先端兵器の実験が「地球外の技術」に見えた

また、1967年、モンタナ州の核ミサイル基地で起きた事件も、長年にわたってUFO神話を支える重要な根拠となってきた。

ロズウェル・デイリー・レコード 1947年7月8日の一面。「RAAF、ロズウェル地方の牧場で空飛ぶ円盤を捕獲」と題された記事
ロズウェル・デイリー・レコード 1947年7月8日の一面。「RAAF、ロズウェル地方の牧場で空飛ぶ円盤を捕獲」と題された記事(写真=Roswell Daily Record/PD US not renewed/Wikimedia Commons

当時空軍大尉だったロバート・サラス氏(現在84歳)は、10基の核ミサイルを制御する狭い地下壕で勤務していた。ある夜の午後8時頃、上の警備所から緊急連絡が入った。「正門の上に赤みがかったオレンジ色の楕円形が浮かんでいる」という。地上では警備員たちが、門の上空で静止している謎の物体に向け、必死でライフルを構えている。その直後、サラス氏のいる地下壕で警報が鳴り響いた。10基のミサイルすべてが突如として無効化されたのだ。

サラス氏はこの一件から長年、UFOが核ミサイル基地に干渉したのだと信じてきた。しかし、2023年のAARO調査チームにより、全く違う真相が明かされた。当時の軍は、核爆発で発生する強烈な電磁パルスがミサイルシステムに影響を与えるのではないかと懸念し、核爆発を伴わない電磁パルス発生装置を開発していた。この装置が設置されていたのが、施設の18メートル上空だ。作動時には強烈なオレンジ色の光を放ち、時には稲妻のような放電現象も起こしたという。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではないが、当時の一般の軍関係者では知り得ない先端兵器の実験が目撃されたことで、地球外の技術であるかのような印象を与えた。

UFO神話は「冷戦期の国家安全保障」の産物

エリア51をめぐる壮大なUFO神話は、米軍自身が意図的に種をまいた偽装作戦だったようだ。冷戦期の国家安全保障を目的として始まった偽りの情報は、人々の好奇心を肥やしとして大きく根を張り、いつしか地元の人々の目を欺く当初の目的を超えて膨れ上がった。噂や映画のテーマなどを通じ、今日では世界の人々の好奇心を掻き立てている。

現在もエリア51の周辺は、新型航空機の実験場として活用されている。米技術誌のインタレスティング・エンジニアリングによると、世界で最も秘密のベールに包まれているとも言われる米空軍資材司令部のRAT55と呼ばれる機体が最近目撃された。

米国防総省は年内にAARO報告書の続編を公開する予定だ。米フォックス・ニュースは、そこには偽情報作戦の詳細、司令官たちの通過儀礼の実態、そして「本物でない資料」がどのように欺瞞の道具として使われたかが記されると伝えている。

今年後半の報告書で、壮大な虚構の全貌がついに明らかになるのか。エイリアン研究所という偽りのベールの向こうに隠されていた、冷戦期アメリカの知られざる偽装作戦のさらなる詳細が明かされる。

【関連記事】
認知症の最大の原因は「年齢」ではない…「ヨボヨボな75歳」と「元気バリバリな95歳」を決定的に分けるもの
健康診断の数値はさほど意味がない…和田秀樹がそれでも「中高年は受けるべき」と説く"2つの検査"
「日本の水道水は世界一安全」はウソだった…発がん性PFASの影響を最も受けている"超身近な食材の名前"
大谷翔平でも八村塁でも大坂なおみでもない…アメリカでもっとも知名度が高い日本人アスリートの名前
息子を「種馬」にして26男27女を作らせる…NHK大河で生田斗真が演じる一橋治済が起こした「徳川家乗っ取り計画」