一生のうちで一番長い40日間
お久しぶりです
ネオニートあいです
みなさんご存知の通り10月末に逮捕されました
先日娑婆に出れたので、留置所での生活について執筆していきます
10月30日
朝9時過ぎ頃
自分は普段朝7時に寝て昼15時に起きて夕方セックスしてその後朝までTwitterをする生活をしていたので、朝9時と言えば爆睡中の時間である
「はい、起きて」 という声がする
ちょうど前の日Tinderで会ったロリぴえんが自宅に宿泊していたので、その子に起こされてるのかなと思いながら眠い目を擦る
すると目の前にはスーツを着た男性が6人
眠いながらに、一瞬で全てを察した 間違いなく警察だ
「ついにこの時がやってきたか」
そう思った
警官「渡部くん、おはよう」
あい「うぃっす、おはようございます」
警官「俺ら警察、なんで来たか分かるね」
あい「いや、分からないです」
警察「君に対して逮捕状が出てるの、何の件か分かるね?」
あい「(心当たりがありすぎて)分からないです」
警官「不同意性交罪ね、これで分かったでしょ」
あい「(心当たりがありすぎて)分からないです」
警官「今年の○月〇日の件、これでさすがに思い出したでしょ」
あい(年間550人とセックス)「いや、ガチで分からないです(誰だ。。。?)」
警官「〇月〇日〇時 池袋の△△で… 被害者は性的暴行を受け…」
警官「これ言えばさすがに分かるでしょ」
あい「(やばい、ガチで分からん)すいません、分からないです」
警官「まあいいや、後で署で詳しく話聞くから」
警官B「じゃあガサ始めるね」
警官たちは、証拠物品などを捜索し始める
その日着ていた服やかばんなどを大きなビニール袋に入れ始める
大量のスマホを見た警官C「何ですか?これは…」
警官B「なんでこんなにスマホ持ってるの?」
あい「アッアッアッ(絶望)」
あい「ガジェットオタクなんで…」
警官C「どうします?このスマホ 押収します?」
警官B「まあメインの一個だけでいいんじゃない?」
あい「(助かった…)」
警官B「メインのスマホはどれ?」
あい「これです(使ってないスマホ)」
警官D「いや、でも怪しいから一応全部押収した方が良いんじゃないですか?」
あい「(お前、余計なこと言うなよ、、、)」
警官B&C「そっすね、全部押さえますか」
家中のスマホを片っ端からビニール袋に入れ始める警官たち
まずいですよ…
警官B「ざっと40台はあるね、君何者なの?」
あい「いや、ただのニートです」
警官B「絶対なんかやばいことやってるでしょ まああとで詳しく署で聞くわ」
警官A「よし、これで全部押収したね」
警官A「〇時〇分、被疑者逮捕」
このとき、俺は人生で初めて手錠をかけられた
警官A「よし、じゃあ今から警察署いくから お金とか持っていきたかったら持って行ってもいいよ」
あい「多分今から留置所っすよね」
警官A「分からないけど、その可能性もあるよ」
あい「じゃあ多めに持っていきます」
ちょうどベッドの上にあった現金6万円ほどを、昔仲良かったぴえんのセフレが買ってくれたサンリオの巾着袋に入れて家を出る
自宅の前にボックスカーが止まっており、そこに乗せられて警察署に向かう
車の中でも警官に色々と聞かれる
警官A「本当は心当たりあるでしょ」
あい「いや、ガチで分からないです」
警官A「君も往生際が悪いね まあいいや、そろそろ警察署着くから」
池袋警察署に到着
そこから取調室に連行されて、取調が始まる
取り調べ後
警官C「じゃあ君今から留置所行くから」
人生初留置所である
ここだけの話、内心少しワクワクしていた
留置所の何重にも鍵が掛けられたドアが開く
留置官A「〇時〇分 新入り入場1名!!!」
留置官B「新入り入場ー!!!」
かなりの大声で少しびっくりした
留置所に入ると、まず身体検査を受けて留置所内でのルールを聞かされる
・布団はこのように畳みましょう
・こういう行為はしてはいけません
といった感じだ
「中では自分の名前とか素性とかなんで捕まったかとかは話さない方が良いよ」というアドバイスもされた
その後上下灰色のスウェットに着替えたら、番号を決められる
留置官C「君の番号は47番だ 今日から君は47番と呼ばれる」
この瞬間俺の名前は「47番」になってしまったようだ
留置官C「今日から君はこの部屋で生活してもらう」
「第七居室」と書かれた広さ5畳ほどの部屋に案内される
「キィー、ガチャン」部屋が閉められた
中を見渡すと、一人の人間が寝ころびながら何かの書き物をしている
坊主頭にヒゲ、よく見たら腕に和彫りが入っている
間違いなく「普通の人」ではなさそうだ
後ろからちらっと見た感じ誰かに手紙を書いてる様子だった
邪魔するのも悪いので少し離れた場所でおとなしく座っていたら、彼と目が合った
あい「どうも、はじめまして 本日からお世話になります 渡部秀一と申します よろしくお願いいたします」
???「どうも、お願いいたします 自分は○○って言います」
見た目に反して人当たりの良い方だった
内心ほっとした
彼の名前はこれからH君と呼ぶことにする
そこでふと自分が持っていた「押収物目録」の紙が彼の目に入る
H君「もしかして詐欺ですか?」
押収物目録表にスマートフォン40台と書かれているので、大半の人は詐欺系か何かだと思うだろう
あい「いや、不同意性交っす」
H君「あ、そうなんすね スマホ大量に持ってたんで詐欺かと思いました笑」
あい「ですよね Hさんは何罪で捕まったんですか?」
H君「自分は特殊詐欺っすね 闇バイトです」
これが自分とH君の最初の会話である
彼とは、これから自分が釈放されるまでの間毎日一緒に過ごしていたが、自分にとってH君はかけがえのない親友である
H君のことは別のNoteで詳しく書くが、彼は正真正銘「漢の中の漢」なのである
あい「そうなんですね Hさんはいつくらいから留置所にいらっしゃるんですか?」
H君「自分は1年半くらい前からですね」
あい「1年半!?」
H君「自分再逮捕21回されてるんで笑」
これは後に分かることだが、彼はなんと警視庁の再逮捕回数記録歴代第一位である
彼は闇バイトのピラミッドのかなり上の方に居て、下の人間がやらかしてパクられてしまったらしい
検察は彼に「更に上の人間を謳わせる(白状させる)ために」21回も再逮捕して嫌がらせをしているのである
だがH君は漢の中の漢
「俺はどんなに脅されても、例え拷問されても仲間のことは絶対に謳わない あと何回再逮捕されてもこれは変わらない」
と言っていた
口先だけでは「俺は仲間のことを売らない」という人間はたくさん居るだろうが、彼のように「本当に」何回再逮捕されても仲間を売らない人間はほとんどいないだろう
彼は漢の中の漢なのである
その後彼から闇バイトの仕組みなどを聞いた(これは非常に面白い内容であったが、ここでそれを書くとH君に不利益が生じてしまう可能性があるので書かない)
その後は、自分がやってきたことを彼に話した
経験人数が1000人を超えていること、ハッキングが得意なこと、マッチングアプリを自動で動かして集客していること、情報商材を売っていること
彼は、どうやら自分のことを「優秀」だと認めてくれたようだ
興味津々に自分の話を聞いてくれる
そう、自分とH君は「シャバでは絶対に交わらない」天才同士なのである
自分は高学歴のオンラインでの天才タイプ、H君は中卒のオフラインでの天才タイプ
これこそが留置所の一番の醍醐味と言えよう
後にH君レベルに優秀な人を何人か目にしたが、彼らは自分がシャバで普通に生活していたら絶対に関わらないようなタイプの人種であった(ちなみにほぼ全員和彫りが入っている)
彼と30分くらい話していたら、2人の男が部屋に帰ってくる
どうやら彼らは、ちょうど今日は地方検察庁に行って取り調べを受けていたらしい
あい「どうも、はじめまして 今日からお世話になります 渡部秀一と申します よろしくお願いいたします」
男1「はじめまして!」
男2「よろしくお願いします」
男1は色黒で筋肉質で少し身長の低いタイプ、歳は自分より少し下くらいであろうか
男2は身長が高く色白で頭が良さそうなタイプ、歳は40歳くらいに見える
ここでH君が自分のことを彼らに紹介してくれる
H君「みんな、今日入ってきた人やばいよ マジの天才タイプ」
あい「そういっていただけると嬉しいです、ありがとうございます」
ここでみんなの自己紹介が始まる
男1「こんにちは ○○(本名)です」
男2「どうも 50番です」
男2は少し距離を感じる 男1は人懐っこいタイプだ
H君「おい、○○ お前の名前はポコチンだろ!(笑)」
ポコチン「ちょっとHさん、その名前で呼ぶのやめてくださいよ~(笑)」
彼らはどうやらかなり仲が良さそうな感じである
ちなみにこのポコチンという男、なかなかにして飛んでもないやつである
彼が最初に捕まったのが10月1日 会社の社用ケータイをBookOffで勝手に売って、横領で逮捕された
その後会社側と示談が成立して10月20日頃に釈放された
だがその後、両親から見放され実家を追い出されたため池袋でホームレス生活をする
所持金が底をつき追い込まれて、とある店で客の財布を盗んだところ店員にバレて窃盗の容疑で逮捕されたらしい
これが10月26日の出来事
なんと、留置所から出てものの6日で再度留置所に戻ってきたのである
それもあってか、みんなからいじられて「ポコチン」というあだ名で呼ばれているようである
あい「お願いします、○○(本名)さん」
H君「秀一さん、彼はポコチンで良いですよ(笑)」
あい「本当ですか(笑) じゃあポコチンさん、よろしくお願いします」
ポコチン「ほら、Hさんのせいでまたポコチンって呼ばれるじゃないですか~」
こんな感じで7室での俺の留置所ライフが始まるのである
そんなこんなで17時
部屋に茣蓙が配られる
どうやら夕飯の時間のようだ
配られたのは発砲スチロールの箱が2個。一個には白米が詰められており、もう一個にはおかずが入っている。
アジフライ、かまぼこ、ミートボール、たくわん、高菜である
ちなみにメインディッシュのアジフライは、残念ながら身がほとんど入っていなくて衣が分厚いタイプである
着丼。
逮捕されたショックで食事が喉も通らない…ということはなく、朝から何も食べておらず腹ペコだったので秒で完食した
最後に米が少し余ったので、しょうゆをかけて醤油ご飯にして食べた
H君には「留置所入った人だいたい最初の食事は1-2口だけ食べて辞めちゃいますよ しゅういちさんすごいですね」と言われた
どうやら、大半の人は逮捕されたショックで食欲がなくなってしまうらしい
自分は逮捕されたが、正直そこまで落ち込んでいなかった
