「なぜ先生が?」の裏に「年間約100人懲戒処分」の現実 “盗撮教師”がはびこる教育現場の闇
盗撮事件のような教員による性暴力事件が初めてのことなら、それに対する怒りを示すことで足りるかもしれない。しかし、これが初めてでなく、頻発している問題であれば、それを防ぐことのできなかった文科相としての反省の一言もなければならないはずだ。 ■ある小学校に掲示されていた掲示物とは… 盗撮事件が発覚する数日前に筆者は、研究授業参観のために訪問したある公立小学校の教室にあった掲示物に目がとまった。 そこには「児童生徒性暴力等防止のため」として児童・生徒に対して「不必要な身体接触はしない、個人的なメール・SNS等の送信はしない、閉鎖的な状況で指導・対応をしない」などが記されてあった。
この小学校で事件が起きているということではなく、日本の学校全体で教員による性暴力が問題になっているのだろう、と感じた。 掲示物が職員室ではなく各教室に貼り出されているということは、「そういう教員からの行為には子どもたちも注意して」という意味も込められているのだろう。それほど、教員による性暴力は学校において深刻な問題となっている。 実際、教員による児童生徒への性暴力事件は毎年、多発していると言っていいくらいの数が起きている。
文科省の「公立学校教職員の人事行政状況調査」によれば、2023年度に「児童生徒性暴力等により懲戒処分を受けた者」は157人で、前年の119人より38人増えている。 年度によって数に変化はあるものの、毎年100人ほどが処分を受けている状況に大きな変化はない。 もちろん、この状況が放置されてきたわけでもない。2021年には「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」(いわゆる「わいせつ教員対策新法」)が衆参両院の全会一致により成立し、2022年4月1日から施行されている。この法律には、教員に啓発活動を行うことや、性暴力におよんだ教員に対しては原則として懲戒免職とすることなどが盛りこまれた。