【全面訂正】
次に、3の締約国がexisting personに限定することを要求することができるという文言について、existingによって何が除外されるかに関する誤解。
existing personは以前はreal childだったらしく、定義に合うように修正されたらしい。
しかし、架空との区別するためならば、realというより明確な単語から現存等の意味を含む曖昧なexistingに変更したのかがわからない。
existingを創作物を除くものと解釈すると定義部分で含まれていない架空の人物を例外として除外する規定を設けたことになり、これは明らかに矛盾する。
既に説明した通り、条約法に関するウィーン条約によれば、「文脈」に書いていない意味を勝手な憶測で足してはならないのである。
百歩譲って、創作物が規制の対象だと解釈すると、4の内容とも整合せず、支離滅裂な条文になってしまう。
これについては、国連大学政策研究センター(UNU-CPR)の研究員は「児童の性的虐待又は児童の性的搾取に係る資料」にはAI生成コンテンツも含まれると解説している。
確かに、そのように解釈すれば、そうした矛盾は生じない。
AI生成コンテンツの学習元が実在する児童の映像等であれば、それは実在の児童を間接的に表現した映像資料と言えるし、また、実在の児童の権利を侵害する映像資料となり得る。
だから、規制対象に含まれるとする解釈が成り立つ。
また、議論の分かれ得る内容であるので、各国の国内法等に合わせて除外可能な規定を設けることも妥当と言える。
英語の細かいニュアンスがわからないので何とも言えないが、realをexistingに変えたのは、実写ベースっぽいAI生成コンテンツも全て違法とするか、モデルになった人物を特定しないと違法にならないかの選択を認めるという意味なのかもしれない。
また、existingを現存、すなわち、生存者と解釈しても矛盾は生じない。
いずれにしても、規制対象が完全創作物を含むとすると、致命的な矛盾が生じてしまう。
百歩譲って、完全創作物が規制の対象だと解釈すると、4の内容とも整合せず、支離滅裂な条文になってしまう。