人生やりたいことは全てやり切ったし、シャバでは最悪いつ死んでもいいと思っていた
ちなみに自分はシャバでは2年ほど「TwitterとSEXしかしない」生活を送っていた
昼頃に起きて新規の女の子とセックスし、終わったら夜飯を一人で食べ、家に帰ったらツイートを連投し情報商材を売って、アプリを開いて翌日のセックス相手を探し、朝寝る
という生活を送っていたのだ
最初の半年くらいは結構楽しかったが、やはり途中から飽きてくる
正直最後の半年間くらいはもはや自分が何のためにセックスしているのかも分からなかった
本当はこんな生活から抜け出したかったのである(これは千石撫子のツイートを見てみるとよくわかる)
今回の逮捕はこの生活をやめるきっかけとなったのである意味いい出来事であったわけである
夕飯が終わったらH君が自分のことを気にかけてくれた
H君「しゅういちさん、今回出れそうなんですか?」
あい「まだ分からないですけど、示談するしかないですね」
H君「不同意いま重いんで、優秀な弁護士使ってさっさと示談しないと実刑ありますよ」
この時はじめて「自分が実刑になる可能性がある」ということに気付いた
当たり前のことであるが、自分には「見たくないものを見ない」という性質があるので「まあなんとかなるでしょ」と楽観的に考えてしまっていたのである
自分はシャバで「見たいもの」だけを見て「聞きたい意見」だけを聞いてきた
シャバでは経済的にも精神的にも余裕があったのでそれでよかったが、留置場では「見たくない現実」ともしっかり向き合わなければならない
だが、その苦境こそが人間を更に一つ上のステージへと導くのである
自分は今回の留置所生活を通して確実に「ひとつ上のステージ」に辿り着いた
逆境や苦境に立たされた時、人間は真の成長を遂げるのである
そんなこんなで洗面の時間
一部屋ごとに洗面台へと向かい歯を磨いたり、顔を洗ったりするのである
この時、初めて7室以外の人間と顔を合わせる
みんな「あれ、この人新人かな…?」みたいな感じで見てくるので、みんなに「今日留置場に入りました、よろしくお願いします」と挨拶をした
するとみんな「どうも、よろしくお願いします」「おう、よろしくな」などと声をかけてくれた
これは留置場に限らずであるが「挨拶」はしっかりした方が良い
挨拶されて嫌な人は居ないので
洗面が終わると押し入れに布団を取りに行って、自室に戻り布団を敷く
この時自分には新しい布団とまくらが支給されたため、まだカバーがかけられていない
まくらカバーは非常に簡単に入ったが、布団カバーは意外と簡単に入らない
自分が手こずっていると、50番の人が自分の方に寄ってきた
50番「よかったら、自分手伝いましょうか?」
先ほどの挨拶の時には少し不愛想だった50番さん、実は優しい人だったのである
自分一人では結構手こずっていたので、50番さんの好意に甘えることにした
あい「ありがとうございます、めっちゃ助かります」
2人でやればすぐに入った
あい「ありがとうございました、50番さんのおかげでうまく行きました」
50番「いえいえ、自分も新入りの時一緒の部屋の先輩に手伝ってもらったので」
この時自分は、次新入りの人が入ってきたら今度は自分が布団カバーに入れるのを手伝ってあげようと思った
その後点呼が始まる
部屋にあぐらをかいて座る
留置官A(多分えらい人)「第1室!」
留置官B(多分下っ端)「10番!」
10番「はい!」
留置官B「17番!」
17番「はい!」
留置官B「24番!」
24番「はい!」
留置官B「41番!」
41番「はい!」
留置官A「第一室4名在室確認!」
留置官&留置人一同「おやすみなさい!」
留置官「第2室!」
こんな感じで、各部屋の点呼を取り始める
ちなみに、大声で元気よく返事をする留置人もいれば、やる気のなさそうな小さな声で返事をする留置人もいる
留置官A「第7室!」
ついに自分の部屋が来たみたいだ
留置官B「36番!」
ポコチン(36番)「はい!(大声)」
留置官B「46番!」
H君(46番)「はい!(大声)」
なるほど、どうやらこの部屋では元気よく挨拶するのがルールらしい
それなら俺も大声で返事をしようではないか
留置官B「47番!」
あい「はい!(大声)」
普段大声を出さないため少し声が裏返ってしまった
シャバでは普段Tinderで会った子とつまらなさそうに喋るか、スペースでぼそぼそと独り言を言うだけなので、普段声帯をほぼ使っていなかった
自由なシャバよりも不自由な留置場で大きな声を出すことになるとは、皮肉なものである
留置官B「50番!」
50番「はい」
クールキャラの50番さんは、あまりやる気のなさそうな声だった
点呼終了後
H君「しゅういちさん、返事良いっすね!」
ポコチン「声出てましたね!」
あい「ありがとうございます!久々に大声出したので少し声裏返りました(笑)」
なんか「部活」のような感覚である
ちなみに自分は部活動はほぼすべて幽霊部員であったため、このような「部活」っぽい経験はあまりしたことがない
留置場は、シャバでは出来ない経験が盛りだくさんである←
その後は就寝前の薬が配布される
留置場では2週間に一度行われる「医務」という時間に欲しい薬を申請すると薬を処方してもらえるらしい
ポコチンと50番さんは薬なし、H君はワセリンと睡眠剤を服用していた
ちなみに自分はまだ医務の時間を留置場で過ごしていないので、薬は無しだ
あい「留置場薬結構もらえるんですね」
H君「留置場基本何でも出ますよ、しゅういちさん今日病院行かなかったんですか?」
あい「自分今日行ってないです」
H君「まじすか?通常留置場入る時に病院行くか聞かれますよ」
あい「まじすか!」
H君「ちなみに次の医務はちょうど一週間後です」
今日留置場に入る時の担当官は「病院行くかどうか」を聞いてこなかった
これは、非常に職務怠慢である
まあ、それほど緊急を要することもないので7日後の医務を待つことにした
9時 消灯
と言いつつ、部屋の半分は明かりが付きっぱなしである
部屋を真っ暗にすると危ないので半分だけ明かりをつけたままにするようだ
普段寝る時はアイマスクを付けて寝るじぶんからすると、これは少し痛手である
ちなみに自分はこれの「攻略法」を見つけるのだが、それは1週間後くらいの話である
消灯したからと言って、もちろん寝るわけではない
みんなで顔を向け合って雑談が始まるのである
ちなみに消灯後に大声で喋っていると留置官に注意されるので、留置官が見回りに来たらみんなで静かにする
この様子は、さながら修学旅行の夜のようである
H君「今日はしゅういちさんの歓迎会ですね」
7室の夜はこれから始まるのである
H君「しゅういちさん、ポコチン童貞なんでどうやったらセックスしまくれるのか教えてあげてくださいよ」
ポコチン「マジで教えて欲しいです」
ポコチンくん、非常に素直である
ちなみにポコチンくんは身長は少し低いが顔立ちはそこそこ綺麗なので、スト値上げすれば余裕で多即できそうな感じではある
あい「もちろんいいですよ、ここは自分の専門分野なので」
自分は「令和最強即戦略・あいメソッド」の概要を話し始める
ポコチン「そんなやり方で行けるんですか!?」
あい「これが行けるんですよ、自分はこのやり方で1000人斬りしました」
H君「しゅういちさんはやっぱ天才ですね、自分も結構遊んできたし周りも遊んでるやつ多かったですけど、経験人数200人以上はガチで一人も会ったことないです」
ちなみにH君は経験人数100人くらいとのこと
しかし彼は童貞卒業が中学生、地元で一番かわいい子と付き合ったり、No.1キャバ嬢と付き合ったり、いわゆる「The生粋アルファモテ男」なのである
100は100でもナンパ界隈の100即とは価値も経験値も全く違うのだ
この時彼の女性経験などを結構聞いたが「次元が違う」としか言いようがなかった
ナンパ界隈の「後天的モテ男」とは違う、生物としての格の違いを感じたほどである
あい「自分一応1000人斬りしてますけど、本当に攻略難易度低い子しか抱いてないので、Hさんの100人のほうがはるかに価値高いですよ」
H君「いやいや、でも1000はやっぱ異次元っす笑」
そんな感じで会話をしていると、留置官がやってくる
留置官「47番、弁護士接見」
どうやら、警察の取り調べの時に呼んでおいた当番弁護士が池袋署に到着したようだ
就寝時に預けておいたメガネを取って面会室に向かう
面会室まで案内してくれた留置官は、夜だからなのか帽子を外している
帽子をしている時は「警察官だな~」と感じていたが、帽子を外すと普通の好青年である
人間は警察の「帽子」に権威を感じるのかな、などと考えながら面会室へと向かう
弁護士「はじめまして 弁護士の○○です」
あい「はじめまして、よろしくお願いいたします」
(弁護士接見で話した内容は事件の内容を含むため省略します ここで実家の連絡先を伝えて母親に今回の事件のこと、自分が池袋署にいることを伝えてもらうことにしました)
接見終了 弁護士の先生にお礼を言って7室に戻る
1時間弱くらい面会していたので、同じ部屋のメンバーはすでに寝ていた
なので、音を立てないように自分の布団に戻り寝ることとした
……………
寝れない。
普段、匠大塚で購入した50万円の超フカフカベッド&10万円の高級羽毛布団で寝ているせいで留置場のせんべい布団では寝れない
今朝はおはよう逮捕で起こされたので睡眠不足であったが、なぜかなかなか寝れない
逮捕されても効いてないフリをしていたが、実際のところ意外と効いていたのかもしれない
しかも部屋が明るいため交感神経が活発になってしまう
俺はこの時、初めて留置場の洗礼を受けた
だが、こうやって「考え事をして現実と向き合う」という時間は非常に大切なのである
読者のみなさんはなかなか眠れない時はだいたいスマホを開くだろう
自分の場合はYoutubeのしょうもない動画を見ながら寝落ちしたりする
シャバでは「スマートフォン」という、時間を文字通り"無限"に潰せる道具があるので、何もせずに「じっくりと考える」という時間を取ることができないのだ
これは現代人の「思考力」が落ちている大きな原因の一つであると言っていいだろう
自分は直近2年間くらいセックスとTwitterのやりすぎで脳が溶けていたが、留置場に居た40日間でかなり思考力が復活したと思う
みなさんもぜひ一日10分間で良いので「何もせずにぼんやりと考え事をする」という時間を作ってみてはいかがだろうか
自分はこの留置場生活を機に、暇な時はYoutubeを見たりするのではなく本を読んだり瞑想をしたりするようにしている
逮捕前と比べてQOLは格段に上がったと言えるだろう
色々考え事をしていたら、眠くなってきた
少しずつ意識が遠ざかっていく….
