参院選に臨むにあたり「ブロードリスニングを基に政策を打ち出す」と綱領に謳っている「再生の道」。そのブロードリンスニングについて、石丸代表が今年の4月に語った動画をご覧いただこう。括弧で補足されている言葉は、この動画をそのまま文字起こしして作った書籍『日本再生の道』(石丸伸二、西田亮介共著、幻冬舎)からの引用である。つまり石丸氏自身がそのつもりで語ったということである。
石丸「例の安野さんが新プロジェクトでブロードリスニング打ち出されてますよね。あれがあったらもう(議員は)要らないじゃないっていう。個々の議員の方とか、あれを採用したら全然幾らでも政策を打ち出せますよね。でもそれだったら他の党も一緒じゃないですか。国政レベルでも国民民主とか他が使うって言ってますよね。そしたら党の意味がなくなるんです。でも僕はそれでいいと思う。そうなると思う。なので最終的に求められるのはそれを使う人間の資質なんですよ。ここにパソコンあっても小学生にとってのパソコンと、大人にとってのパソコン、全然パフォーマンス変わりますよね。なので能力が高い人、力のある人をここに座らせたいです」
箕輪「それ、めちゃめちゃ何か倫理観とかも問われますね」
石丸「もちろんです」
箕輪「それこそ短期で見るのか、今、嫌われても中長期で見るのか。その人の倫理観とか価値観」
石丸「そこなんですよ。そうなんですよ。僕あのブロードリスリングというかAIに基づく意思決定に物凄い危惧してる、懸念があって『17才の帝国』っていうドラマがあるんですけど、まさに今の話です。AIによって住民の満足度がリアルタイムで測れるんです。都度、住民投票するんです。でもその結果は上手く行かないっていう話なんですけど、僕があれ一番上手く行かないだろうなと思ったのは、全員に聞いたら目の前の幸せを追うんですよ殆どの人は。でもそれじゃ究極的に幸せになれないから、自分たちの代表、要はエリートですよ。集団社会において指導的立場のある人間を選んでみんなが合意して。彼らに決めてもらう、運命を委ねるのが僕は人類の英知だなって思うんですよ。彼らが責任を負って中長期的な、なんなら超長期的な視点で利益を追求する、これが人類の幸福に資すると思うので、みんなに聞くのは止めた方がいいというか、途中までにしておかないと、全部それをやったら究極のポピュリズムになると。それこそ税金なくしてくれって言ったら全員賛成するじゃないですか。でもその裏側にあるデメリットもちゃんと考える賢い人、賢人というものを生み出すのが僕は民主主義という装置かなと思ってるんで」
箕輪「(AIの意見は)参考程度にしかならないと思うんですよね」
石丸「しちゃいけないんだと思います」
もうどこから突っ込んで良いか分からない支離滅裂さである。石丸氏はブロードリスニングを何だと思っているのだろうか。ブロードリスニングとは、膨大かつ多様な意見をAIが読み込んだり聞き取ったりして分類する道具である。例えばアンケートの自由記述を人間が読んでまとめることを考えてみよう。「病院の待ち時間が長すぎるという不満だから、これは医療に関するグループに分類しよう」とか「病院の待ち時間に対する不満を語る人はバスの便数に対する不満を語る人と共通している傾向がある」(架空の例)などというまとめ方をするだろう。これが30件程度なら人力でやれるが、3000件もあったら膨大な手間がかかってしまうし、記述が多岐に渡れば傾向をまとめることは絶望的になる。これをAIで読み込んで瞬時にかつ見やすくまとめるのがブロードリスニング(広く聞く)である。当然ながらまとめた結果をどの程度政策に反映させるかは人間が決めるのであって、AIが決めるわけではない。あるアンケート調査の結果を表計算ソフトで集計して賛成が80%になったからといって必ず実施するわけではないのと同じである。ブロードリスニングとは超優秀な表計算ソフトと本質的に変わらない単なる道具なのであって、SF映画やドラマに出て来るような、AIが人間をコントロールするような話ではない。
石丸氏の発言を要約すると、ブロードリスニングがあれば政策を簡単に打ち出せるので議員は要らなくなる。そうするとどの党も同じ政策になるので党の意味がなくなるがそれでよい。ブロードリスニングを使う人間の資質を高めることが必要。大衆の意見を聞くと目先にとらわれて長期的な利点を考えないので、それができるエリート指導者に任せるべきである。よって大衆の意見を聞くAIは要らないし参考にすらするべきではない。
何が何やら訳が分からないが、これまでの妄言から、どうやら自分こそがそのエリート指導者だと考えているらしいことが伺われ、頭が痛い。こういう考えの人が国政ではどうやって「ブロードリスニングを基に政策を打ち出す」のだろう。大衆の意見を参考にすらしないと語る石丸氏が、ブロードリスニングを使って、大衆ではなく一体何の意見を広く聞く気なのか興味は尽きない。
それにしても、今や石丸号という泥舟の舟底に寝そべっている状態の箕輪氏が、こんな支離滅裂な石丸氏の話を納得して聞いているのが気の毒でありながらも面白い。
#石丸伸二 #再生の道
【石丸伸二vs西田亮介】「再生の道」存在意義は?改革か無意味か…箕輪厚介も激論【ReHacQ】 youtu.be/Lws5rbO6AYo?si
2:00
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取材不足
@shuzaibusoku7
7月1日の「再生の道」公約発表会見で、石丸氏は教育への投資を語ったが、その中で、ブロードリスニングの活用を強調した。公式HPの「国政に臨む基本方針」の「綱領」にも
・教育への予算配分を重視する。
・ブロードリスニングを基に政策を打ち出す。
・任期は2期(12年)を上限とする。
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