「では、良き死闘を期待するのだよ!」
ノーライフキングとかいうおっさんがミーアを連れて上に逃げ、それをエドモントンで戦ったでけぇグレイズ三体とホムンクルス七体が行く先を
「相手するんじゃないの?」
「ミーア!」
「こんだけ囲まれちまっちゃあな……」
その時、俺たちの後ろからアイツもやって来た。
マクギリス・ファリドだ。
アリサたちから助けを
「一時的に包囲網を突破する事は可能かも知れない」
「は?」
マクギリスがそう言う。
「私は今から包囲網を単独で突破する」
「何っ!?あんた……俺たちのために……」
「勘違いしないでほしい。バエルを手に入れた返礼としては安いくらいだ」
バエルって、
それでいいのかよ……。
マクギリスはバエルに乗り込み、こう宣言する。
「ギャラルホルンの真理はここだ!皆、バエルの元へ集え!」
「あんた正気か?」
しかし、誰もバエルの元に集わない。
「あんたは何がしたいんだ?」
「バエルを持つ私の言葉に
俺はマクギリスを殴りつけた後、ミカにこう言う。
「ミカ、待たせた。立ち
「ああ、任された!」
ミカのバルバトスルプスレクスがエドモントンで戦ったでけぇグレイズ三体と対峙する。
俺とサトゥーはホムンクルスの相手だ。
「行くぞ、サトゥー!」
「ああ!」
途中、マクギリスのバエルが参戦したお陰もあり、でけぇグレイズは全滅、ホムンクルスも全員HPが残り少ない状態だ。
槍を持ったホムンクルスが槍からビームを放つが、それを避けたバルバトスがホムンクルスをメイスで叩き潰す。
しかし、ホムンクルスは槍を杖にして、無理矢理立とうと試みる。
「へぇーまだ生きてる」
「駒として扱う主人の為にどうしてここまでして……」
サトゥーが諦めずに戦い続けるホムンクルスにそう告げる。
「こ、れは……」
「私達の……」
「……望み……」
「うああぁぁぁぁ!!」
ボロボロのホムンクルスたちが、無数の光の弓を放つ。
「う"う"っ!」
ヴァアアアアアア!!パン!パン!パン!
光の弓を食らった俺はカウンターでホムンクルスを三体倒す。
「何だよ……結構当たんじゃねぇか……」
残りはあと一体。そいつはサトゥーが倒した。
その時、希望の花が咲いた。
「【俺は止まらねぇからよ……。お前らが止まらねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!……だからよ、止まるんじゃねぇぞ……】」
戦闘が終わると、ノーライフキングのおっさんが逃げて行った玉座の間へと続く道が開けた。
玉座の間に着くと、ノーライフキングのおっさんが拍手して俺たちを出迎える。
「素晴らしい!素晴らしいのだよ!ようこそ、新たなる勇者諸君!」
「なぁ魔術士、それとも
「あんたは何がしたいんだ?」
「我の望みか……」
ヤツは少し考えた後、こう話し始めた。
「……勇者を見極め、我を殺させる事だ。前世の我は理不尽な暴力で命を奪われた」
このまま放って置くと、ずっと喋り続けそうだったので、俺はヤツの話しを中断させる。
「俺は落とし前をつけに来た。てめぇの下らねぇお喋りを聞きに来た訳じゃねぇって言っただろ」
ヤツは俺のその言葉を聞いた後も「民の祝福」がどうこう言っていたが、それもミカが制止する。
「もう良いよ、喋らなくて」
「……さ、さあ勇者よ!語るべきは語り終えた。せめて心まで魔王となる前に我を滅してくれ」
ミカがノーライフキングのおっさんに銃口を向ける。
「感謝すr……」
パン!パン!パン!