翌朝
6時半
「起床!起床!」
なにやらうるさい声がする
「昨日はなかなか寝れなかったので非常に眠いのに、誰だ俺を起こすやつは…」などと思いながら目を開けると、そこには7室のメンバーが
そうだ、俺はそういえば逮捕されて留置場に居るのだった
少しテンションが下がりながら朝の洗面へ
昨夜の洗面時はみな元気よく挨拶しあっていたが、朝はみなテンションが低い
どうやら留置場には、夜型の人のほうが多いようだ
洗面が終わったら朝食
朝食のメニューは、米 味噌汁 もやし ピンクのたくわん はんぺん1個 しゅうまい1個
味噌汁があるのは嬉しい
自分は、味噌汁にお米を入れて味噌汁ご飯にして食べた
うん、意外と美味い
留置場の飯は拘置所や刑務所と比較しても不味いとされているが、自分は元々食事に対するこだわりが少ないのでそこまでのダメージでは無かった
ネオニートあいが月収200万円にも関わらず、なか卯のお子様親子丼(230円)ばかり食べていたのはシャバでは有名な話である
朝食の後は「運動」の時間である
だが「運動」と言っても、外の空気を少し吸えて髭剃りや爪切りができる程度である
ちなみに、この時間が唯一の直射日光を浴びれる時間なので、自分はこの時間にこれでもかと日光を浴びてセロトニンを生成していた
留置官「7室運動!」
7室のメンバー4人で運動場へと向かう
2日ぶりのシャバの空気だ
留置場内は空気がどんよりしているというか、空気がこもっているのである
なので、いつもよりもシャバの空気が美味しく感じた
運動場へ行くと4人のやんちゃそうな連中が談笑していた
その横で髭剃りや日光浴をしている人もいた
どうやら留置場内でも派閥のようなものがあるのかもしれないと思った
留置場の一同「おはようございます!」
H君「どうも、おはようございます」
同部屋のH君、やはり「池袋留置場の王」であったようだ
若いながらも貫禄があり、やった犯罪も大きく、留置場に居る期間も長い
そりゃ「王」になるはずでもある
自分もついでにみんなに挨拶する
あい「みなさん、おはようございます!」
一同「うぃっす」
なるほど、新人には適当な挨拶といった感じである
まあ、無視されなかっただけありがたいことだ
一応自己紹介をしておく
あい「どうも、昨日から留置所に入りました お願いします」
ロン毛のチャラい青年「めっちゃ髪長いんで、結構長いこといるのかと思いましたw」
一同「確かにw ○○君と同じくらい髪長いねw」
あい「ですねw ○○さん髪型めっちゃ似合ってますね!」
ロン毛「そっすか!ありがとうございます!」
このロン毛のチャラい青年の名前はR君
詐欺と窃盗の単独犯だ
年齢は20代中盤くらい
詐欺の執行猶予中にまた詐欺でパクられてしまい、今度は実刑濃厚になりそうとのこと
被害額は数千万 単独犯としては相当な実力
ちなみに中顔面が短い中性的な顔立ちで、メン地下寄せしたらかなりのスト高になりそうな感じである
ヤクザ風の男「よろしくね~ 君なんでパクられたの?」
あい「お願いします! 自分は不同意性交でパクられました」
ヤクザ風の男「そうなんだ、でも君性犯罪には見えないけどね」
そう、性犯罪と言えば「ピンク」と言われて刑務所内でも最低カーストになる犯罪の種類である
池袋留置場には自分以外で5人くらいの性犯罪(不同意性交、不同意わいせつ、迷惑防止条例違反)の人が居たが、確かに「性犯罪やってそうだな」という見た目やノンバの人が多かった
ちなみにこのヤクザ風の男は、現役のヤクザ
見た目は長髪で結構男前
年齢は多分30代中盤くらいで首に刺青が入っている
薬物関係でパクられてしまったようだ
彼女は戸田恵梨香に似ているらしい(本人もモテそうなタイプなので多分本当)
今後は「ヤクザ」と呼ぶことにする
あい「ありがとうございます そう言っていただけると嬉しいです」
ヤクザ「なんで被害届だされちゃったの?」
あい「自分の場合数打ち過ぎたのが問題かもしれないです」
ヤクザ「君そんなに経験人数多いの?」
あい「はい、1200人です(ちょっとドヤ顔)」
ヤクザ「マジ!?(大声)」
一同「マジか!!」
スキンヘッドの男「強すぎw やり方教えてよ」
あい「自分の場合Tinderですね Tinderでひたすらセックスしてました」
スキンヘッドの男「Tinderなんだ!俺もTinderやったことあるけど全然会えなかったよ」
一同「俺らもTinderやったけどダメだったわ」
流石留置場、みんなTinderをやっていたようである
ちなみに皆「ナチュラルモテ」タイプなので、Tinderとかではなくオフラインでの集客の方が強そうであった
あい「Tinderコツがいるんですよね コツさえつかめばめっちゃセックスできます」
一同「教えてよ!」
あい「もちろんです!~~~(あいメソッドの概要を話す)」
スキンヘッドの男「すげー!それでヤれるんだ! 君頭めっちゃ良いね」
あい「ありがとうございます!」
このスキンヘッドの男は詐欺の常習犯
刑務所に既に3回行っているらしい
年齢は30代後半で目力とノンバが異様に強い
嫁と愛人と彼女が居る
とにかく口が上手い
典型的な「ナチュラルサイコパスアルファ」系である
今後は「スキンヘッド」と呼ぶことにする
あい「自分さっき言った方法を情報商材にまとめてTwitterで売ってたんで、良かったら差し上げますよ」
スキンヘッド「え、いいの!ありがとう!」
ヤクザ「え、てか君情報商材売ってたんだ いくらで売ってたの?」
あい「一部3万円です」
ヤクザ「高!結構買う人いるの?」
あい「累計で3000万円くらい売りました」
ヤクザ「マジか!君マジですごいね」
あい「ありがとうございます!」
一同「俺らも情報商材欲しい!」
あい「もちろんいいですよ 自分ネオニートあいっていう名前でTwitterやってるんで、シャバ出たらDMしてください」
ここで、今まであまり喋っていなかった青年が自分に声をかける
大人しそうな青年「もしかしてナンパ界隈ですか?自分ナンパ師のツイートよく見てました!」
あい「マジすか!(歓喜)」
大人しそうな青年「はい、○○とか○○とかのツイート見てましたよ」
あい「めっちゃ見てますね! 自分今は孕柱メロっていうアカウントで発信してました」
大人しそうな青年「あ、デスノートのメロのアイコンですよね たまにツイート流れてきてました!」
あい「それです!」
大人しそうな青年「まさか留置場で有名人に会えるとは思ってませんでしたw」
なんと留置場にネオニートあいを知っている人が居たのである
これはとても嬉しかった
ちなみにこの大人しそうな青年はの名前はK君
売春斡旋で捕まってしまったようだ
年齢は多分自分と同じで20代後半くらい
ブサイクではないが、一同の中だと一番モテなさそうなタイプであった
Twitterが好きでナンパ界隈のツイートもよくチェックしてくれていたらしい
K君「自分もTinder課金してめっちゃスワイプしてたんですけど、全然マッチしなかったんですよね」
あい「Kさん、もしかして全部右スワイプにしてませんか?」
K君「はい!少しでも多くマッチするために、全員いいねにしてました」
あい「それ、みんながやりがちなミスなんですよ 全員右スワイプしてるとアカウントの内部スコアが下がるんで逆にマッチしにくくなるんです」
K君「マジすか!初めて知りました」
ヤクザ「君何者なの?w すごすぎるんだけど」
あい「Tinderのサーバーハッキングして内部のアルゴリズム解析してました あと、スワイプとかメッセージも全部自動化してました」
ヤクザ「マジ?(真剣)」
あい「マジっす」
ヤクザ「俺ハッカー探してたんだよね 次運動で会った時、詳しく話がしたいわ」
あい「もちろんです!」
なにやら不穏な雰囲気がするが、とりあえず快諾しておいた
留置官「はい、そろそろ運動終わりー!」
一同「じゃあまたな!」
あい「うぃっす!お疲れっす!」
運動場を離れて次は本を選ぶ
池袋留置場では、一日に3冊まで本を読むことができる(本の冊数は留置場によって違うらしい)
留置施設の所有物である「官本」と、外部の人間から差し入れてもらった「私本」の二種類があるが、この時点では自分は「私本」を一冊も持っていなかったので自ずと「官本」から3冊借りることになる
なんとなくイメージ的に「つまらない本ばかりなんだろうな…」と思っていたが、意外とそんなことは無いではないか
コードブルー、涼宮ハルヒの憂鬱、君の膵臓を食べたい、東野圭吾シリーズ、水滸伝、資本論、その他DAIGOなどの自己啓発系
思いのほかレパートリーが多くて少しテンションが上がった
結局自分は「AIの未来」みたいな本と「マッキンゼーのエリートの習慣」みたいな本と「資本論」を借りた
するとさっき運動場で話した仲間たちが話しかけてくる
ヤクザ「お、ヤリチンくん 頭良さそうな本読んでるね~ 俺はマンガと週刊誌しか読まないよ~」
あい「うらやましいっす!自分まだ一冊も私本無いんで」
いつのまにか俺のあだ名は「ヤリチンくん」になっていた
誉め言葉として受け取っておこう
次に服の着替えを行う
ちなみに、池袋留置場ではスウェットの上下は1週間に1回、シャツとパンツと靴下は毎日変えることができる
ちなみに、これらの服は差し入れすることができる
自分の経験した限り、スウェットの下は汚れることがほぼないので1週間に1回交換で問題なく、シャツは毎日変えられる上に清潔なので留置場のもので問題なし
パンツも清潔ではあるが、なんとなく精神的に嫌なので自分のものが欲しい
スウェットの上は結構汚れるので自分の服があると嬉しい
といった感じである
なので優先順位的にはパンツ>スウェット上>>スウェット下>シャツ
だ
家族や友達が逮捕されて時はこれを覚えておこう
ちなみに、スウェットに関しては裏起毛があったりヒモが付いていたりフードがあると差し入れできないので注意が必要だ
靴下は、自分は普段室内では履かないので留置場でもあまり靴下は履いていなかった
とりあえずこの時点では自分の服は無いので、シャツとパンツを新しいものに変えておいた
留置官「ロッカー行く人はついてきてください」
留置場では一人一個ロッカーが与えられる
そこに、差し入れしてもらった本や服、留置場内で購入した便箋などを入れておくことができるのだ
みんなロッカーに行くようなので、自分も便乗してロッカーに行くことにした
ロッカーを開けると、そこには1枚の名刺が
どうやら、昨日接見に来た弁護士が名刺を差し入れていたようだ
とりあえず何かで必要になるかもしれないので、念のため取り出しておいた
その後7室に戻る時にさっきのスキンヘッドとばったり会った
スキンヘッド「おう、ティンダーくんじゃん 明日また運動の時にしゃべろうな」
あい「はい!ありがとうございます!」
そうだ、そういえば運動場では名前を名乗っていなかったので各々が色んな名前で呼んでくる
ちなみに自分が留置場で呼ばれていたあだ名は「しゅういちくん、しゅうちゃん、ヤリチンくん、ティンダーくん、性病くん」などだ
番号で呼ばれるよりかは遥かにマシである
この時点で8時半
シャバなら、ようやく「今から寝るか」くらいの時間であるが、今日は既に結構有意義な体験をたくさんしている
そう思うと、少しテンションが上がった
流石は自己愛性パーソナリティ障害のネオニートあいくん、留置場でも異様なほどのポジティブシンキングである
部屋に着いたら7室のメンバーたちと少し談笑したのち、読書を始める
「資本論」
シャバで一度読もうとしたが、つまらなさすぎて(難しすぎて)断念してしまった書籍である
およそ5年ぶりに開く資本論
また途中で辞めるかなと思っていたが、今回はすらすら読める
そう、留置場では他にやることが無いので超集中して本を読めるのである
自分は今後平均して1日300-400ページ本を読むこととなるが、これはシャバではあり得ない記録である
これは留置場で読んだ「スマホ脳」という書籍に書いてあったことなのだが、人間は手の届く範囲にスマホがあるだけで「集中力」が半分以下になる
当然、本を読むスピードも半分以下になるわけである
スマホどころか電子機器が一切ない留置場は、間違いなく「最高の読書スポット」であると言っていいだろう
自分はシャバに出た後も読書の習慣が続いているが、やはり留置場に居た時と比較すると読むスピードが格段に落ちてしまった
人間は「スマホ」の誘惑には勝てないのである
ちなみに、自分が今回の留置場生活で痛感したことが「デジタルデトックスの大切さ」である
