掛け算をすばやく正確に行うために、「切りのいい数」に直して計算する方法をご存じでしょうか。
一見すると難しそうな二桁同士の掛け算も、この工夫を取り入れることで、暗算で解けるようになります。
今回は、切りのいい数を使った掛け算のテクニックに挑戦してみましょう。
問題
【問題】
27×32を暗算で計算しなさい。
二桁の掛け算は、筆算なしでは難しいと感じる方も多いかもしれません。
ですが、数を上手に分解することで、暗算でも解けるようになるのです。
解説
正解は「864」です。
次のように式を展開して考えると、計算しやすくなります。
27×32=27×(30+2)
=27×30+27×2
=810+54
=864
このように、複雑な掛け算でも、数を分解して段階的に計算すれば、負担がぐっと軽くなります。
ポイント
この計算方法のコツは、「複雑な数を切りのいい数に分けて考える」ことです。
以下のような手順で進めていきます。
【手順1】
32を30と2に分け、
27×32=27×(30+2)と式を変形します。
【手順2】
27×30と27×2に分けてそれぞれ計算します。
上記の図のように、27×32で表される長方形の面積を、横方向に30と2で区切ると、27×30と27×2の2つの面積の和になることが分かります。
別の解き方
別の方法として、27を30-3と考えて計算することもできます。
27×32
=(30-3)×32
=30×32-3×32
=960-96
=864
こちらの方法でも、同じ答えにたどり着きます。使いやすい方を選んで、自分なりの計算スタイルを身につけていきましょう。
まとめ
掛け算を効率よく行うためには、切りのいい数への分解が大きな助けになります。
ちょっとした工夫で、暗算のスピードと正確さは格段にアップします。
日常生活や仕事でも役立つ場面がきっとあるはず。
ぜひ試してみてくださいね。
※当メディアで紹介する解法は一例です。他にも正しい方法が存在する場合があります。あらかじめご了承ください。
文:nika
これまで15年以上、学習塾で教務部長や教室長として小学生から高校生まで算数・数学の指導を行っているWebライター。
監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」