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戦略素材企業「プロテリアル」は再上場なるか?

さて、「ネオマックス」を継承したプロテリアルだが、2022年に総額8000億円を超える大型買収を経て、現在はアメリカのボストンに本拠を置く大手プライベート・エクイティ(PE,未公開株に投資するファンド)、ベインキャピタルを筆頭に、日本政策投資銀行(DBJ)、日本産業パートナーズ(JIP)で構成されるファンドに保有されている。

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今後の注目は、プロテリアルの株式再上場の可能性だ。ベインキャピタルは、投資ファンドとして当然株式上場による「出口」を模索しているだろう。プロジェクトにもよるが、通常PEファンドは5年程度の投資期間を想定する。

でも、ネオジム磁石が米中経済戦争の中で「戦略物資」となっている中で、日本政府はプロテリアル再上場にどのような姿勢を取るのだろう。株式を一般公開すれば、中国資本などの買収ターゲットとなるシナリオもある。

一つの方法としては、政府が全額出資するDBJや、JIPなど政府協調型の日系ファンドが拒否権を発動できるよう、一定の出資比率を維持することが考えられる。上場による市場からの自由な資金調達と戦略的なコントロールの両立をはかる選択肢だ。

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今度百均でネオジム磁石を見かけたら、その強力なパワーが引き寄せた大きな経済ドラマを思い出そう。

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