これは色々な進化心理学や脳科学などの本を読んで得た知見でもあるのだが「人間の脳はインターネット社会や現代文明に対応できていない」ということだ
まず人間の歴史を考えると、人間という生物は500万年前から少しずつ進化をし続けているわけだが、そのうちの99%以上を「狩猟採集時代」で生きている
生き物の本能や遺伝子というのは「ゆっくりと」変化していくので、人間の脳は「狩猟採集時代」に最適化されている
一方で人間の文明は「ものすごいスピードで」変化しているので、我々はそのギャップに適応できないのだ
例えば現代病の「肥満」に関して
人間は高カロリーなケーキなどを見ると、すでに満腹であっても「別腹」に感じてそれを食べたくなる
これは人間の本能で、狩猟採集時代は「カロリー」を安定して摂取することが難しかったので、満腹時に甘い(高カロリー)木の実を見たときに
・「お腹空いてないから要らないや」といって食べない個体
と
・「お腹いっぱいだけど美味しそうだから食べよう」といって食べる個体
がいた時に狩猟採集時代では後者のほうが生存確率が高いため、そのような本能を持った個体のみが遺伝子を遺してきた
そのため我々は本能的に、甘くてカロリーが高そうなものを見ると「食べたい」と思うのである
だが今は文明が発達した社会
食料生成の技術も飛躍的に発展しているため「餓死する」ことなどまずないが、我々の本能はいまだに「狩猟採集時代」だと思っているので「不要な」カロリーを摂取してしまうというわけである
それと似た話をいくつかすると、例えば現代社会では「ある人やある集団に嫌われる」ということがほとんどマイナスにならないが、狩猟採集時代ではそれが「死」に直結する
狩猟採集時代は「一人で生きていく」ことが不可能に近かったからだ
なので「必要以上に人目を気にしてしまう」というのも、この「人間の本能の成長スピードと文明の成長スピードの乖離」の弊害と言えるだろう
「スマホ」もその最たる例で、インターネットやスマートフォンが普及したことで「他人とコミュニケーションを取る」ことが簡単になったが、恐らく我々の本能は「オンライン上で他人とコミュニケーションを取ること」を「人間とのコミュニケーション」だと認識できていない
「対面で会う」のと「ネット上で会う(zoom、電話など)」のは違うということだ
他人とコミュニケーションを取ることが簡単になったにも関わらず「孤独感や疎外感」を感じている人が多いのは、これが理由であろう
実体験として、自分はパクられる前は「tinderの即系女子と数分だけの表面的な会話」と「twitterのスペースやLINE電話で顔の見えない人との会話」しかしていなかった
今思い返せば、確かに数多くの人とコミュニケーションを取れていたが孤独感を感じていた
留置場ではスマホも無く娯楽もほとんどないので、自ずと対面の人たちと会話をすることになる
自分の中では、シャバよりも留置場の方が「人間関係」での満足度が遥かに高かった
これはひとえに「対面で(オフラインで)」コミュニケーションを取る時間が長かったからであろう
今更スマホを手放すことは不可能に近いと思うが(自分の場合ネットがないと1円も稼げないので特に)、案外人間はスマホなしの方が幸福度の高い人生を送れるのではないかと思う
午前中、自分はシャバでは考えられないほどの集中力で読書をしていた
H君は昨日の睡眠剤の効果がまだ残っているのか、寝ている
ポコチンはぼーっとしていて、50番さんは自分と同じく集中して本を読んでいた
ちなみに池袋留置場では10-12時 13-16時が面会可能時間である
昨日弁護士経由で母親に連絡したが、今日来てくれるだろうか
今日が金曜日で明日明後日が土日で面会できない 月曜日も祝日で面会できないので、次面会できるのは4日後の火曜日になってしまう
なんとしても今日来て欲しいところだ
自分の母親は過保護なので自分を見捨てるということはまずないだろうが、少し心配である
12時 昼食の時間 午前中は母親は来てくれなかった
昼食はコッペパン2つにマーガリンにジャム2つにコロッケにジュース
今日のジャムはブルーベリーとあんずで、ジュースはリンゴジュースだった
自分は普段パンを滅多に食わないが、留置場では他に食うものも無いので仕方なく食うしかない
「あれ、意外と美味い」
普段食わず嫌いをしていたパンであったが、久々に食うと美味い
留置場では基本何を食っても美味しく感じる
「幸福のハードルを下げる」ことは「人生の幸福度を上げる」ことに直結するのである
横を見るとH君が何やら美味しそうなものを食べているではないか
あい「Hさんそれ美味そうですね! 豚の生姜焼き弁当ですか?」
H君「そうです! これは自弁ですね しゅういちさんも来週の火曜日から自弁頼めますよ」
あい「そうなんですね!火曜日が待ち遠しいです」
ここで「自弁」の解説をしておく
自弁は多分「自分弁当」の略で、700円課金すると昼食がめちゃくちゃ豪華になるという制度である
具体的には、警察署の食堂で職員が食べている日替わりランチなどを弁当箱に入れたものが出てくるイメージだ
日替わり弁当、週替わり弁当、週替わりカレーがある
基本的に日替わり弁当で、日替わり弁当がはずれの日は週替わり弁当にする といった感じである
ちなみにこの自弁、死ぬほど美味い
もちろんシャバ基準で見ればそこまで美味しいわけでもないが、質素な留置場メシと比較するととんでもなく美味しく感じるわけだ
冗談抜きで「シャバで食う叙々苑(2万)よりも、留置場で食うからあげ弁当(700円)である」
自弁Tier1はとんかつ弁当、唐揚げ弁当、鯖の竜田揚げ弁当 Tier2は豚しゃぶ弁当、チキンカツ弁当 である
あと付け加えると、自弁に加えてミニサラダ200円、ジュース150円(牛乳、野菜ジュース、カルピス、コーヒー牛乳)も注文できる
自分は毎日ミニサラダ+野菜ジュースも追加で注文していた
自弁は「裁判所」に行って勾留質問を受けた後(自分は明後日の日曜日に受ける予定)でないと注文できない
このタイミングで、自分の身柄の所有権が警察課→留置課に移るイメージだ
しかも自弁は平日しか注文できないので、自分が自弁を頼めるのは次の火曜日になるというわけである
H君「この肉固いな…」
美味しそうに生姜焼き弁当を食べるH君であるが、弁当の悪いところを批判していた
これは恐らく自弁を食べれない自分への配慮であろう
H君、色々なところで気が利くし他人への配慮もめちゃくちゃできる漢である
流石は、若くして組織のトップになった人間である
昼食を食べ終えると再び自由時間
午後は母親が来てくれるだろうか?
心配で集中できずなかなか読書が進まない
7室のメンバーを見るとみんな暇そうにしていたので、おしゃべりすることにした
あい「自分今日母親なかなか来てくれないっす 来てくれるかなあ」
ポコチン「自分は親に見捨てられてるんで、親面会に来てくれないですよ…」
あい「そうなんですね…」
H君「自分も接見禁止付いてるんで、面会ほとんど誰も来れないです」
あい「そんなのあるんですね!」
接見禁止がついていると、数人の許可された人しか面会に来れないのである
一般的に「共犯がいる」犯罪だと接見禁止が付く
H君は特殊詐欺で捕まっているため接見禁止がついてしまっているのだ
H君「しゅういちさんは共犯とか居ないんで接見禁止付いてないと思うんですけど、もしかしたら今付いてるんですかね」
なるほど、母親が面会に来たが接見禁止で会えないという可能性もありそうである
ちなみに親に見捨てられていると言っていたポコチン、一回目の横領の時にこっぴどく怒られたがすぐに2回目の窃盗をしてしまったため、親から愛想を尽かされてしまっているようだ
時間がついに16時になる
今日母親は面会に来てくれなかった
少しバッドに入る
17時夕食
バッドに入っていたので食欲が湧かない…ということはなく、ものの5分で完食した
流石はフードファイターあいくん、しゃぶ葉で豚肉を20皿以上食うだけのことはある
夕食後
H君「そういえばしゅういちさん、明日検察調べですね」
あい「そうなんですね!検察調べって何でしたっけ?」
H君「霞が関の検察庁に行って検事からの取調を受けるイベントですね 待ち時間長いんでキツいですよ」
あい「マジすか…」
H君「あとしゅういちさん、刑事事件は完黙一択ですよ」
このH君に「金言」が将来ネオニートあいを救うことになるのである
なぜ完黙一択なのかは、あいメソッドAlphaの「刑事事件の取調に関して」というセクションを参考にしてほしい
H君「あと、検察の取調は警察と違って調書巻かなくても証拠として使えるんで、雑談する時も気をつけたほうがいいです」
流石はH君、自身の周りの人間がたくさん逮捕されていたり、自身も数え切れないほど取調を受けているので、刑事事件の解像度が弁護士並みに高いのである
あい「Hさん、有益情報色々教えていただいてマジでありがとうございます!」
H君「いえいえ、しゅういちさんは仲間なんで」
H君に仲間だと認定してもらったようである
彼には大きな借りができてしまった
この借りはシャバに出た後にでもしっかりとお返ししよう
就寝時間中、みんなで談笑していると留置官が7室にやってくる
留置官「47番、弁護士接見」
弁護士が来たようである
面会室に行くと昨日接見した先生が今日も来ていた
どうやら母親は今日池袋署に来ていたが、自分に接見禁止がついていたので会えなかったようである
弁護士との接見中に母親からの手紙を見た
自分のことを心配してくれていたようである
「母親のためにも一刻も早く示談にしてシャバに出なければ」とこのとき思った
接見終了
7室に戻るとみんな既に寝ていたので、みんなを起こさないように自分も寝た
今日もなかなか寝付けなかったが、昨日よりかは環境にも慣れてぐっすりと寝れた気がする
翌朝起床
今日は検察庁に行く日だ
検察庁に行く日は朝食を食べ終えたらすぐに運動を終え、終わり次第護送バスを待つ
今日は自分を含め6人が検察庁に行くようだ
6人全員が手錠をはめ、手錠の真ん中の穴に青いロープを通して、留置人が1列になるような感じになるのである
ちなみにこのとき1人一枚マスクが配布される
ロープに繋がれながらみんなで護送バスに乗る
その時少し遠くに何台かの大きなカメラが見える
そう、ネットニュースに出ていた自分の顔写真はこのタイミングで撮られたものなのである
今回の一件から我々が学ぶべき教訓としては「護送バスに乗る時は俯いて歩いたほうがいい」ということだ
あいメソッドAlpha購入者の方は幸い髪が長い人が多いと思うので、最大限俯けば顔は見えないだろう
自分はニートだし将来就職する気も一切無いので名前と顔が報道されたところでほぼノーダメだが、そうでない人は非常に大きなダメージを受けると思う
護送バスに乗るときだけは、下を向いて歩こう
護送バスに乗ると既に何人かの留置人が座っている
護送バスは、いくつかの留置場を回って霞が関に行くのだ
自分が乗るバスは巣鴨→大塚→池袋→目白の順に経由するバスであった
つまり、自分が乗った時点で巣鴨と大塚の留置人がバスに乗っていたというわけだ
バスが出発する
ちなみにこのバスは非常に寝心地が良かった(高速バスのようなイメージ)ので、2日連続睡眠不足であったこともあり出発早々寝てしまった
途中人が入ってきたような気もする(目白の人たち)が、爆睡していたのでほとんど気付かなかった
検察庁に到着する
バスに乗っていた人たちで一列に並び「大講堂」という収容人数約120名ほどの待合室へと向かう
警察官「今から留置場の名前と番号を呼ばれたら、指定の部屋に移動してください」
警察官「1室 新宿15番」
新宿15番「はい」
警察官「新宿15番の方は1室に移動してください」
警察官「目白12番」
目白12番「はい」
彼も1室へと移動する
2分後
警察官「10室 池袋47番」
あい「はい!」
10室の方へと歩く
部屋の中に入ると6人掛けの木の椅子が向かい合うように2つあり、片側に5人 もう片側に4人座っている
自分の席番号は1番
幸い、一番端っこである
椅子に座っていると警察官から説明のアナウンスがある
警察官「今から順番にそれぞれの検察官があなたたちを取り調べに呼びます 待っている間は同じ部屋の人と喋らないようにしてください」
そう、ここでは横の人とかと喋ってはいけないのである
喋らずに本なども読めず硬い椅子でずっと待つ
これは確実に留置場生活で「最も辛いイベント」である
とりあえずやることもないので、目を瞑り精神世界に入る
シャバに出たら何をやろうか、シャバに出れなかったら何をやろうか
