「親しみやすいアイドル」 長嶋茂雄さんは新御三家の先駆けだった?

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平賀拓史 大内悟史
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 3日に89歳で亡くなった長嶋茂雄さんは、野球選手を超えた存在だった。戦後日本の経済成長とメディア環境の変化の中で、戦後最大の「国民的アイドル」になった、とする見方も。ミスタープロ野球とは何者だったのか――。

 「三振すらニュースになるほどのスターだった。パフォーマンスとして計算した部分もあったが、それ以上に、想像を超える結果を出し、人々を魅了してやまなかった」。政治思想が専門で、日米の野球史にも詳しい鈴村裕輔・名城大教授はそう語る。

 1959年、昭和天皇が観戦した天覧試合でサヨナラ本塁打を放ち、「一時はうろんな職業とみられていたプロ野球選手の社会的地位を大きく向上させた」。選手時代は、まさに高度経済成長期。同じ頃、世界で活躍していた指揮者小澤征爾さんらと並び、「上り調子の日本」を象徴する存在でもあったとみる。

「戦後最大と言っても過言ではない」

 球界はその後、黒い霧事件と…

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この記事を書いた人
平賀拓史
文化部|論壇担当
専門・関心分野
歴史学、クラシック、ドイツ文化など
大内悟史
文化部|論壇・読書面担当
専門・関心分野
社会学、政治学、哲学、歴史、文学など
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