25日に投開票される静岡県の伊東市長選には、3選を目指す現職の小野達也さん(62)と新人で元市議の田久保真紀さん(55)が立候補し、論戦を繰り広げている。2人の横顔を紹介する。(今坂直暉)=届け出順
◆小野達也(おの・たつや)さん(62) 無現<2>=自公
「どん底から起業 政治の糧に」
県議を3期務めた後、市長になった。政治家として「人の意見をよく聞く」ことを信条とし、「人に対して優しい街づくり」を目指す。父の急死から立ち直り、干物製造販売会社を起業した経験が政治家としての糧になっている。
焼津水産高生だった時に父が亡くなり、精神的にも経済的にも「どん底を味わった」。姉は東京の親戚に預けられ、自身は奨学金を借りて卒業。1987年に伊東に戻って会社を起こし、「多くの仲間に励まされて頑張れた。人は人によって支えられている」と実感した。そのうち人から相談を受けるようになり、「人の役に立ちたい」と政界入りした。
市内の催しで魚をさばく速さと美しさを競う「ひもの開き日本一大会」で2度優勝した。市長に就任して会社の社長は勇退したが、「持ってきてくれたら何でもさばける」と今も腕に自信あり。歩いたり温泉に入ったりして健康を維持し、3人の孫と過ごすのが至福のひとときだ。
◆田久保真紀(たくぼ・まき)さん(55) 無新
「仕事経験多彩 庶民目線養う」
市議を2期務め、初めて市長選に挑戦する。バイク便ライダーや営業職、飲食業など多彩な職を経験して庶民目線を養った。
千葉県船橋市出身で、10歳の時に父が病死した。学校に通えなくなる時期もあり、中学3年で自然豊かな伊東に転校。東京の大学を除籍された後、マスコミの原稿やフィルムを運ぶバイク便ライダーに。その後、イベントに人材を派遣する会社に勤務し、広告業界で独立した。2010年ごろに伊東にUターンしてカフェを開いた。
さまざまな仕事を経験したことで、「生き残っていくのは本当に大変で、給料を払って税金も納める苦労も知っている。そういった苦労に寄り添いたい」との思いを強くした。「市民ファースト」を掲げて政界に飛び込んだ。
バイクに車、アニメ鑑賞や読書など趣味は多彩だ。学生時代はハードロックバンドのボーカルだった。愛車のスズキ・スイフトは10万キロ以上をともに走った相棒。
〈訂正〉 当初は田久保さんの経歴について「東京の大学を卒業後」としていましたが、田久保さんが7月2日に記者会見し、卒業ではなく除籍であると説明したため、記事を修正しました。
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