色々なことを考える
物思いに耽っていると、再び警察官のアナウンスがある
警察官「今から、昼食の時間です 昼食はパン2つとマーガリン1つとジャム2つとジュースとチーズ棒です」
なるほど、留置場の昼飯とほぼ同じである
留置場でコロッケの部分がチーズ棒に変わっているといった具合だ
ちなみに検察庁では、手錠は1日を通して「検察官の取調中」を除いて外されない
つまり、両手に手錠をかけた状態で昼食を食べなければいけないのだ
留置場のコロッケの部分がチーズ棒に変わっているのは「両手に手錠がかけられていても食べれる」からであろう
人生初、両手に手錠をかけながらの食事である
まあ、パンにジャムを塗って食うだけなのでそこまで難しい訳では無い
ちなみに自分はここで、シャバに出てYouTuberデビューしたら「手錠つけながらコッペパン早食い競争」をやろうと思った
昼食を食べ終えたら再び待機
自分の番号が呼ばれるのをただひたすら待つだけの時間だ
しかし午前と違う点が1つある
それは、昼飯を食べてお腹いっぱいだということだ
午前同様目を瞑っていたが、今回は気づいたら昼寝をしてしまっていた
14時頃
警察官「…ななばん、47番!」
あい(寝起き)「はい」
警察官「トイレなどは大丈夫ですか?」
あい「顔洗ってから行きます」
眠気を覚ますために顔を洗った
今から検察官の取調だというのに昼寝をかますあいくん、きっと扁桃体(恐怖を司る脳の部分)の機能がバグっているに違いない
待合室を出て腰紐を巻かれ、警察官とともに検察官の取調室へと向かう
誰もいない静寂な廊下を歩く
その廊下は普段いる留置場とは違い、非常に清潔で厳かで温かみが全く無かった
まるで自分が死刑場へと連れられているような気分である
検察官の取調室に到着する
警察官がドアを3回ノックする
どうやらこれが、入室の準備のようだ
検察官?「はい」
中から女の声がする
ドアを開けると目の前に検察官が居る
てっきり検察官は男だと思っていたが、今回の検察官は女だった
しかも結構美人だ
ちなみにあいくんは生粋のロリコンなので、幸いその検察官に発情することは無かった
検察官「今あなたが入室してから退出するまでの様子は全て録音録画されています また、あなたには言いたくないことは言わなくても良いという黙秘権があります」
非常に事務的な態度で文章を読み上げる
.…
取調終了
厳かな雰囲気の廊下を通って先ほどの待合室へと向かう
再度、待合室でひたすら待機だ
先ほどの取調の内容を脳内で思い返す
これは担当弁護士にも多分言われると思うが「取調で何を聞かれたか」を留置場に帰ったらメモに取っておこう
これをすることで「捜査機関が自分からどういう供述をさせたいか」を予測することができるのである
しばらく待っていると警察官からアナウンスがある
警察官「全員の取調が終わりました 今から逆送を行います」
「逆送」とは検察庁からそれぞれの留置場に戻ることである
ちなみに、朝の留置場から検察庁に向かうことを「順送」と言う
警察官「逆送開始!」
警察官「第2系統 渋谷7名」
警察官「渋谷の人は部屋の外に出て一列に並んでください」
警察官「原宿 4名」
警察官「原宿の人は一列に並んでください」
…
こんな感じで、少しずつ留置人が護送バスに乗せられていく
警察官「第5系統 池袋6名」
ついに池袋の番がやってきた
部屋を出て一列に並び、護送バスへと向かう
帰りのバスは行きと比べて質素なバスだ
背もたれが短いし、椅子も硬い
行きのバスで寝たし待合室でも寝たのであまり眠くない
外のシャバの景色でも眺めることにした
しかし護送バスの窓には黒いフィルムが貼られているので、景色が全体的に暗く見える
1時間くらいバスに乗っていると見覚えのある景色が見えてきた
池袋の繁華街だ
ここの吉野家よく行ってたな、ここのカラオケでぴえんとセックスしたな、などと思いを馳せながら懐かしの景色を見ていると不意に涙が流れてきた
ついこの間まではこの辺りを自由に歩いていたのに、自分は今手錠をかけられ護送バスの中からしかこの景色を見れない
なんと悲しいことであろうか
だが、それと同時に「俺はシャバに戻らなくてはならない」という強い決意も湧いてくる
池袋留置場に到着すると、留置官4名くらいが既に待機していた
留置官「池袋逆送!1名!2名!3名!…6名!以上6名!(大声)」
「そんな大声だしたら近所迷惑だろ、、、」レベルの大声であったので少しびっくりした
護送バスから留置場に戻り金属探知機のチェックを受けた後に夕食を取る
今日は7室ではなく「喫食室」という部屋で、検察庁に行っていた人たちと一緒に食べることとなった
せっかくなので横の人に話しかけてみる
あい「お疲れっす 今日キツかったっすね」横の坊主「すっげぇキツかったっすね 最近入ってきたんすか?」
あい「そうです!一昨日から居ます いつくらいからいらっしゃるんですか?」
横の坊主「自分は3ヶ月前くらいからっすね シャブでパクられましたよ〜」
この人は年齢40代後半で覚醒剤所持で捕まった
ちなみに余罪で大麻使用と大麻栽培も見つかっておりかなりピンチである
‥が、本人の口癖は「俺は執行猶予になる」である
これは留置場あるあるだが、皆他人の判決に対しては厳しく見積もるが、自分自身の判決に対しては甘く見積もるのである
この人もそのうちの1人で、周りの人は「多分実刑4−5年打たれる」と言っていたが、本人は「実刑3年の執行猶予判決」になると見積もっていた
皆自分が可愛いのである
ちなみにここで執行猶予の説明をしておく
たとえば「懲役3年執行猶予5年」という判決を下されると、とりあえずのところは刑務所に行かずに済む
しかし、もし5年以内に何かしらの罪を犯してしまうと本来の刑期に加えて3年が追加されてしまう
つまり、5年間は大人しく過ごしていなければならないというわけである
今後この人のことは「シャブおじさん」と呼ぶ
シャブおじさん「兄ちゃんは名前何ていうの〜?」
あい「しゅういちと言います」
シャブおじさん「そうなんだ〜、しゅうちゃん一緒に頑張ろうな」
シャブおじさん、若干ヨレているが良い人であることに間違いは無さそうだ
その後7室へと戻る
H君、ポコチン「しゅういちさん、お疲れっす」
あい「あざす、今日めっちゃ長かったです」
H君「検察の日マジで長く感じますよね」
H君「そういえば今日のジャム何味でした?」
あい「今日はいちごとマーマレードでした」
H君「あ、それハズレの日ですね 明日はチョコなので当たりですよ」
実は留置場や検察で出る食事には全て規則性がある
H君は留置場に1年半くらいいるので、食事の規則性がほぼ全て頭に入っているのである
翌日の食事メニューが気になるときは、H君に聞けば良いというわけだ
H君「しゅういちさん明日は裁判所ですね 明日は取調ではなく裁判官から勾留質問を受ける日です」
あい「明日裁判所なんですね! 勾留質問ってなんですか?」
H君「裁判官が、被疑者の身柄を勾留する必要があるかどうかを判断する日ですね ちなみに99%勾留になります」
あい「そうなんですね!いつもありがとうございます ちなみに明日ってどんな質問されるんですかね」
H君「勾留質問は基本逮捕状に書かれた文章を読み上げられて、それに対して意見したいことはあるかを聞かれるだけですね 『昨日検察調べで供述した内容と相違ありません』って言えば大丈夫です 一瞬で終わりです」
あい「ありがとうございます!じゃあ明日は一日中待機するだけの日ですね」
ここでポコチンが話に入ってくる
ポコチン「そういえばしゅういちさん、検察庁でオナニーしましたか?」
あい「いや、してないっすw ポコチンさんしたことあるんですか?」
ポコチン「ありますよw しゅういちさんも明日チャレンジしましょう」
検察庁のトイレは留置場のトイレと違い、外からほぼ丸見えである
一応目の前に木の板があるが、外の人は見ようと思えば見える
そんな状況でオナニーをするとは流石はポコチン、恐るべしである
そんなこんなでそろそろ就寝時間
検察庁の日は、1日が終わるのがなんだか早い気がする
10月29日に射精(セックス)してから一度も射精していないので今日オナニーしようと思っていたが、明日検察庁でオナニーをするために今日は精子を温存しておくことにした
翌朝
昨日と同じ流れで検察庁に向かう
今日は検察官の取調ではなく裁判所なので、昨日とは待合室が違う
昨日の部屋もなかなか酷かったが、今日はなんと昨日よりも酷い
椅子はほぼ同じであるが部屋が非常に寒い
昨日の施設よりも更に古そうなので、暖房の性能がすこぶる悪いのであろう
席につくと警察官からアナウンスがある
警察官「自身が身柄を勾留されていることを一人だけに連絡することができます 希望の方は、連絡をしたい人のお名前と電話番号を教えてください では一人ずつ聞いていきます」
警察官「新宿14番」
新宿14番「はい 電話番号〇〇 名前△△ 母親です」
警察官「分かりました」
警察官「次は渋谷5番」
渋谷5番「自分は連絡無しで」
警察官「分かりました」
こんな感じで進んでいく
自分も本来ならここで実家の電話番号を言うところであるが、捕まった初日に既に弁護士経由で実家に連絡をしているので、今日は特に連絡したい人は居ないな
というか友達の電話番号とか覚えてないですよ…
これは裁判所での連絡サービスに限らずであるが、最低でも親の電話番号だけは必ず覚えておこう(実家でもOK)
普段LINEでしか連絡を取っていない人とか結構多いと思うが、身柄を勾留されると当然スマホは使えないので弁護士を通しても連絡出来ない
本当に誰とも連絡が取れないようであれば、最初に弁護士と接触したタイミングで「twitterでネオニートあいという人にDMで自分が〇〇署で身柄を勾留されていることを伝えてください」と言ってください
関東圏であれば多分すぐ面会に行けます
その後しばらく待機した後に昼食
今日も手錠を付けながらの食事だ
だが、今日はH君が教えてくれたとおり当たりジャム「チョコ」の日だ
チョコソースの袋を少し破って、冷たいコッペパンに付けて食べる
うん、美味しい
チョコソースだけで食べたり、チョコソースとマーガリンを混ぜて食べたりする
安いチョコソースだけで幸せな気持ちになれるあいくん、環境適応能力EXですね
その後しばらくして裁判官に呼ばれる
裁判官は男だ
自分が席に座るやいなや、自分に対する被疑事実を読み上げる
裁判官「あなたは2024年の…性的暴行を加えたとして…」
裁判官「これに対して供述したいことはありますか?」
あい「検察調べで供述した内容と同じです」
裁判官「分かりました それでは質問を終了します」
H君の言うとおり、本当に一瞬で終わった
再び待合室に戻る
時刻はまだ14時だ
昨日は16時半くらいに終わったことから、少なくともあと2時間くらいは暇なことが予想される
そうだ、記念に裁判所オナニーをしておこう
今日の部屋はトイレが独立しており、トイレに行きたいときは見回りの警察官に伝え、警察官に付き添われて個室のトイレに行き、用を足したら警察官に付き添われながら再び待合室に戻ってくるという感じだ
とりあえずトイレに行くことにする
あい「トイレ行きたいです」
警察官「分かりました」
手錠を片方外され、ティッシュペーパーが渡される
部屋を出て20秒くらい歩いたところにトイレはあった
警察官「待ってる人も居るので、速やかに用を足すように」
個室であるがドアに小窓がついているタイプだ
便座に座ってオナニーしようとするが、まず勃たない
急かされた上に警察官が小窓からチラチラ見てくるからだ
普段女体を目の前にしてもバリフが無いと勃たないあいくん、こんな状況で勃つわけもない
長く居すぎると怪しいので、一度退散
待合室に戻ることにした
まさかトイレのドアに小窓がついているとは思わなかった
次は待合室で勃起させてから行かなければならないというわけだ
待合室で過去に見たAVのシーンを思い出しながら脳を興奮させる
このとき「1200人分の生身の人間とのセックスの記憶」があるにも関わらず「AV」を選んだことにぜひ着目していただきたい
自分が1200人とセックスした結果導き出した答えが「セックスはAVに勝てない」ということだ
もちろんオキシトシン的な観点から見ればセックスが圧勝なことは火を見るよりも明らかであるが、ドーパミン的な観点から見るとセックスよりもAVのほうが上だと自分は思う
これは本物の幽霊よりもお化け屋敷(人工的な幽霊)のほうが怖く感じるのと同じで、自然なセックスよりも「ドーパミンが出るように計算し尽くされたセックス映像」のほうが興奮するのだ
