Customer Review

  • Reviewed in Japan on April 27, 2025
    ここは、灰色の世界。
    蒸気とホコリにまみれた部屋で、
    私はまたひとつ、新しい労働力を手に入れた。

    Pixio PS1S Wave Black。
    黒くて、無口なモニターアームだ。

    17インチから32インチ。
    1kgから9kg。
    現場(デスク)に立てるのは、せいぜいそんな奴らだけだ。

    最初はぎこちない。
    関節は硬いし、ネジは無愛想だ。
    だけど、時間をかければ、こいつも手に馴染んでくる。

    ガススプリングの昇降。
    くるりと回るモニター。
    細いケーブルガイド。
    どれも地味だが、確実に働く。
    この街じゃ、それが一番の価値だ。

    高級感?
    笑わせるな。
    光沢なんか磨いたところで、腹はふくれない。

    ■【Pixio PS1S Wave Black:労働者台帳】

    コスパ◎

    可動域◎

    設置簡単◎

    高級感△

    耐久性△(重モニター要注意)

    【まとめ】

    こいつは完璧じゃない。
    だけど、
    この世界に完璧を求めるほうが間違ってる。

    少しくたびれていても、
    少し粗雑でも、
    今日を生き抜くには、十分だった。

    私はアームを引き寄せ、
    モニターの位置を微調整した。

    ミシリと小さな音がする。
    私はその音に、微笑みそうになった。
    これが、私の日常。
    これが、世界。

    そう、
    いつもの、変わらない――

    ドンッ!!!!!

    部屋の壁が吹き飛んだ。

    煙と火花。
    崩れた壁の向こうから、
    黒いマントの部隊がなだれ込んでくる。

    「洗浄局だ! 全市民は即座に手を挙げろッ!」

    私はモニターアームを握り直した。
    ガススプリングが、キュインと鳴いた。

    こいつはただのアームじゃない。
    隠された反政府工作用多目的兵器・型式番号PS1S-W。

    にやりと笑う。
    デスクの片隅、
    アームの関節に隠されたスイッチを、静かに押し込んだ。

    ――次の瞬間、
    モニターアームは、砲塔に変わった。

    「安物だと思ったか?
    これが……
    この街の、本当の戦い方だよ。」
    67 people found this helpful
    Report Permalink