大阪・関西万博の海外パビリオン建設に参加した複数の下請け業者が工事費の未払いを訴えている。アンゴラやマルタなどの6カ国分に及ぶといい、被害者の会も5月下旬に設立された。会の代表に就いた電気設備業の男性(42)に聞いた。(森本智之)
◆現場の仕切り役は「とにかく間に合わせろ」
「未払いになっている下請け社員は500人以上はいて、連鎖倒産の危機にある」。男性は切羽詰まった思いを打ち明けた。
男性はアンゴラ館の4次下請けとして開幕前後の追い込み期間の2~5月に現場に入った。ところが3次下請けから4300万円が支払われず、その後、連絡も取れなくなった。代金は3次下請けまでは支払われており、この業者が持ち逃げした可能性がある。おかげで、男性が協力を依頼した下位の下請け業者への支払いもストップした。
「そもそもめちゃくちゃな現場だった」と言う。
「現場の仕切り役は『とにかく間に合わせろ』。まともな図面がなく、材料の発注も一から。『これで良いか』と確認して工事しても『イメージが違う、やり直し』の繰り返しだった」
元請け、2次下請けはそれぞれ外資系のイベント会社で、建築のノウハウがなく、振り回されたという。遅れを取り戻すため車で仮眠し、1日20時間以上働いた日もあったと明かした。
◆「当時から問題が起きるのは目に見えていた」
万博の会場は人工島の夢洲(ゆめしま)のためにアクセスが悪く、軟弱地盤も重なって、パビリオン建設は難工事と指摘されてきた。
建築家の森山高至氏は、一時未払いが起きたネパール館で受注先が見つからないとして2年前に相談を受けた。旧知のゼネコンに相談したが「難しい上に利幅も少ない」と断られた。
「大手が軒並み手を引き、イベント会社などが受注した。建築専門ではないので見積もりが甘く、下位の下請けに払う資金が足りなくなったのではないか」と語る。「当時から問題が起きるのは目に見えていた。万博協会(日本国際博覧会協会)や...
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クレヨン伯 6月29日11時33分
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