ノーライフキングのおっさんは死んだ。
「さてと、帰るか」
>称号『不死王殺し』を得ました。
>称号『
その後、
《システムメッセージ、この『
「は?」
サトゥーが気絶しているミーアに
「ミーア、オレが分かるかい?」
「……サトゥー」
「俺もいるぞ!」
スタミナの回復が足りていないからか、ミーアの瞳に力がない。
サトゥーはミーアに状況の説明をしている。
「……でも、もう大丈夫だよ、彼はもういない。二度と君の前に姿を現さないよ」
「本当に?」
「本当だよ」
「……あんまりゆっくりしてる時間はないんだが」
俺がサトゥーにそう言うと、サトゥーは「そうだった。急がないと」と呟いた後、ミーアにこう尋ねる。
「ミーア、この『
「やってみる」
ミーアが操作板を少し操作してみたが、自爆シーケンスが止まる様子はない。
「無理」
「何やってんだぁぁっ!」
「何とかここから脱出するしかないな」
サトゥーのその言葉を聞いたマクギリスは少し
「ここからの脱出を選択するか。私の出番だ」
「は?」
「
「あんた正気か?」
「可能かもしれない」
少人数……。オレとミカとサトゥーとミーアだけじゃねぇか。
「待って下さい。マクギリスさん。あのホムンクルス達は……」
「少人数ならって言っただろうが!」
サトゥーがホムンクルス全員を助けたいと言うが、そんな大人数は助けられない。
そんな時、今まで操作板をジーッと見つめていたミカが口を開いた。
「ねぇ、オルガ。良くわかんないけど、この転移装置使えばいいんじゃない」
「すげぇよ、ミカは」
ミーアやサトゥーが見ても、気がつかなかった転移装置をミカが見つけた。
ノーライフキングのおっさんもどうやらミーアを犠牲にするつもりは無かったようだ。
ミーアとこの階下にいるホムンクルスは転移装置で助けられるが、下にいるNo.7は助けられない。
オレとサトゥーはマクギリスのバエルに乗り込み、No.7を助けて、ここから脱出することに決めた。
「わかった。鉄華団はあんたの側に乗ってやる」
「では、ともに駆け上がろうか」
そして……。
「作戦は成功した」
俺たちは
しかし、そう簡単にはいかなかった。
「さてと、帰るか」
「ねぇ、オルガ」
「どうした、ミカ」
「なんかバルバトスが動かなくなった」
「何っ!?」
ミカのその言葉とヤツの出現はほぼ同時だった。
「……モビルアーマー、じゃねぇか」
竜の形をした巨大なモビルアーマーが空から現れる。
「モビルアーマー『ドレイク』……」
サトゥーがAR表示に書いてあることを読み上げる。
その『ドレイク』というモビルアーマーは今まで戦ってきたハシュマルや黒竜、デストロイヤーより一回りも二回りも大きい巨大なモビルアーマーだった。
それを見た俺は、こう決断する。
「サトゥー!俺とミカとマクギリスでヤツを止める。お前はNo.7を連れて先に行け!」
「でも、バルバトスが動かないんじゃ……」
俺たちを心配して、その場から動こうとしないサトゥーをマクギリスが無理矢理バエルのコクピットから放り出し、バエルの手の平の上に乗せる。
「モビルスーツとは元々、モビルアーマーを倒すことのみを目的として造られた兵器なのだ」
「心配すんじゃねぇぞ、サトゥー!鉄華団は負けねぇ!なぁ、そうだろ【シノォ!】【昭弘っ!】」
「「ああ!」」
俺はシノのフラウロスと昭弘のグシオンリベイクフルシティも召喚し、バエルを合わせたガンダムフレーム三機でモビルアーマー『ドレイク』を待ち受ける。
どうやら、動けないのはミカのバルバトスだけで、他のガンダムフレームは問題なく動くようだ。
「俺は止まらねぇからよ……。お前らが止まらねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!……だからよ、サトゥー。ミーアを故郷に送り届けるまで、止まるんじゃねぇぞ……」
「……わかった。必ずミーアを故郷に送り届ける!」
それが俺とサトゥーが最後に交わした『約束』だった……。
第3章 デスマーチから始まる異世界オルガ はこれで終了になります。
次回からは第4章のナイツ&オルガが始まりますが、その前に幕間を2話程投稿したいと思います。
幕間はデスマーチから始まる異世界オルガとナイツ&オルガを繋げるためのオリジナル回です。