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何年前の事だろうか。私は突然通りすがりのセキショクヤケイにヘッドギア型のモニタを取り付けられてしまった。その日を境に、私は現実にいるはずなのに、いつ何時もモニタに映る世界を見続けざるを得なくなってしまった。セキショクヤケイは、私にこう言った。
「そのモニタは取り外さない方がいいぞ。」 「そのモニタは外れることもないし、かといってずっと着いているままでもないからな。」
「それでも取り外すというのなら、それ相応の身体的苦痛が待ってるということは忠告しておこう。」
こうして、私は毎日をモニタに映る世界に費やすことになった。
ーーーーしかし、モニタの世界は孤独だ。私以外ニワトリしかいない。ニワトリたちと言っても、当然のことながら、話し相手になるわけもない。
それでも、私はある確信を得ることができた。彼らは、何らかの言語を喋っている。
彼らはどのような言語で意思疎通を取っているのか。そして、どのような会話を交わしているのだろうか。
これは私の興味本位に過ぎないが、それをすべて解明してやろうと思う。
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(被験者投影装置C-00xのログより抜粋) |