最初「偽物」は本物になろうとするわけだが、いずれその偽物は「本物」を超えて、「本物でも到達出来ない領域」へと達する
そういう意味では、偽物には「本物に勝とうとする」意志がある分「本物」よりも価値が高いと言えるのだ
このような現象は、近い将来「バイオテクノロジー」に関する分野で頻発すると思われる
例えば今現在「100m走」においてはパラリンピックの記録よりもオリンピックの記録の方が優れていることが「当然」だと考えられているが、近い将来この「常識」は覆されるだろう
何故なら人間の足の筋力は長い歴史をかけて少しずつ進化してきた一方で、義足の品質はこれから飛躍的に向上していくことが予想されるからだ
今現在は「人類の技術的な問題で」生身の足よりも義足の方が性能(速さ)が低いが、近い将来これらの性能は逆転している可能性が極めて高い
他の例で言うと例えば補聴器などに関しても、AIやノイズキャンセリングなどの技術の向上に伴い「健常者の聴力」よりも「補聴器を付けた聴覚障碍者の聴力」の方が優秀になる未来が来るかもしれない
近い将来「自然本来の人間の能力」は全て、テクノロジーによって造られた「人工的な能力」に抜かされてしまうかもしれないのだ
待合室で過去に見たAVを思い返しながら勃起させる
幸い周りの留置人はみな目をつぶったりボーッとしていたりしたので、気が散ることは無かった
今回は準備万端だ
警察官に「トイレに行きたいです」と言って再度トイレに行く
今回は最初から勃っているので、あとはHPを減らすだけだ
余談になるが自分は普段セックスする時、挿入の摩擦による刺激だけでは絶頂に達することができないため、ある程度女の子が満足したら途中でチンコを抜いてAVの場面を思い返しながら自分でオナニーしてチンコのHPを減らし、残りHPが3くらいになったところで挿入して2-3ピストンして射精している
そう、自分にとってはオナニーもセックスも「射精の瞬間」以外はほぼ同じなのだ
そのため今現在自分が居るのは裁判所のトイレであるが、気分はラブホのベッドの上に居る時とほぼ同じなのである
小窓の外から警察官がチラチラ見ていたので少し気が散りはしたが、すぐに絶頂に達した
そう、ついに自分は「裁判所オナニー」の実績を解除したのだ
これは留置場に帰ったら、すぐにみんなに自慢しよう
その後待合室に戻り、しばらくしたら逆送が始まる
昨日と全く同じ流れで池袋留置場へと戻った
池袋留置場到着
あい「ただいまー」
7室一同「おかえりー、お疲れ!」
まるで、実家のような安心感である
留置場では余暇時間における娯楽が極端に乏しいため「会話」の相対的なウエイトがシャバと比較して大きい
そのためシャバよりも周りの人間と「濃密な」コミュニケーションを取るようになり、すぐに仲良くなるのだ
あい「今日も長かったですよ 昨日の取り調べとまとめて欲しいですよね」
H君「間違いないですね、ちなみに検察調べと勾留質問が2日に分かれてるのは警視庁だけで、県警とかは1日でまとまってますよ」
なんと、東京以外の警察署ではこの「検察調べ&裁判所での勾留質問」は1日で終わるらしい 羨ましい
あい「そうえいば自分今日裁判所でオナニーしてきましたよ!」
ポコチン「マジっすか!(笑) 流石しゅういちさん!」
H君「ポコチンに続いて史上2人目の快挙ですね(笑)」
あい「警察官が小窓からチラチラ見てきたんで、結構大変でしたよ」
H君「あ、それハズレの方の待合室ですね 当たりの方だと、トイレ一人で自由に行けますよ」
そう、裁判所には「中堂待合室」と「大堂待合室」があって自分が今日行ったのはハズレの「中堂待合室」であったようだ
二択を外すとは、ツイていない
あい「マジっすか!次は当たりの部屋行きたいですね」
H君「裁判所は一回の逮捕で一回しか行かないんで、多分もう行く機会無いですよ」
あい「あ、そうだったんですね!」
※このフラグは後日"再逮捕"という形で回収されることとなるのだ…
裁判所から帰ってきたのは夜遅くだったので、その後すぐに就寝の時間に
ちなみに検察庁に行く日はマスクをもらえるのだが、留置所に帰ってきた時に「マスクを捨てる」か「マスクを留置場内でも使う」かを決めることができる
この日は乾燥していたので、マスクを留置場内でも使うことにした
ちなみにこの「マスク」は留置場では非常に使い勝手の良いアイテムである
乾燥を防げるというメリットがあることは言うまでもないが、もうひとつ大きなメリットがある
それは「寝る時に簡易アイマスクを生成できる」という点だ
留置場では就寝時間中は消灯となるが、安全のため電気が全て消されることは無い
平常時の20%くらいの眩しさになるが、それでも寝るには少し明るすぎるので出来ればアイマスクが欲しいところだ
留置場ではハンカチが一人一枚支給されるのでそれをアイマスク代わりにするわけだが、これは一応「禁止行為」なのでバレると注意を受ける(特に罰則等は無い)
なので仰向けで寝てアイマスクをするというのは少々難しい
そこで使うのが「マスク」だ
仰向けで寝るのではなく壁に向かって横向きに寝る
そしてマスクの上の紐の部分に折りたたんだハンカチを挟んで「簡易アイマスク」を作るのだ
壁向きに横を向いていれば、まずバレることは無いだろう
自分はこの裏技を見つけるまでは少々睡眠の質が悪かったが、この裏技を見つけてからは睡眠の質がだいぶ上がった
もしも留置場に入ってしまうことがあったらこの裏技をぜひ使ってみて欲しい
9時、消灯
いつも通り、皆で部屋の中央向きながら他愛のない話をしながら寝た
やはり「同部屋に友達が居る」という状況は非常に心地が良い
シャバに出たら、友達とシェアハウスでもしたいなと思った
今回の留置場生活で気づいたことがある
それは「利害関係なく一緒に笑い合える仲間の大切さ」だ
シャバで人と会う時、どうしても「損得」で付き合う人間を決めてしまうと思う
「一緒に居て楽しいか」よりも「この人と仲良くしておくメリットがあるか」で考えてしまうのだ
自分はシャバで人と会う時、ほぼ100%の確率で「ネオニートあい」として会う
こうなると自分でもほぼ無意識のうちに「Twitter上でみんなが思い浮かべているであろうネオニートあいのペルソナ像」を演じてしまうのだ
自分はTwitterのサブアカ(故千石撫子、香風智乃など)ではほぼポジショントークをせずに自分の本音を書いているので、他のインフルエンサーと比べれば「リアルとヴァーチャルの人格の乖離」は少ない方であると思うが、それでもやはり乖離はある
そう、自分は現実世界で一人暮らしを始めてから2年半の間「渡部秀一」のペルソナをほぼ使っていなかったのだ
そういう意味では今回の留置所生活は大学生ぶりに「渡部秀一」としてコミュニティに参加したことになる
「ネオニートあい」の人格だと「かっこわるいところは人に見せたくない」という気持ちが働いてしまうが「渡部秀一」の人格だと文字通り「素」を見せることができる
今回の留置所生活では久々に「渡部秀一」として過ごすことができたので、とても自然体で居られたしリラックスできた
インターネット社会はこれからますます加速していくので「リアルの人格」のウエイトが下がり「ヴァーチャル上での人格」のウエイトが上がっていく
「ヴァーチャル上での人格」の場合「理想の自分を演じることができる」ので演じていてとても気分が良いし、ストレスも非常に少ないだろう
しかし、それと同時に「素の自分を出せない」ということに対する不満足感も少し出てくる
これは女遊びをしたことがある人なら分かると思うが「女ウケを意識した、嘘で固められた人格」でしか女の子と会わないため「本当の自分の人格」を女の子の前で出せない時のモヤモヤ感と少し似ている
「ホストやってる、地下アイドルやってる」みたいな嘘をつくのでセックスできるし好意も寄せられるが「この子が好きなのは”偽りの自分”であって”本当の自分”ではないんだよな…」と思ってしまう時の感情と同じである
今回の留置所生活が結構楽しかったのは間違いなく「渡部秀一」として40日間過ごせたから
シャバに出たら「渡部秀一」として接することのできる友達を増やそうとこの日俺は思った
翌朝
今日は日曜日
日曜日というとシャバのみんなからすれば喜ばしいことかもしれないが、留置所で日曜日(土曜日も)は「嫌な日」である
なぜなら、朝の運動と一般面会と昼の自弁が無いからだ
これらは「留置所生活最大の楽しみ」と言っても過言ではない
朝の運動は他の部屋の人とゆっくり話せる唯一のチャンスだし、一般面会はシャバの友人や家族と話せる唯一の時間だし、留置所で食う自弁はシャバのどんな飯よりも美味いからだ
これらの娯楽がない土日は、一日が非常に長く感じるのだ
午前中は特にイベント無し
留置所で借りた本を読んだり、同部屋の友達と話したりして時間を過ごした
午後
留置官「47番、弁護士先生」
どうやら弁護士が来たようだ
一昨日来た当番弁護士の人だろうか?
面会室に入る
当番弁護士ではなかった
弁護士「どうも、はじめまして 弁護士の○○と申します」
あい「(○○?どこかで聞き覚えがあるぞ…)」
あい「あ!もしかしててみすさんですか?」
てみす「そうです、てみすです ナンパ界隈の人にあいさんの面会行ってあげてくださいって言われてきました」
あい「そうだったんですね!ありがとうございます」
てみす「今どんな状況ですか?」
あい「(現在の状況を話す)」
てみす「なるほど、弁護士の先生はもう指名していますか?」
あい「はい、当番弁護士の人が今私選弁護人になっています」
てみす「そうでしたか」
あい「Twitter結構盛り上がってますか?」
てみす「結構盛り上がってますね… ガレソとかも取り上げてるっぽいです」
スマホの画面を見ると、そこには見覚えしかない顔が
なんと、俺の顔写真の載ったネットニュースが大バズりしてしまっているではないか
あい「あちゃあ、これはまずいですね…」
てみす「結構炎上してしまってますね…」
あい「もうちょいかっこよく撮って欲しかったですね」
てみす「そこですか!(笑)」
あい「冗談です(笑) ただ、これで被害者が自分のTwitterとか見てしまうと思うのでそこだけがまずいですね」
てみす「そうですよね…」
と話を切ろうとしたところ「最悪な一文」が目に入る
『池袋署は他にも同様の被害が相談されていたことから、本件との関連性を調べている』
これは本格的にまずい
余罪があるということだからだ
あい「てみす先生、これ最後の一文やばいこと書いてあるんですけど余罪あるってことですかね」
てみす「その可能性高そうですね…」
その後少し雑談をしたのち面会が終了した
7室に戻る
H君「しゅういちさん、お疲れっす 当番弁護士でしたか?」
あい「いや、別の先生でした Twitterの友達が派遣してくれたみたいで」
H君「あ。そうだったんですね! しゅういちさん流石ですね」
あい「ありがとうございます! 自分ネットニュースになってTwitterでめっちゃバズってました(笑)」
H君「マジっすか!?」
あい「マジっす 自分の顔写真とかも載ってました」
H君「しゅういちさんマジで有名人だったんですね 不同意性交の単独犯でそこまで大々的に載るの結構レアですよ」
あい「そうなんですね!結構嬉しいです(笑)」
H君「更に知名度上がりましたね(笑)」
あい「間違いないです(笑) あ、でも一個やばいことあったんですよ」
H君「マジっすか どんなことあったんですか?」
あい「ネット記事の最後に、余罪があるみたいな書かれ方してたんですよね」
H君「それ渋いっすね…」
あい「やっぱ余罪ありそうですかね」
H君「まだ分からないっすね、警察もあることないこと書くので とりあえず今は目の前の事件片づけていくしかないっすね」
あい「間違いないですね ありがとうございます」
H君、やはり特殊詐欺グループのリーダーをやっていただけあって「人を励ます」のが非常に上手い
自分も留置場で何度も落ち込んでいたが、そのたびにH君が励ましてくれた
彼には本当に助けられた
彼はちょうど明日東京拘置所に移送になるので、面会に行くついでにありったけの食料と日用品と金を差し入れる予定だ
この程度では恩を返せないことは重々承知の上だが、恩返しのひとつとしてこれを行う
今後も彼には色々なかたちでサポートしていこうと思う
その後7室で執筆活動や雑談をしていると再び留置官に呼ばれる
「47番、弁護士先生」
今日はたくさん弁護士が来る日だ
次は誰だろうか?
