次回作「黄昏の私はもう救われない」投稿開始告知
次回作投稿開始しましたのでCMです。
数々の魔王との戦いの果て、俺達は生き残った。
もはや、この世に脅威なし。羽を休める時が来た。
……そのはずであったというのに、どれだけの厄災を祓おうとも、悪魔は必ず現れるものらしい。
グツグツと煮える大きな釜から立ち昇る大量の水蒸気が、ペストマスクの表面で水滴となり、再び大釜へと戻っていく。
「――さっさと御影の居場所を吐かないと、ふふふ……」
体に何重と巻かれた縄の先を持った魔法使い職の女、つまり、魔女が何か言っている。
「だから、分からないんだ。スマートフォンも電源が切られているようだし」
「そんな答えを聞いた覚えはないのだけど? 御影の居場所を吐かないのなら、ちょっとお風呂で気持ち良くなってもらおうかしら」
「誰かっ、俺の体から疫病神を祓ってくれぇ! 狂った魔女共に殺される!!」
「優太郎先輩はただの入れ物なので、入れ物らしく黙っておいてください」
荒縄に体を巻かれて、滑車で逆さまに吊るされて、と毎度毎度、魔女共は色々と考えるものだ。行方不明の思い人の居場所を特定するべく必死なのだろう。ただ、神様への懇願ってこういうものだったっけ。
「うーん、もう死んじゃったかもしれな――」
「おっとっ、手が滑った」
魔女が縄というか、俺の生命線から手を放す。
重力に従い頭から落下する先には煮え滾った釜が――。
「御影。もたもたしていないで、さっさと――」
――こうして男は沈んだ。
摂氏百度近いとはいえ、水が豊富なのはたぶん良い事だ。