リアプロ豆知識

 普通の薄型テレビとまったく同じ使い勝手を実現しているのがリアプロテレビの良いところ。フロントプロジェクターのように、見るときに部屋を暗くする必要もありません(暗くするとさらに美しく見られますが…)
 とはいってもリアプロはリアプロなりの使いこなしのテクニックがあるのも事実。例えばランプ交換。数年に一度のランプ交換が必要ですが、最新の機種ではお客様自身で簡単に交換できる工夫がされています。また交換後は画面の輝度が新品同等に戻り、テレビを買い替えたかのように美しい映像が楽しめます。

50V型以上をお望みなら、リアプロを検討しよう

 ブームの薄型大画面テレビ。ただしずいぶん買いやすくなったとはいえども、50V型を越えると急激に値段も上昇するのはつらいところ。そんな悩みをお持ちの方に、ぜひ検討していただきたいのがリアプロジェクションテレビだ。

 リアプロといえば、奥行きもあってブラウン管以上に大型、薄暗い部屋じゃないと映らない、斜めから見ると明るさがちょっと、なんてマイナスイメージをお持ちの方も多いのではないだろうか。そこでJoshin webではリアプロ売り出し中のビクターさんにおじゃまして最新モデルのHD-61MD60を視聴してきました。そこで見たのは…ん、何これ? 比較用のプラズマテレビ?? いえ、リアプロでした。

 プラズマテレビよりも明るいというビクターさんの話だけに、明るい部屋でも不安なし。ピントはシャープで高解像度なのに、やや暖かみのある見やすい画質です。斜めぎりぎりから見ると若干画面の隅が暗くなる場合もありますが、ほぼ実用レベル内と言えるでしょう。視野角は液晶と同レベルと言えそうです。
 
奥行き47cmで圧迫感はなし!!

 次に驚かされたのがその奥行きの薄さ。さすがに液晶やプラズマ、というほどの薄さではありませんが、背面が斜めにデザイン処理されているのでかなり横から裏側をのぞき込まないと、出っ張りがあるようには見えません。正面から見ている限りは普通の薄型テレビ変わらないイメージです。

 今回試してみたHD-61MD60の奥行きはいちばん厚い中心部で約47cm。50V型であれば40cm強の厚みがある場合が多いようです。さすがに形状的に壁掛けにするには難しいですが、一般的なテレビ台の上に設置するのであれば占有面積は薄型テレビと何も変わりません。薄型テレビの場合は転倒防止のために大きなスタンドが付いていたり、あるいはDVDレコーダーやビデオデッキを同時に設置することを考えれば4~50cmの奥行きはどうしても必要になってしまいます。

 また形状からして、部屋のコーナーなどへ置く場合はリアプロはしっくりおさまります。重さもHD-61MD60の場合は46.3kgと、設置におけるハンディはほとんどないと言えるでしょう。
 
液晶、DLP、独自方式と、投影方式はさまざま

 リアプロジェクションテレビの構造は、箱の中にプロジェクター(投影型テレビ)を入れてスクリーンの裏側から画面を映すもの。かなり昔からある方式で、液晶の存在していなかった頃は3管式のプロジェクターを内蔵していたため大きくて重いものでした。リアプロが巨大だと思われている方は、その頃の印象が強いというわけです。

 最近は光学エンジンとして液晶パネルやDLPが使われるようになり、小型・軽量化を実現しました。ビクターの場合はD-ILAという独自方式を採用(左写真)、NHKのスーパーハイビジョンや、次世代の映画館として注目されるデジタルシネマの研究に使われている方式で、大画面でありながら、明るく高精細、省エネを実現しています。

 またソニーのハイエンド・リアプロとも言えるクオリア006では、プロジェクションテレビとしては初のフルHD(1920×1080)を実現したSXRDパネルを採用しています。SXRDはソニーが独自に開発した反射式の液晶デバイスで、3,000:1以上という高いデバイスコントラスト、5msec以下という高速応答、そしてメッシュ感のないフィルムのようになめらかな映像を実現しています。
 
ランプを交換すれば、新品時の画質が蘇る

 リアプロジェクションテレビはまったくのメンテナンスフリーというわけにはいかず、一定時間ごとにランプ交換が必要です。例えばサンヨーの62DL5の場合は、約5,000時間がランプの寿命。1日8時間見たとして、数年に1度のランプ交換が必要になる計算です。これは他社のリアプロでも同様です。

 ランプ交換はビクターの場合だと、スピーカーネットを外すだけで前面からカンタンに交換可能。さらに嬉しいのは、交換すると新品同様の画質に戻ります。液晶やDLPなどは基本的に経年変化を受けにくいので、ランプさえ交換していけば常に綺麗な画質が楽しめるわけです。

 これがプラズマテレビだとパネルの寿命が事実上の製品の寿命となりますし、液晶はバックライトを交換すれば新品同様の画質に戻りますが、作業はかなり大がかりなものとなります。一台のテレビを美しい画面で長く使い続けるなら、リアプロは理想的な選択と言えるでしょう。
ハイビジョン放送、データ放送との相性はぴったり

 リアプロの多くは50V型を越える大画面のため、現行放送を見るには解像度的には若干物足りなく感じます。映像ソースはハイビジョン放送が理想的。大迫力の臨場感を楽しませてくれるでしょう。

 デジタルハイビジョンにつきもののデータ放送も試してみましたが、会議室でプレゼンを見るかのように文字も大きくて見やすく相性もぴったり。年輩の方にもおすすめです。リアプロを手にしたら、ぜひデータ放送も楽しんでみてください。