【兇人邸の殺人】僕はここでこのシリーズ読むのをやめます
オススメ度(最大☆5つ)
☆
「屍人荘の殺人」が傑作すぎて、続編の「魔眼の匣の殺人」もなかなか面白かったので、かなり期待して読み始めた剣崎シリーズ第三弾となる本作。
冒頭からこんなことを書いてしまうが、僕はこのシリーズはここで読むのをやめようと思う。
というのも、第三作目となる本作があまりにも残念な内容だったからだ。
前の2作は素晴らしい出来だった。一作目で起きた異常事態(ネタバレを避けるためにこの表現とする)、2作目では確実に当たる予言が、それぞれ組み合わさった特殊設定のミステリだったのだが、謎解きの中にそれらの要素がしっかりと論理的に組み込まれていて、真相がわかった時のカタルシスが痛快であった。
しかし、本作では凶悪な巨人が闊歩する館に閉じ込められた状況での殺人が起こるのだが、その巨人の設定が活きていなかった。
言うなれば、巨人の設定に謎解きを後で取ってつけたような印象なのである。
シリーズが三作目にもなり、シリーズを通して軸となっているストーリーにも考慮しながら、メインの謎解きを構築していくのに無理が出てきたのだろうか。シリーズが続けばキャラものになることもあるが、本作だと物語の設定上剣崎探偵のキャラクターも十分活きてはいなかったと思う。
実際に著者は本作執筆後、本シリーズのスピンオフ作品やシリーズと関係ない作品を2作出している。たぶん、本シリーズを続けていくことに一旦距離を置いているものだと思われる。
無理をして剣崎シリーズを続けるくらいなら、いっそ制約のあるシリーズを離れて、また自由に一から作り上げたミステリを書いていただきたい。
そんな思いも込めて、僕は剣崎シリーズをここでやめることとする。



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