「×1」や「×2」の計算を難しく感じますか?「27×2」や「44×2」でも簡単にできますね。
しかし、これが「×8」や「×9」となるとどうでしょう?
やはり数字が大きくなると、計算も少し難しくなってきますよね。
今回は「×9」の計算を簡単にする方法について学びましょう。
問題
次の計算をしなさい。
78×9
2桁×1桁の計算ですが「×9」となっており、繰り上がりもあるため、計算は気をつけないといけませんね。
ポイントは「9」を簡単に計算できる数字へ変えてしまうことです。
解説
今回の問題の答えは「702」です。
ここでは「×9」を変形して計算してみましょう。
「78×9」というのは「78が9個分」と考えることができます。
それを「78を10個分にして、あとから多い1個分を引く」とします。
式で表すと、次のようになります。
78×9
=78×(10−1)
=78×10−78×1
=780−78
=702
「×10」や「×1」の計算はとても簡単ですよね。このような式変形をすると実質計算が必要になるのは「780−78」のひき算だけということになります。
このような工夫は、「×9」の計算だけでなく「×99」「×999」などでも可能です。
例えば78×99であれば、どうでしょうか。
99=100−1とすれば、簡単になりそうですよね。
78×99
=78×(100−1)
=78×100−78×1
=7800−78
=7722
この計算の工夫では、必ず最後の計算が「ひき算」となるので、問題の数字次第では、通常の筆算をした方が簡単だと感じる方もいるかもしれません。
(例)
61×9
=61×(10−1)
=61×10−61×1
=610−61
=549
上記の場合だと、通常のかけ算を考えた方が繰り上がりがなく計算できるので、わざわざ「61×(10−1)」と式変形するメリットはありませんね。
どちらの解き方が簡単になるかを見極めることも大切です。
まとめ
「算数・数学は、答えが1つしかない」とよく言われますが、その答えに辿り着く道筋は1つではありません。
どの解き方をすれば簡単に求めることができるだろうか?
他にも解法はないだろうか?工夫で解けるのが算数・数学の面白さです。
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」