証券口座乗っ取られた男性 SBI証券に有価証券返還求め提訴

証券口座を乗っ取られて身に覚えのない株式の売買が相次いでいる問題で、数千万円分の有価証券を無断で売却された男性が、ネット証券大手のSBI証券に対し、有価証券の返還を求める訴えを起こしました。

訴状などによりますと、横浜市在住で私立大学講師の里吉竜一さん(60)は、ことし4月22日、SBI証券の口座に不正にアクセスされ、数千万円分の有価証券を無断で売却された上、身に覚えのない株式の売買が繰り返されたということです。

会社側は5月2日、被害の状況に応じて顧客に補償する方針を明らかにしたものの、これまでに里吉さんには補償についての対応が示されていないということです。

このため、無断で売却された有価証券の返還などを求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

里吉さんは都内で開いた会見で、「30年以上かけて積み上げてきた資産が一気に消失し、老後も含めた生活基盤を奪われた。フィッシング詐欺の被害にもあっていないし、IDとパスワードの管理もしっかりと行っていたので、被害回復をしてほしい」と話していました。

SBI証券は「訴状を受け取っていないのでコメントは差し控えさせていただきます」とした上で、被害を補償する対象者には今月中に書面で連絡するとしています。

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