【知事をかばうには限界……】兵庫県・斎藤知事の側近が相次いで退場した「無責任すぎる背景」

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A氏が斎藤知事にまつわる疑惑を告発した文書には、片山前副知事の名前も登場する
A氏が斎藤知事にまつわる疑惑を告発した文書には、片山前副知事の名前も登場する

死を選んだA氏を悩ませたのは、斎藤知事を含めた上記2名の「ある行動」が原因になったという見方が庁内では根強い。斎藤知事が会見で「嘘八百」「公務員失格」などとA氏を断罪した3月27日の同日、片山副知事と小橋氏がA氏へ聞き取り調査した際の言動がA氏を追い詰めたと見られているのだ。「聞き取り調査が行われたその日から、A氏の様子は明確に変わった」と明かすのは知人男性である。

「斎藤知事や県の対応で最も憤りを感じるのは、Aの告発を事実無根、嘘八百と断言した態度です。Aは県のヒアリングで自分が告発文を書いたことは認めたが、事実無根であるなんてことは、一切認めていない。むしろ、『しっかりと調査してほしい』と片山副知事、小橋理事に懇願している。それなのに直後の会見で斎藤知事に『公務員失格』とまで言われたことに大きなショックを受けていた。『何のために兵庫県に尽くしてきたのか』と呆然としていました」

件(くだん)の片山副知事、小橋理事より県職員の間で評判が悪いのが、井ノ本知明・総務部長と原田剛治・産業労働部長だ。井ノ本氏は7月30日に体調不良を訴えて、委員会などを欠席。原田氏は企業から商品の供与を受けた疑いで、県警から任意で聴取を受けている。

「井ノ本さんはいきなり診断書を提出して、体調不良を訴えた。登庁するとなじみの記者には話すものの、委員会など公の場には一切出てこなかった。一方、原田さんは騒動勃発後も何食わぬ顔で登庁しています。商工会議所関連の懇親会に参加した際は普通に酒を飲んでいて、逆に周囲が心配するくらい堂々としていたと聞いてます」(前出・県関係者)

百条委員会の調査が本格化する前に原田氏を除く斎藤知事の側近3人が離脱したのは、「保身以外には考えられない」と憤るのは、ある県議だ。

「捜査能力が強い百条委員会で幹部たちへの追及が強まることは必至です。アンケート結果の集計が終わり、調査が本格化する8月を前に診断書を盾に逃げ出したとしか思えない」

別の県議が続ける。

「職員の中での斎藤県政への不信感は日に日に高まっている。既に業務に支障をきたしているからです。職員へのアンケートは開始2日間で3500件超が回収された。驚異的なペースです。幹部たちもそんな本庁の空気を感じて、さすがに知事をかばうには限界があると察したのではないか。これまで進めてきた政策を放ったらかして離脱しているわけで、その無責任さも批判されています」

県民や職員たちの受難は、まだまだ続きそうだ……。

後編記事『【兵庫県、はずかしい】斎藤元彦・兵庫県知事の変革が生み出した「深刻なひずみ」と「異常なストレス」』では、具体的な兵庫県政の停滞について、詳報する。

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