弁護士「よろしくお願いします」
あい「はじめまして、よろしくお願いします」
弁護士「渡部○○さん(弟の名前)に依頼されて来ました」
なんと、弟がハト弁を寄越してくれたのだ
これには非常に驚いた
話を聞くと、弟が偶然LINEニュースで事件の記事を見て「身銭を切って」弁護士を派遣してくれたようだ
弟は新卒の会社員なのでそこまで金銭的余裕はないはずであるが、自分のために4万円払って弁護士を派遣してくれた
今後も色々なかたちで感じることだが、今回の逮捕で家族のありがたみを非常に知ることになる
結局自分が窮地におちいった時に助けてくれるのは家族である
家族は大事にしよう
弁護士との面会終了
17時なので夕飯の時間である
H君「秀一さん今日めっちゃ弁護士来ますね」
あい「ですね ちなみにさっきのは弟が入れてくれた弁護士でした」
H君「秀一さんシャバで人望あったんですね これだけ色々な人が弁護士入れてくれることなかなかないですよ」
あい「本当、感謝しかないですね みんなに」
ここで先ほど弁護士から伝言された弟からのメッセージを思いだす
弟はきっと、俺の事件のニュースを見て非常にショックを受けただろう
また、俺のせいでもしかしたら弟のキャリアに傷をつけてしまうかもしれない
そんな中で弟は身銭を切って弁護士を入れてくれた
「ごめんよ、弟」
俺は気付いたら涙を流していた
俺が泣いたのなんていつぶりだろうか
シャバではなに不自由なく生活し、すべての欲求を満たし、不安なことも一切なかったので「感情の揺れ」がほとんどなかった
留置所では自由もないし、やりたいこともできないし、とても大きな不安が付きまとう
だからこそ「些細な事」で感情が大きく揺れ動くのだ
俺はシャバではほとんど自身の「生」を実感できていなかったが、留置所では自身の「生」をとても実感できていた
「感情の揺れ」「世界への執着」こそが生きている証なのである
「悟る」という状態は感情の揺れや執着を無くした状態であるが、この状態だと確かに「ストレス」は限りなくゼロに近くなる
だが、それと同時に「喜び」や「興奮」も無くなる
自分がここ2年間、なぜ「生きている」実感が湧かなかったのかをこの日理解できた
それは、良くも悪くも「悟っていた」からだ
「悟る」という状態はカッコいいしストレスもないが、生きててつまらなくなる
これはみんなにもぜひ知っておいてほしい
夕食を食べ終わる
その後はいつも通り部屋の仲間たちとの談笑の時間
H君「そういえば、秀一さんが入ってくる前にちょうど7室から出てった人も不同意性交でパクられた人だったんですよ」
あい「そうだったんですね!その人は無事出れたんですか?」
H君「はい、示談で出ていきましたね でもめっちゃ高かったらしいですよ」
あい「まじすか!何円くらいですか?」
H君「いくらだっけ確か1000万とか言ってたような」
ポコチン「〇〇さんっすよね、1500万って言ってましたよ」
あい「え!そんな高かったんですか!」
H君「ああ、でも彼の場合職業が〇〇(社会的地位が高い)だったってのと、眠剤使ってたってのでだいぶ取られましたね」
ポコチン「週刊誌にも載っちゃったみたいなこと言ってましたよね」
あい「まじすか…」
ここで〇〇さんの話を聞いたが、話を聞く限り「美人局」の可能性が結構高そうだった
なんと〇〇さんはセフレから訴えられたらしい
しかも眠剤はそのセフレの女が飲みたいと言っていたとのこと
現状、不同意性交罪は本当に「女の言ったもの勝ち」みたいになってる
正直自分は「不公平」な法律だと思っているが、多分今後むしろ、より厳しくなっていくことだろう
みなも細心の注意を払ってほしい
これはあいメソッドの「刑事事件の取調べに関して」というセクションで詳しく解説してあるが「逮捕=終わり」というわけではない
実際、不同意性交罪における起訴率(逮捕された後に起訴される確率)は30%くらいだ
3人に2人は示談や嫌疑不十分などで不起訴となる
ちなみに、これは「逮捕されたあとにどのようなムーブを取るか」に全てかかっている
特にワンナイトしまくってる人は「刑事事件に関する取調べに関して」のセクションを熟読しておくように
H君「でもその〇〇さんはある意味で秀一さんと正反対の見た目でしたよ」
あい「そうなんですか?」
H君「はい、めっちゃ筋肉ムキムキでした(笑)」
あい「そうだったんですね(笑) 自分と真逆でですね」
ポコチン「確かに身体デカかったすね、でも意外と腕相撲弱かったですよ(笑)」
そう、このポコチンという男
身長165cmほどでメガネでアニメオタクという、いかにも貧弱そうな男なのであるが、実は信じられないほどの筋肉を持ち合わせていたのである
特に筋トレはしていなかったらしいのだが「超大食い」と「工事現場での肉体労働」によって凄まじい筋力になっていたのだ
「超大食い」がどれくらいすごいかというと、すき家に行くときは毎回キング牛丼を食う
しかもその後すぐに小腹が空いてラーメンを食うという狂人っぷり
爆食&運動が最強だということを、彼は証明したのだ
これは留置所で感じたことだが、留置所に居る人間はみな何かしらの能力が突出して高い
例えばこのポコチン君は超貧乏だし頭も決して良くないが、腕相撲がめちゃくちゃ強いし「ポケモン」について超詳しい
彼とは今後「ポケモン絵しりとり」や「ポケモン図鑑埋めゲーム」などをするのだが、彼のポケモンに対する知識は異常だった
聞いた話によると「ルビーサファイア」を小学生の時にやりこんでおり「全てのポケモンの色違い」を手に入れたらしい
ルビサファ世代では色違いのポケモンに遭遇する確率を上げるアイテムや裏技などが特にないので、これは「常軌を逸している」としか言いようがないのだ
このように「ひとつのことを極める」人が留置所には多く(かくいう自分もそのうちの一人である)、ADHDだけど詐欺がめちゃくちゃ上手い人とか、絵を描くのが超上手い人や、本を読むのが信じられないくらい速い人などが居た
これに対する仮説は2つあり
・「常識や社会規範」に囚われない’ため「創造性」が非常に高い
・「ひとつのことを病的に繰り返す」という性質を持っている人が多い
の二点だ
一つ目に関して、彼らは良くも悪くも常識に囚われないので「天才的な手法」を見つけることができる
自分が「あいメソッド」を思いついたり、マッチングアプリを「全自動化」したりしたのもまさにこの「常識に囚われない」という性質の賜物であろう
2つ目の「ひとつのことを病的に繰り返す」というのも恐らく犯罪者によくみられる傾向で、例えば一般的な犯罪、詐欺や性犯罪や窃盗など
よほど運が悪くない限りは2-3回やった程度では捕まらない
なのでこの「ひとつのことを病的に繰り返す」という性質を持っていない人は「捕まる」のに必要なレベルの試行回数を超えないので行為がエスカレートする前に辞めてしまったりするのだ
特に自分の場合は「マッチングアプリで会ってセックスするだけ」というそれだけでは全く犯罪にならないことをしていたが、やはり試行回数を重ねるうちに、効率を上げるためにリスクのある手法を使ったり、アフターケアなどもほとんどしなくなったりと「危険行為がエスカレート」してしまった
その結果逮捕されてしまったのだ
しばらく談笑したのち就寝の時間
夜はいつも通り部屋の仲間たちと会話
H君「そういえば次風呂いつだっけ?」
ポコチン「しばらく入ってないですよね! 頭結構かゆいですよ~」
あい「そういえば自分まだ留置所来てから風呂入ってないですね 留置所って風呂何曜日とか決まってるんですか?」
H君「夏と冬で違ってて、夏は火曜と金曜ですね ちょうど10月と11月が季節の境目なんだけど…」
H君「冬はどうなるんだっけ?」
ちょうどそこに見回りの留置官が通る
H君「風呂って11月から何曜日になるんでしたっけ?」
👮「えーっと、確か5日に一回で前入ったのが○○日だから… ちょうど明日じゃない?」
H君「ちょうど明日か!ありがとうございます!」
???「え、明日風呂なの?楽しみだな~」
隣の部屋から声が聞こえる
H君「○○さん、明日お風呂楽しみっすね」
シャブおじさん「いや~、Hさん、楽しみっすよ~!」
声と喋り方で分かった シャブおじさんである
ポコチン「明日お風呂楽しみっすね~」
H君「お、そうだな」
あい「あ、そうだ(唐突) 風呂ってルールとかあるんですか?」
H君「ルールとかは特にないっすけど、時間は15分ですね! 奥の2席だけシャワーあるので、基本いつもシャワー争奪戦になります(笑)」
あい「そうなんですね!ありがとうございます 明日は戦争ですね(笑)」
H君「そんな激しいことにはならないっすよ(笑)」
そんな談笑をしていると、気づけばもう11時に
消灯は9時なので2時間くらい喋っていたことになる
H君「じゃあそろ寝ますcar おやすみ~」
一同「おやすみなさい~」
翌朝
今日は月曜日で本来なら平日であるはずだが、文化の日のふりかえ休日のため祝日扱い
シャバのみんなは恐らく学校や会社が休みなので喜んでいることであろうが、留置所ではみんなテンションちょい下がりである
が、今日は待ちに待った入浴の日!
みんな少しソワソワしている
風呂入るだけでテンション上がれる留置所、どんだけコスパ良いんだよ…
いつも通り朝食を済ませ入浴の時間に
今日は3室スタートなので、7室は5番目だ
スキンヘッド、K君「今日俺ら一番風呂だぜ~!」
いつもの2人組が7室の前を通る
あい「おはようございます!」
スキンヘッド、K君「お、ティンダー君!おはよー あれ、Hさんは?」
Hさん今トイレっす!
H君「うぃーっす(トイレの小窓から手を振って挨拶する音)」
スキンヘッド、K君「Hさん、おはようございます!先風呂失礼します!」
そして次は7室の番だ
脱衣所で服を脱ぐ
H君、今まで服を着ていたので気づかなかったが腕と背中に立派な和彫りがある
あい「その刺青めっちゃカッコいいですね!」
H君「ありがとうございます!これは龍ですね 背中に彫ってあるのは鯉と和装の女性です」
あい「すげー!」
H君「とりあえず風呂行きましょ!(笑)」
あい「そうっすね(笑) 行きましょう!」
風呂に入るとシャワーが一つ空いていた
あい「Hさん!先どうぞ!」
H君「いいんすか!ありがとうございます! 自分使い終わったらしゅういちさんすぐ来てください! 他の人に取られる前に」
あい「おけです!」
他の席(蛇口からお湯が出てきてそれを桶に溜めて体を洗うシステム)に行こうとすると、自分を呼ぶ声がする
???「しゅうちゃ~ん、シャワー使っていいよ~」
またもやシャブおじさんである
よく見るとシャブおじさんも腕に刺青を入れていた
そこで周りを見渡すと、6人中4人は刺青が入っていた
流石は留置所である
あい「いいんですか!」
シャブおじさん「おう!俺今ちょうど風呂あがるところだから」
あい「ありがとうございます!」
シャブおじさんの好意でシャワーを使わせてもらえることになった
ラッキー!
自分は10月30日にパクられてから一度もシャワーを浴びていないので、実に5日ぶりのシャワーとなる
シャワーの蛇口をひねると上から温かいお湯が降ってくる
気持ちいい…!!
シャワーってこんなに気持ち良かったっけ?
