更新日:2025年07月02日 11:11
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コロナ後遺症を診察し続けた医師が語る「ワクチン接種後症候群とコロナ後遺症の類似点と相違点」

ワクチン接種がコロナ後遺症に与える影響は?

コロナ ワクチン

写真はイメージです

ーーワクチンがコロナ後遺症を改善させるという報告も聞きますが、先生の臨床経験はいかがでしょうか? 平畑:確かに、ワクチン接種によってコロナ後遺症の症状が大きく改善する可能性を示唆する研究も報告されています。代表的なものとして、『BMJ』に掲載された論文では、ワクチン接種群におけるコロナ後遺症の寛解率が16.6%であり、未接種群の約2倍だったと報告されています。  しかし、日本の臨床経験に照らすと、この結果をそのまま受け入れるのは難しいと感じています。私のクリニックでの実際の診療では、ワクチン接種後に症状が完全に消失した患者さんもごく少数ながら存在しましたが、大多数の方は症状に変化が見られませんでした。  むしろ、改善する方と悪化する方がほぼ同数であるように感じられ、**必ずしもワクチン接種が有効であるとは言い切れない**、というのが現場での実感です。 ーーなるほど。今日の貴重なお話で、「ワクチン接種後症候群」がどのようなものか、そして医療現場でどのように向き合うべきか、深く理解できました。平畑先生、本日は誠にありがとうございました。 平畑:こちらこそ、ありがとうございました。重要なのは、患者さんの訴えに真摯に耳を傾け、適切な診断と治療につなげることだと考えています。

まとめ

 平畑先生のお話から、新型コロナワクチンが感染症対策に大きく貢献したという大前提の上で、「ワクチン接種後症候群(PCVS)」は、新型コロナウイルス後遺症と非常に似た症状を呈しながらも、その発現機序や症状の割合に違いがあり、別個の疾患として認識すべきであるということが分かりました。一方で、その治療法はコロナ後遺症と共通する部分が多く、特に倦怠感やブレインフォグといった中核症状に対しては、上咽頭擦過療法(EAT)などが有効な場合もあるとのことです。  どんな薬にもリスクは伴います。もしワクチン接種後に体調不良が長引く場合は、「気のせい」と済ませずに、信頼できる医療機関を受診し、症状を詳しく伝えることが重要です。医療従事者側も、患者さんの訴えを真剣に受け止め、適切な対応をすることが求められます。
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