米コロンビア大、大学資格剝奪の警告受ける トランプ政権が圧力
【ニューヨーク=野一色遥花】米コロンビア大学が大学としての資格の基準を満たしていないと教育省認定の所管団体から警告を受けたことがわかった。反ユダヤ主義への対策が不十分として、6月にトランプ米政権が団体に資格見直しを求めていた。コロンビア大は11月までに対応策をまとめた報告書を提出する。
大学資格を認証する中部地域高等教育委員会(MSCHE)が6月30日、コロンビア大に資格を満たしていないと警告する書簡を示した。MSCHEは米教育省が1952年に高等教育機関の認証団体として認めている。
MSCHEはウェブサイト上で資格基準を満たしている大学のリストを公開している。6月30日にコロンビア大学の資格を「再認可済み」から「警告済み」の表記に更新した。
資格が取り消されると、学生が連邦政府の学生ローンや経済的に困窮した人に与えられる返済不要の奨学金「ペル・グラント」の受給資格を失うことになる。
MSCHEはコロンビア大に対し11月3日までに対応策をまとめた報告書の提出を求め、その後大学を訪問する。26年3月の委員会で同大が資格基準を満たしているか議論する予定だ。
コロンビア大は声明で「大学認定は失っていないことを明確にしたい」と強調した上で「反ユダヤ主義を取り締まり、キャンパス内が全ての学生や教職員が安全でサポートを受けられ、喜んで迎えられていると感じる環境となるよう尽力し続ける」とした。
トランプ米政権は米大学によるパレスチナ支持の抗議活動(デモ)対応を問題視して、コロンビア大やハーバード大学など名門校を中心に締め付けを強化している。複数の大学への助成金を打ち切ったほか、免税資格の凍結も検討している。