自分はシャバではお風呂はあまり好きではなく、どっちかというと「メイクや整髪料を落とすために入らざるを得ないもの」という「義務」のようなイメージだった
だが5日ぶりに入るとこんなにも気持ちいい
これは留置所で何度も思ったことだが「快楽の本質は希少性」である
例えばお風呂に関しても「毎日入れる」となれば「1日くらいキャンセルしちゃおうかな」みたいな感じになるが「5日に一回しか入れない」となれば、みんな大喜びで入るだろう
食事もセックスも一緒
「毎日3食」食べているとルーティンみたいな感じになるが、1日1食しか食べない時は超ドーパミンが出る
「毎日セックス」していると流石に飽きるが、週に1回しかセックスしないとなるとめちゃくちゃ気持ちいい
このように、ドーパミン系の快楽は「スパンを広げれば広げるほど」一回当たりの行為で得られる快楽量が増える
風呂キャンしてしまう人やセックスし過ぎてEDになった みたいな人は一度「○○日に一回しかできない」というルールを自分に課してやってみるといい
きっと、その行為のありがたみが分かり快楽量が増えることだろう
ちなみに自分の場合、パクられる前は基本的に1週間に10人くらいとセックスしており「バリフという精力剤」がないと勃たないし1回戦が限界であった
が、シャバに出た後は頻度を抑えて週に2-3回くらいにしたのでバリフを使わなくても勃つし、2-3回戦もできるようになった
5日ぶりの風呂を楽しんだあと、再び居室に戻る
今日は留置官の計らいなのか、留置所の窓が開いているので気持ちの良い風が吹き込んでくる
普段ならこの時間はみんなで談笑したり読書をしたりするが、今日はみな「ボーっと」している
きっと、風呂上がりの気持ちいい「賢者タイム」を味わっているのだろう
自分も居室の定位置に座る
居室内で決まった場所は無いのだが、なんとなく暗黙の了解的な感じで「だいたいここからこのあたりがこの人のエリア」みたいなのがあるのだ
何だろう、この感覚は
まるで、セックスした後に感じる充足感のようではないか
快楽物質的に言うと「セロトニン」が大量に分泌されている状態だ
いつもなら午前中はだいたい読書をしたりして過ごしていたが、今日はとても心地よいので睡魔に身を任せることにした
薄目で確認したところ、H君もポコチンも50番さんも横になって寝ている
いつもはうるさい横の居室も今日は静かだ
風呂上がりの心地よい時間を各々が楽しんでいるのであろう
???「…番!…番!47番!」
あい「はい」
目をこすりながら返事をする
留置官「47番、調べ出し」
どうやら、今日は取り調べがあるようだ
せっかく気持ち良く寝ていたのにと少し不機嫌になりながら、渋々留置官についていく
留置所を出るときは、例えそれが警察署内であっても手錠と腰縄を装着しなければならない
手錠をはめて腰縄を付けて留置所を出る
一応シャバ?の空気を吸うのは2日前の裁判所ぶりだ
留置官「身柄引き渡します!」
刑事1「了解しました」
俺に着けられた腰縄を持つ人が留置官から刑事に代わる
刑事1「渡部くん!おはよう!」
あい「おはようございます」
刑事1「留置所に入る前以来だね、留置所生活は慣れた?」
あい「まあぼちぼち慣れました 友達もたくさんできました」
刑事1「そうなんだ、渡部くん結構社交的なんだね」
そんな雑談をしながら取調室に向かう
刑事1「今日は○○さん、取り調べお願いします」
刑事2「分かりました 取調室Aを今から使いますね」
刑事1「了解!」
今回の事件では恐らく刑事3人が担当していたように思える
・メインで取調をしていた人(刑事2)
・多分その人の上司(刑事1)
・多分一番新人(刑事3)
である
これはよくある手法だが「この刑事はこういうスタイルで取り調べを行う」みたいなのがあり、被疑者に対して飴と鞭を使い分けているようだ
自分の場合で言うと「刑事2」は比較的淡々と取り調べを行うタイプで、刑事1は透かしたり脅したりと手ごわいタイプ(自分の中ではThe刑事って感じだった)で刑事3はフレンドリーに聞いてくるタイプだった
自分は完全黙秘していたのであまり関係なかったが、例えば「刑事1(手ごわい)→刑事3(フレンドリー)」の流れで取り調べが行われると多分結構な割合の人は「この人になら喋ってもいいか」みたいな感じになるのではないかと思う
これもすべて「警察側の策略」なのである
取り調べが始まると早速1枚の写真が見せられる
刑事2「君、この女性に見覚えあるね?」
(ここで自分がどのようなことを思ったか、どのような受け答えをしたかどうかは事件の詳細に関わるので書けません)
どうやら”余罪”が出てきたようだ
昨日テミス先生に教えてもらったニュース記事の最後に書いてあった「余罪があるとして捜査を進めている」はやはり本当だったようである
~中略~
ようやく取り調べが終わった
今日の取り調べはとても長かった
12時を過ぎていたので留置所のみんなはもうお昼ご飯を食べている
このように、食事配膳のタイミングで留置所内に居なかった時は「喫食室」という部屋で食事を取る
今日の飯も昨日とほぼ同じ
特筆すべき点はない
が、味がよくわからない
流石の俺も「余罪が出たこと」に動揺しているのであろう
正直今朝までは「まあ20日以内に示談してすぐ出れるっしょ」みたいな感じに思ってたけど、さすがに2件となると実刑も見えてくる
「実刑は流石にやばいな」という焦りが少し出てきたのだ
食事が終わると7室の居室に戻る
H君、ポコチン「しゅういちさんおかえり~」
あい「ただいま」
H君「しゅういちさん、大丈夫ですか?少し顔色悪いですよ」
流石はシャバで部下を何人も抱えていたH君、他人の体調や気性の変化に対する洞察力が非常に高い
あい「実は余罪出たんですよね…」
H君「うわ、マジっすか… それ結構やばいですね」
あい「いやー、やばいっす 昨日言ってたニュース記事の内容はやっぱ本当っぽいですね」
H君「そうみたいですね…」
ポコチン「…」
流石に部屋の空気が重い
みんな落ち込んでる自分に気を遣ってくれているようだ
これは留置所で何度か思ったことだが、留置所には「余計なひとこと」を言うタイプの人間がほぼいなかった
ADHD気質の人はかなり多かったが、アスペタイプの人間は2人しかいなかった
ちなみにその二人はどちらもピンク系(性犯罪)である
1人は痴漢(本人曰く冤罪とのこと)で、一人はストーカーだ
周りの反社たちも「あいつらは刑務所行ったらいじめられるタイプだな」と言ってた
世間的に「性犯罪で捕まったやつはイジめられるだろう」みたいな風潮があるが、これには少し誤りがあると自分は思う
正しくは「アスペやコミュ障などのイジめられやすい素質を持った人が一番犯しやすい罪が性犯罪」ということなのである
事実、池袋留置所で自分は結構カーストが高かったし、ソープランドの運営者で不同意性交で捕まってる人もヤクザたちから慕われていた
結局イジメられるかどうかは「本人の性格次第」と言った方が良いだろう
ちなみに留置所でカーストを上げる方法はいくつかあるが、正直どれも小手先ではどうにもならないものである
自分のカーストが高かったのも間違いなく「金持ち」「ハッカー」「知能が極めて高い」といった素質があったからである
周りの反社の人たちも「こいつ優秀だし話面白いから仲良くするか」と思ってくれたのだと思う
ここで一つ気を付けておかなければならないのが「嘘は良くない」ということだ
留置所にも結構嘘つきは多かったが、そういうタイプはだいたい裏で「あいつ絶対ホラ吹いてるよなw」などとバカにされる
特に詐欺系の犯罪者は「人を見る目」が非常に鋭いので、嘘をついてもすぐに捲れてしまうだろう
時刻は現在14時
夕飯まであと3時間ある
周りの居室はみな楽しそうに談笑しているが、7室はとても静かだ
50番さんはいつも通り本を読んでいるし、H君は書き物をしているし、いつも元気なポコチン君は自分に気を遣ってくれてか今日は大人しくしている
自分はあぐらをかいて壁の方を見ながら考え事をする
「もし実刑になったらどうしようか….?」
正直昨日まで「20日で出れるだろう」という想定だったので「留置所出たら何しようかな」ということばかりを考えていた
なので「本当の恐怖」と向き合うのは今日が初めてだ
まず最初に自分はシャバに居るときは「いつ死んでもいいしいつ逮捕されてもいい」と思っていた
これは強がりではなく本当にそう思っていた
情報商材で毎月数百万入ってきて、Twitterでみなから賞賛され、毎日新規の10代の女に中出しするという生活をおよそ1年半くらい送っていた
最初は夢のような生活だと思い毎日楽しかったのだが、そのウキウキは長続きはしない
半年経つ頃には既にこの生活が当たり前になっており、大金が入ってきてもバズっても可愛い子即ってもほぼ何も感じなくなっていた
1年経つ頃にはもう自分が何のために生きているのかもよく分からなくなっていたが、そんな絶望から目を逸らすために毎日Twitterをやって毎日Tinderでアポを組んでいた
この状態は薬物依存症患者が「鬱にならないために毎日クスリを打ち続ける」というのと全く同じことである
これは最初の方にも書いたかもしれないが、人間はドーパミンを浴び続けると「ドーパミン獲得状態」が「平常状態」になる
こうなってしまうと「ドーパミンを獲得できなかった時(=普通の人の平常状態)」が「欠乏状態(=鬱状態)」になってしまうのだ
分かりやすく言うと「セックス依存症患者のセックスした状態」=「一般人のセックスしていない状態」といった感じだ
自分は2022年6月-2024年10月まで本当にお正月とか以外ほぼ毎日セックスしていたので、はたから見れば「毎日セックス出来て羨ましいな」と思われるかもしれないが、自分視点で見ると「1日1回以上セックス出来ないと鬱状態になる」ので毎日が戦争だった
イメージ的には旧石器時代の狩人である
毎日「飢え死にしない」ために狩りに出かけないといけないし、狩った獲物の肉(ドーパミン)を保存する技術が無いので「今日3日分の食料を調達したからこれから3日間は安泰だ」みたいなことにはならない
(1日に3人とセックスしたから3日間はセックスしなくていいか とはならない)
毎日、確実に、1体以上獲物を狩らないといけないのだ
そのために、前日に色々なところに罠を仕掛けたり(アポを組む)して「何の成果も得られませんでした!」という状態に絶対にならないようにしていた
こうなると、もうセックス以外のことに全く集中できなくなる
Tinderはほぼすべて自動化していたので他の人と比べれば労力はかなり少なかったと思うが、それでもやはり「絶対に1日1回セックスしなければならない」となるとかなりのコストがかかる
特に「精神的コスト」が非常に重く、常に心のどこかに「1個でも多くアポ組まなきゃ」という強迫観念が存在する
この強迫観念のせいで自分は「多即期間」中、高度な思考力を必要とするタスクをほとんどできていない
この2年半弱でやったことと言えば「セックス後の躁状態の時にツイートを連投する」くらいである
幸い自分は情報商材を販売していたので、これをやるだけで生活費に困ることは無かったが「俺、このままでいいのかな」という思いは常に抱えていた
自分で言うのもあれだが、自分には色々な才能があるので「俺の才能を多即だけに注ぎ続けていいのかな」という葛藤があったのだ
だが、重度のセックス依存だったためそもそも「多即を辞める」という選択肢が自分の中には存在していなかった
それこそ逮捕でもされない限りは「多即」を辞めることは絶対に出来なかっただろう
なので自分は今回逮捕されたことを「良かった」という風に心の底から思っている
シャバでの生活を思い返しながら将来のことも考える
もし俺が実刑判決を受けて数年出てこれなくなったらどうしようか、何が困るだろうか
まずは「生活の質が下がる」問題
食事が質素になるし風呂の回数も少ないしセックス出来ない
だが、これに関してはそこまで心配していなかった
自分はかなり「環境適応能力」が高いので、多分しょぼい飯ならしょぼい飯でそれに慣れるし、風呂の回数が少ないなら少ないでそれに適応できる
セックスに関しても、留置所に入ってからはピタッと依存症が治った
「セックスできる状況」だと何が何でもセックスしようとするが「セックスできない状況」だとなぜか諦めがついた
今日は久々の平日
それだけで嬉しい
何故なら、平日は朝の運動もあるし自弁もあるし一般面会もあるからである
シャバでは情報商材が1日に20万円売れても一日に3人とセックスしても特に何も感じなかったが、留置所だと月曜日が来るだけでちょっと嬉しい
留置所最高!
「幸福のハードルを下げる」ことの大切さがとても分かりますね
いつも通り洗面をして朝食を食い、運動場へ
今日も「R君(窃盗のロン毛)、ヤクザ、スキンヘッド、K君(売春斡旋のナンパ界隈読者)」の4人がみんなで盛り上がってる
彼らは「池袋留置所の中心メンバー」なのである
一同「あ、Hさん!おはようございます!」
H君「おはようございます!」
スキンヘッド「お、ティンダー君もいるじゃん!おはよう!」
あい「おはようございます!」
一同「おはようー!」
先週よりかは挨拶が丁寧になった気がする
きっと自分が「有能」であると認められたからであろう
これは