参加 「あなた誰?」直後に逃走
マンションの大規模修繕工事を巡る前代未聞の事件についてです。 大規模修繕とは、外壁やバルコニー、屋上などマンションの共用部分の劣化をその都度直していくのではなく、住民同士が話し合いをして計画的にまとめて工事していくことを指します。 【画像】関係者が語る“一部始終” なりすました男性にも直撃 今年5月、ある首都圏のマンションで、住民同士が話し合っていたところ、2人の工事業者が住民になりすまして会議に潜り込んでいたことが発覚しました。 この会議の場で、「あなたは誰ですか?」と追及する実際のやり取りの音声を番組が独自に入手しました。
「あなた誰?」直後に逃走
番組は先月30日、騒動の一部始終を知る、マンションの管理組合関係者に話を聞くことができました。 「犯人は自分の名前ではなくて、1人は居住者の名前、もう1人は居住者の息子を名乗って入ってきました」 「(Q.自由に参加できる会議か?)自由じゃなくて、ちゃんと修繕委員として申し込みをして、管理組合の理事会で承認を得ないと入れない会議ですが、居住者だと偽って申し込みをして承認を得ていたという形」 “なりすまし住民”がいたのは、首都圏の大規模マンションです。大規模修繕工事を依頼する業者を決めるため、去年8月から有志の住民が集まって定期的に会議をしてきました。ところが…。 「外部から『なりすまし犯が入っている可能性があるよ』って」 外部からの情報提供を受けて、疑惑の人物の身辺調査を実施。5月の会議で、直接問いただすことになりました。 「会議室にあって、こうやって机がコの字型に」 「(Q.なりすまし犯はどこに?)なりすまし犯は、ここと、ここに」 8人ほどが参加した会議に紛れ込んでいた住民ではない2人。会議で追及した音声を独自入手しました。 修繕委員 「他人が委員会に入り込んで、都合のいい施工業者に誘導させる例があった。すみませんけど、○○さんが居住者の○○さんとは違うんじゃないかという情報が来ていて」 なりすました男性A 「失礼じゃないですか」 修繕委員 「きょう確認させてもらいたい」 男性A 「どういう話?すごい心外なんですけど」 修繕委員 「すみませんけど、あなた誰ですかというのが、今私が問いたいところ。防犯カメラとエントランス入る時の部屋番号の記録を突き合わせると失礼ながら顔が違う」 男性A 「保険証を持ってきたらいいんですか」 修繕委員 「何らかの身分証があれば、ただ今の時点で出せないのであれば……」 男性A 「とりあえず家を見に行って、(身分証を)一回探してみます。一回見てきます」 男性Aは自分の部屋に身分証を取りに行くと会議室を出ようとしますが、住民が引き止めます。 男性A 「なんでこんなところで囲まれなあかんの。ちょっとなんなんですか」 関係者1 「委員会ですよ」 男性A 「めっちゃ触ってくるから警察呼びますよ」 関係者2 「もう(警察を)呼んでるから」 男性A 「もういいですって」 突然、男性Aは走り出し、行方が分からなくなりました。 関係者 「こら、止まれ!待て!」 ともに40代前後で関西弁を話していたという2人。会議室に残っていた男性Bは、住居侵入の疑いで神奈川県警に現行犯逮捕されました。その後、逃げた男性Aも逮捕されましたが、現在は2人とも処分保留で釈放されています。