税金で買った備蓄米、2000円で売るのはおかしい? 「無料ではないか」の一部主張も...農水省に反論を聞いた
試験・研究や教育など以外は、法令に基づき売り渡し
平成の米騒動後に成立した食糧法に基づいた政令の第15条1項では、コメなどの主要食糧については、国や自治体が適当と認めた場合、試験・研究や教育に使う目的に対して無償で配ることができるとある。 農水省では、「このうち教育とは、学校給食やこども食堂、フードバンクといったところを指しています」として、「それ以外のケースについては、備蓄米を売り渡すことになります」と説明した。 具体的には、食糧法第29条で、国に届け出た業者などに備蓄米を売り渡すと定められている。 今回のケースについて、農水省では、同省が25年5月に定めた「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」で、コメ集荷の目詰まりが発生し、その円滑な流通に支障が生じている場合に当たるとして、備蓄米を初めて放出したと説明した。目詰まりを解消することが理由であって、平成の米騒動のときなどの大凶作や不作が理由ではないという。24年度産は、豊作ともされたことが念頭にあるようだ。 大地震などの災害が起きたときについても、国が無償で配るわけではなく、都道府県知事からの要請に応じて知事に販売するとした。ただ、コメを買い取った知事が、炊き出しなどに無償で配るかは、知事の判断だとしている。 「備蓄米が2000円などで販売されているのは、手続き通りにやっていることになります。政府がお米を買うときやその管理にもお金を使うなど経費がかかっていますので、税金で買ったから無償だということにはなりません」 なお、備蓄米販売で得た政府収入については、農水省の会計室によると、国費として、同省の食料安定供給特別会計の中で使われる。具体的な項目まで色分けされていないが、コメや麦の輸入や備蓄米・輸入米の保管料などに充てられている。 (J-CASTニュース編集部 野口博之)
- 252
- 592
- 258