春の褒章 三國清三さんや近藤良平さんら 607人と22団体が受章

長年にわたってその道一筋に打ち込んできた人や、芸術やスポーツの分野で功績のあった人などに贈られる「春の褒章」の受章者が発表され、世界的に活躍するフランス料理のシェフ、三國清三さんや、振り付け師の近藤良平さんら、607人と22の団体が受章することになりました。

ことしの「春の褒章」を受章するのは、
▽人命救助活動で功績のあった人に贈られる「紅綬褒章」が7人
▽ボランティア活動で功績のあった人や団体に贈られる「緑綬褒章」が11人と22の団体
▽長年にわたってその道一筋に打ち込んできた人に贈られる「黄綬褒章」が194人
▽芸術や文化、スポーツ、それに学術研究の分野で功績のあった人に贈られる「紫綬褒章」が20人
▽公共の仕事で顕著な功績があった人に贈られる「藍綬褒章」が375人です。

三國清三さん

このうち「黄綬褒章」は、世界的に活躍するフランス料理のシェフで、若い料理人の指導・育成や子どもたちの食育などの活動にも取り組んできた、三國清三さんらが受章します。

また、「紫綬褒章」は、
▽慶應義塾大学の名誉教授で、宇宙政策をめぐる研究の第一人者の、青木節子さん。
▽去年まで10年にわたり落語協会の会長を務めた、落語家の柳亭市馬さん、本名、右藤泰幸さん。
▽NHKの「サラリーマンNEO」をはじめ多数のテレビ番組への出演などを通じダンスの普及に尽力した、振り付け師でダンサーの近藤良平さん。
▽映画「ゴジラ-1.0」や「ALWAYS三丁目の夕日」などの撮影監督を務めた、柴崎幸三さんらが受章します。

褒章の受章者は、来月、5回に分けて、皇居で天皇陛下からお言葉を受けることになっています。

紫綬褒章 近藤良平さん

紫綬褒章を受章する、舞踊家で振付家の近藤良平さんは、東京出身の56歳。

1996年にコンテンポラリーのダンスカンパニー「コンドルズ」を旗揚げ、学ラン姿の男性たちが繰り広げる独創的なパフォーマンスで人気を集めています。

近藤さんが舞台の構成や振り付けを手がけ、コントやロック音楽などとダンスが融合した舞台は、国内外で高い評価を受け、およそ30か国で公演を行っています。

また、NHKのバラエティー番組「サラリーマンNEO」のコントにも出演したほか、連続テレビ小説「てっぱん」のオープニングのダンスの振付も手がけました。

3年前からはさいたま市の「彩の国さいたま芸術劇場」の芸術監督を務めているほか、ことし日本で初めて開催される聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」の開会式と閉会式の総合演出を担当しています。

近藤さんは「紫綬褒章という字も書けないほど縁遠いことでしたが、こういう機会が与えられて本当にありがたいです。コンドルズも29年目で、同じメンバーで続けることも珍しいと思いますが、ダンスや体を使った表現にはエネルギーがあるので、これからも続けていくことが大事だと思っています」と話していました。

紫綬褒章 柳亭市馬さん

紫綬褒章を受章する、落語家の柳亭市馬さんは、大分県出身の63歳。

高校を卒業後、1980年に五代目柳家小さんに入門し、31歳で真打に昇進、四代目柳亭市馬を襲名しました。

巧みな人物描写で古典落語の本格派として知られるとともに、張りのある美声の持ち主で、歌のうまさにも定評があります。

2014年から10年間は落語協会の会長も務め、後進の育成にも尽力しました。

柳亭市馬さんは「今までの活躍を見てもらい、こういうお褒めの賞をいただくことは非常にうれしいです。弟子にしてくれた師匠に感謝するとともに、今回いくらか恩返しができたかなと思います」と受章の喜びを語りました。

そのうえで「いかに自然に、お客様に楽しんでもらおうという気持ちを持ってしゃべることができるか。その修行ではないかと思うようになりました。これから10年20年先にどんな落語ができているかと思うと非常に楽しみで、若い者にも憧れを持ってもらえるような、はなし家でいたいです」と抱負を語りました。

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