参議院選挙 党首の演説で多く使われたことばは? 徹底分析

第27回参議院選挙が3日、公示されました。
NHKは公示日の各党党首らの演説を「テキストマイニング」という手法で分析しました。演説の中で使われた政策や選挙運動に関することばの回数を集計し、多く使われたことばをより大きく表示しています。
また、テーマごとに演説の構成を視覚化し、有権者にどのような内容を訴えたのか読み解きました。

自民党総裁 石破総理大臣

自民党総裁の石破総理大臣は神戸市で災害や防災を中心に演説しました。30年前の阪神・淡路大震災や日本が世界有数の災害大国であることに触れ、防災庁の設置に向けて取り組んでいることを訴えました。

また、物価高対策については物価の上昇を上回る賃金の上昇を実現したいと述べました。

石破総理大臣は演説で「物価高対策」と「防災・復興」について、それぞれ全体の4分の1近く話しました。

立憲民主党 野田代表

立憲民主党の野田代表は宮崎県で演説し、コメの値上がりや農業の課題を中心に訴えました。「令和のコメ騒動の震源地は宮崎県ではありませんか」と前農相の辞任にも触れました。

農業人口が増えるよう予算を10倍にしたいと述べたほか、生活に車は欠かせないとして、ガソリン税の暫定税率廃止を実現したいと述べました。

野田代表は演説で「コメ・農業」について半分近く時間を割いたほか、「物価高対策」についても全体の4分の1近く話しました。

日本維新の会 吉村代表

日本維新の会の吉村代表はこれまで大阪で進めてきた財政改革などの実績を訴えたうえで、若い世代の大きな負担になっている社会保険料を下げる改革が必要だと繰り返しました。

さらに、「副首都」と呼ぶ経済圏を関西につくり、地方が成長して日本を引っ張っていくことが重要だと述べました。

吉村代表は演説で「社会保障」について、全体の4分の1近く話しました。

公明党 斉藤代表

公明党の斉藤代表は物価高に賃金や年金の上昇が追いついていないとして、所得税の減税や奨学金返済額の控除などを行うと訴えました。

さらに、社会保障を充実させるため、税収の上振れ分を使って所得税減税などの恩恵を受けない人を中心に現金給付も行っていくと述べました。

斉藤代表は演説で「物価高対策」について全体の4割近く話しました。

国民民主党 玉木代表

国民民主党の玉木代表は「日本の政治を変える夏」にするとして、手取りを増やし、「現役世代から豊かになろう」と述べました。

そして、力強い日本経済を復活させる成長戦略として働き控えがなくなるような所得税の控除額の引き上げや、投資を増やすことなどを訴えました。

玉木代表は演説で「経済・財政」について全体の半分以上話しました。

共産党 田村委員長

共産党の田村委員長は、自民党政治を繰り返し批判し、消費税を減税するため、大企業や富裕層に財源としての負担を求めることを訴えました。

また、診療報酬の削減による医療崩壊を食い止めると述べました。そして、市民と野党共闘の力で参議院でも自民・公明を少数に追い込みたいと訴えました。

田村委員長は演説で「物価高対策」と「外交・安全保障」、「社会保障」について、それぞれ全体の2割近く話しました。

れいわ新選組 山本代表

れいわ新選組の山本代表は「30年不況が続く日本に新型コロナがやって来てコロナから立ち直る前に物価高になっている」と指摘し、いますぐ消費税を廃止すべきだと訴えました。

また、消費税が大企業減税の穴埋めに使われているとして今の政治は国民のほうを向いていないと批判しました。

山本代表は演説で「経済・財政」について、全体の半分近く話しました。

参政党 神谷代表

参政党の神谷代表は「国民中心で国民を守っていきたい」と述べ、キャッチコピーの「日本人ファースト」を繰り返しました。

また、女性が子どもを産みたい、産んだほうが安心して暮らせる社会状況を作らないといけないとして、子ども1人あたり月10万円の教育給付金を出したいと訴えました。

神谷代表は演説で「経済・財政」と「外国人」について、それぞれ全体の2割近く話しました。

日本保守党 百田代表

日本保守党の百田代表は日本人の労働や給与を中心に演説し、日本人の給与が上がっていないのは、安い賃金で働く外国人をどんどん入れているからだと主張しました。

また、日本人は世界で最も勤勉で、働くのが大好きだと述べています。さらに、消費税に反対するとして、まずは食品への消費税率をゼロにすべきだと訴えました。

百田代表は演説で「経済・財政」を全体の3分の1近く、「外国人」について、4分の1近く話しました。

社民党 福島党首

社民党の福島党首は演説の中で、「ぶれずに変える」と繰り返しました。防衛予算が増える一方で、教育や農業の予算が減っていると述べ、お金の使いみちを変えると述べました。

そして、「みんなが安心して生きられる、そんな社会を作りたい。戦争に反対し、あらゆる差別をなくしていく」と訴えました。

福島党首は演説で「経済・財政」を全体の2割近く、「コメ・農業」について、1割近く話しました。

みんなでつくる党 大津党首

みんなでつくる党の大津党首は企業や行政で不正を告発する人など弱い立場にある人を守り、声を届けられる政治を目指すと述べました。

また、政党の不正や裏金問題が繰り返されてきたとして、おかしいと思ったことをおかしいと言える普通の感覚を持った議員を生み出していくべきだと述べました。

大津党首は演説で「政治とカネ」について全体の3分の1近く話しました。

政治団体「NHK党」 立花党首

政治団体「NHK党」の立花党首は、NHKの受信料制度や報道姿勢について多くの時間を割いて批判しました。

また、自らを「日本のトランプ」と例え、当選したら、国益を守るためにアメリカのトランプ大統領と交渉していくと訴えました。さらに、兵庫県の斎藤知事を応援するとしています。

立花党首は演説で「NHK批判」と「兵庫県政を巡る問題」についてそれぞれ全体の2割近く話しました。

政治団体「再生の道」 石丸代表

政治団体「再生の道」の石丸代表は教育を最優先のテーマに掲げると述べました。学校の先生の労働時間や残業代といった待遇の改善、教室のエアコンの整備などの投資が重要だと主張しました。

人口減少が進む中、教育のレベルをあげて国民一人一人の力を高め、生産性を向上させると訴えました。

石丸代表は演説のほとんどを「少子化・教育」について話しました。

政治団体「チームみらい」 安野党首

政治団体「チームみらい」の安野党首は政治とカネの問題や国民の声が届かない政治を終わらせると繰り返し、「日本が変わるべき時」だと訴えました。

また、テクノロジーを使って政治資金の流れを公開する仕組みや国民の声をダイレクトに届ける仕組みを作ると訴えました。

安野党首は演説で「政治とカネ」について、全体の4分の1近く話しました。

※「テキストマイニング」では、自らの政党・政治団体の名前は除外しています。

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