引き算をするとき、繰り下がりが多いとうんざりしてしまいませんか?
繰り下がりの処理は間違いやすく、誤答の原因にもなりがちです。
しかし、そんな繰り下がりを回避できる工夫があるのです。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
8125−3997
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「4128」です。
一般的な筆算の手法を使ってこの問題を計算しようとすると、三か所で発生する繰り下がりに苦しむことになります。
一方、次の「ポイント」で紹介する工夫を使うと、繰り下がりなしでも答えが出ますよ。
楽に計算したい人は、ぜひ次に進んでください。
ポイント
この問題のポイントは、「引く数を切りのよい数にすること」です。
繰り下がりが多くなってしまうのは、引く数が3997のように切りの悪い形をしているせいです。
ここで、3997が4000にかなり近い数であることに注目しましょう。もし引く数が3997ではなく4000だったら、繰り下がりは全く発生しないため、引き算は次のようにとても簡単になりますよね。
8125−3997
→8125−4000
=4125
とはいえ、8125−3997と8125−4000は同じ式ではないのだから、この問題の答えを4125とするわけにはいきません。
そこで、8125−3997と8125−4000の答えはどのぐらい違うのかを考えてみましょう。
4000は3997よりも3大きな数ですよね。つまり、3997の代わりに4000を引くと、3だけ余分に引きすぎてしまうのです。元の式と同じ答えにするためには、この3を後から足してやればOKです。
具体的には、次のように計算します。
8125−3997
=8125−4000+(4000−3997)
=8125−4000+3
=4128
先に説明した通り、3997の代わりに4000を引いてから、引きすぎた分を+(4000−3997)の式で足して、答えがもとの式からずれないようにしています(4000−3997は4000と3997の差、つまりどれぐらい引きすぎているのかを算出する式です)。
このようにすれば、繰り下がりを回避しながら、「4128」という答えにたどり着けます。
まとめ
今回は、繰り下がりの多い引き算を効率的に計算する方法について紹介しました。
引く数の切りが悪いせいで繰り下がりが生じているなら、まずは引く数に近くて切りのよい数を代わりに引きましょう。
ただし、元の引く数よりも代わりの引く数の方が大きいなら、引きすぎてしまっていることになります。このようなときは、あとで代わりの引く数と元の引く数の差を足しましょう。
なお、引く数の代わりには、できるだけ元の引く数に近い数を使ってください(3997なら5000ではなく4000)。後の答えの調整が楽になりますよ。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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