万博さんぽ 第3回 ルーマニア館 第4回 チェコ館でビールの夜

万博の楽しみ方を紹介する「小山径の万博さんぽ」。

大阪・関西万博では当面、一日券の半額程度で入場できる夜間券の入場時間が1時間前倒しされ、午後4時からになっています。

仕事終わりに万博に、という方にも参考になる、夜の楽しみ方をチェコパビリオンで取材しました。

(大阪放送局 アナウンサー 小山径)

第4回 チェコビールの夜 仕事終わりの2時間で

2025年6月25日 14時22分 更新

生放送「ほっと関西」の放送を終えて、万博会場に着いたのは午後7時半過ぎ。

ライトアップされたパビリオンが会場を彩ります。

五線譜に音符をイメージしているオーストリア館は夜空に楽譜が浮かび上がるよう。

色や明るさなどそれぞれの特徴を出したライトアップが行われています。

ガラスで作られていて、ひときわ明るいパビリオンがチェコ館です。

おいしいビールが味わえるということでも話題になっているので行ってみました。

ビール3種類の注ぎ方をお試しくださいと書いてあります。

中には泡だらけの注ぎ方もあります。

これはどういうことなのでしょうか?

迎えてくれたのはチェコでビール修行したことのあるスタッフの三富弥麗さん。

三富弥麗さん
「チェコのビールは注ぎ方の違いで、味わいを楽しむんです。泡だけの注ぎ方は“ミルコ”と呼ばれていますが、目をつぶって飲んだらなめらかすぎて、泡ってわからないですよ」

本当でしょうか?そこまで言われると注文しないわけにはいきません。

ミルコ一杯ください!

ちょっと待って!本当に泡ばかり。

きめ細かな泡で光が反射して、真っ白なんだそうです。

一口飲んでみると、少し甘みを感じます。

泡といっても、日本のビールの“のどごし”ではない泡で、“泡自体が液体”のような錯覚を覚えます。

そして、泡が消えて液体部分が下にたまってくると、味が微妙に変化していきます。

最初はすごくなめらかで甘かったのが、苦みが強くなってきて、一杯でいろいろな味が楽しめます。

初めての体験でした。

チェコ流の乾杯の方法も教えてもらいました。

「ナズドラヴィ」と言って、いったん机にグラスを置いた後、ぐっと飲むのがチェコ流。

チェコ館の屋上では、目の前で水上ショーやドローンショーも見ることができました。

2時間足らずの滞在でしたが、夜の万博を満喫しました。

(5月26日「ほっと関西」5月27日「列島ニュース」で放送)

第3回 ルーマニア館で伝統の踊りや工芸を体験

万博のパビリオンでは伝統舞踊や音楽を生で見られることを打ち出している国があります。

その一つが東ヨーロッパのルーマニア。

パビリオンでは工芸品作りなどの体験も人気を集めているということで、今回はルーマニア館を取材しました。

中に入ってまず出迎えてくれたのはルーマニアの伝統的なダンス、踊っているのはルーマニアで最も古いフォークダンスグループです。

音楽に合わせて手と足を打ちながら独特のリズムで踊ります。

私も特別に挑戦させてもらいました。

なかなか手と足が合わず難しかったですが皆さんが優しく盛り上げてくれました。

現地の伝統をなんとかこの日本の皆さんに伝えたい、その情熱が伝わってきます。

ダンスグループの女性
「大阪・関西万博に来られてうれしいです。皆さんに美しいルーマニアを見てほしいです」

伝統工芸の体験も

パビリオンの2階では、ルーマニアの伝統工芸を訪れた人が体験し、みんなで少しずつ作品を作っていくワークショップが行われています。

この日は、刺しゅうのワークショップが行われていました。

作っていたのはルーマニアの伝統的な皮の装飾品、スカートの前につけるものです。

ベルトみたいなものなんだそうです。

細かい刺しゅうがあしらわれています。

私も教えてもらいながら刺しゅうに挑戦しました。

刺しゅう体験の担当者
「ルーマニアでは刺しゅうすることは昔からとても有名で、地方によって模様が違い、それが地域のシンボルになっています」

また、手作りの伝統的な衣装が展示されていて、声をかけると着せてくれました。

衣装は外側はすべすべで手触りがよく、高級感のある刺しゅうが施されています。

羊毛を使っていて中はとてもふわふわで暖かく、地方に住んでいる人は教会に行くときや結婚式などに着ているものだそうです。

作っている男性は、一つ作るのに1週間くらいかかると話していました。

丁寧な手仕事への愛情が伝わってきました。

現代アートも展示されていました。

こちらはエミューやダチョウの卵から作っているそうです。

古い芸術もそれから新しい芸術も守り、生まれていくルーマニア。

その魅力をじっくり体験させていただきました。

そして、パビリオンの案内をしてくれたスタッフのダナさん。

ルーマニアの首都・ブカレストの大学生で万博に合わせてスタッフとしてやってきました。

夏目漱石など日本の文学が好きで日本語を勉強しているそうです。

ルーマニアパビリオンではダナさんなど日本に興味のある6人の大学生が、案内してくれます。

ぜひ滞在中、日本を楽しんでほしいですね。

(5月22日「ほっと関西」5月23日「列島ニュース」で放送)

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