本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。
5月1~7日に最もツイート数が多かったのは、Human Reproduction誌の論文「The risk of miscarriage following COVID-19 vaccination: a systematic review and meta-analysis」(COVID-19ワクチン接種後の流産リスクに関する系統的レビューとメタアナリシス)で1378件だった。
COVID-19ワクチンの有効性を評価した初期の臨床試験では、対象者から妊婦が除外されていたため、妊婦のワクチン接種について安全性を評価したエビデンスが少ないことを問題視する声があった。しかし、大半の保健当局や産婦人科学会は、ワクチン未接種の妊婦がCOVID-19を発症した場合に妊娠関連アウトカムが悪化する懸念の方が強いため、妊婦のCOVID-19ワクチン接種を支持している。この研究は安全性のエビデンスを増やすために行われた系統的レビューとメタアナリシスだ。
2022年6月までにMEDLINE、EMBASE、コクランセントラルに登録された文献の中から、妊婦を対象にして、COVID-19ワクチンをプラセボ群またはワクチンなし群と比較した観察研究および介入研究で、流産や妊娠アウトカムについて報告したものを選び出した。レビュー記事や症例報告は除外した。
主要評価項目は流産(24週未満の自然喪失)、生児出生(24週以降の生存)と妊娠の継続とした。
検索で見つかった505件のうち、21件の研究(5件のランダム化比較試験と16件の観察研究)が条件を満たした。これらの研究には延べ14万9685人の女性が参加していた。使用されていたワクチンは、Pfizer-BioNTech社のBNT162b2、Moderna社のmRNA-1273、Janssen社のAd26.COV2.S、AstraZeneca社のChAdOx1 nCoV-19、Sinopharm社のBBIBP-CorV、Sinovac社のCoronaVacの6種類だった。
流産について報告していた18件の研究をプール化した解析では、ワクチンを接種した女性の流産発生率は9%(95%信頼区間5-14%)だった。ワクチンを受けていない女性と比較した流産のリスク比は1.07(95%信頼区間0.89-1.28;I2=35.8%)で有意な差はなかった。
妊娠継続と生児出生について報告していた研究は14件で、ワクチンを接種した女性の達成率は77%(95%信頼区間65-89%)だった。ワクチンを受けていない女性と比較した妊娠継続と生児出生のリスク比は1.00(0.97-1.03;I2=10.7%)でこちらも有意な差はなかった。
これらの結果から著者らは、COVID-19ワクチン接種は、流産リスクの増加や妊娠継続率や生児出生率の低下とは関連が見られなかったと結論している。
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