「くたばれトランプ」「米国を出ることも」TikTokで声を上げる米国市民 #SNSの功罪
「知的で行儀がいい、抑制的なのが民主党の本流。そこに私みたいに、罵りの言葉を使う民主党系の政治評論家が現れた。民主党支持者は、私のような好戦的な語り手を求めていたんだよ」 テキサスは伝統的に共和党が強い“赤い州(レッド・ステート)”だ。2024年の大統領選では、トランプ氏の得票率が56%に上り、シュローダーさんが住むアップシャー郡となると85%に跳ね上がる。そんな土地で反トランプを旗幟鮮明に掲げることに不安はないのか。 「時たま届く『ここから出ていかないのなら、死ね(Leave or die)』といった類のメールやDMでビビることはなくなった。命の危険を感じたことは一度もないよ」と笑い飛ばす。 TikTokを通してアメリカ社会を覗き込んでみると、多くの人が声を上げていることが分かった。TikTokは政治家にとっては集票マシンの機能を備え始めたといわれているが、有権者が同じSNSを使って、政治的な主張を繰り広げる。トランプ氏の再選で、アメリカの民主主義のあり方が歪んでいくのではないかという心配もあるが、ネット空間の自由な言論活動を見ている限り、それは杞憂に終わりそうだ。 横田増生(よこた・ますお) ジャーナリスト。1965年生まれ。2020年『潜入ルポamazon帝国』で第19回新潮ドキュメント賞、2022年『「トランプ信者」潜入一年』で第9回山本美香記念国際ジャーナリスト賞受賞。 --- 「#SNSの功罪」はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。SNS上での誹謗中傷が社会問題としてクローズアップされるようになっています。それに伴い、辛辣な投稿に対する対策や人々の意識も変わってきました。一方で、SNSの恩恵を受けている人たちも多くいます。私たちはどのようにSNSと付き合っていけばよいのでしょうか。さまざまな事例と共に考えます。