【マダニ感染症】関東で初確認か ネコがSFTSに感染し死亡…薄着の季節、飼い主が気をつけることは? #エキスパートトピ

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
写真:イメージマート

2025年5月、茨城県で飼いネコのSFTS(重症熱性血小板減少症候群)感染が確認されました。関東でのペット感染は初とみられます。ネコは一時的に屋外へ脱走後、マダニに寄生され発症。高熱や嘔吐、黄疸を呈し数日で死亡したということです。

加えて、同様の感染症により三重県では獣医師が命を落とすという痛ましい事例もありました。

室内飼育かつ予防薬投与済みでも感染した事例であり、感染リスクの広がりが懸念されます。

ネコやイヌ、そして飼い主は、どうすればいいのか?を考えてみましょう。

ココがポイント

関東ではこれまでSFTSがほぼ発生しておらず、ペット感染の確認例は初
出典:朝日新聞 2025/6/22(日)

(SFTS)」は、高齢者の重症化リスクが高いとされる。国内では西日本を中心に届け出が相次ぎ、今年に入り10件以上の感染
出典:産経新聞 2025/6/15(日)

徳島県・海部郡に住む80代の女性がSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を発症しました。
出典:関西テレビ 2025/6/21(土)

エキスパートの補足・見解

マダニによる人獣共通感染症・SFTSが、関東で初めてペットから確認されたという衝撃的なニュースがありました。

これまでは西日本で多く報告されていた病気のため、関東の人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、近年は温暖化の影響などにより東日本へも広がりつつあります。

これから夏休みにかけて、登山やキャンプなどで山に入る人や、犬の散歩で草むらなどに立ち入る機会も増えます。

春から秋はマダニが活発に動く時期で、さらに服装が薄くなるため、SFTSに感染するリスクが高まります。屋外活動の際は長袖・長ズボンを着用するなど、肌の露出を避けることが大切です。

SFTSは発熱、嘔吐、下痢などの症状を引き起こし、ヒトでは致死率が20〜30%と高く、重篤化する可能性があります。

ネコの場合は屋外に出さず、マダニ予防を徹底しましょう。イヌも必ず予防薬を使いましょう。茨城県で感染したネコも予防はされていましたが、マダニに薬剤耐性がある場合もあります。動物病院で効果の高い製品を選び、ヒトや動物の命を守る予防を心がけましょう。

気候変動の影響により、これまでその地域では確認されていなかったSFTSが、新たに発生するようになっています。

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まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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