法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

補助金の返還をせまられた支援団体日本駆け込み寺が、別の支援団体Colaboのバッシングに加担していたのは忘れられているの?

支援団体Colaboが撤退を選ぶような「是正」によって深刻な問題が発生したなら、本当に「是正」だったかを疑うべきではあるだろう - 法華狼の日記

 以前にも東京都の事業「きみまも」が、性加害がおこなわれうる場所として問題となったり、リソース不足を露呈して、Colabo代表の仁藤夢乃氏の批判が妥当とわかったことがある。

 今回はColaboと入れかわるように東京都の事業に参加した支援団体、日本駆け込み寺の事務局長がコカインを所持していたとして逮捕されたという。

 上記エントリで事務局長の逮捕にふれた日本駆け込み寺が、交付された多額の補助金を返還するようせまられたと報じられていた。
「日本駆け込み寺」の補助金取り消し 2355万円返還命令 東京都 | 毎日新聞

 同法人が運営経費に充てた2023、24年度の「都若年被害女性等支援事業」補助金が取り消された。23年度は交付額の一部(約161万円)、24年度は交付済みの全額(約2194万円)の返還を命じた。

 都福祉局は元事務局長が相談者の20代女性に薬物を勧めたと認定。職員が個人の携帯電話で相談者と直接やり取りすることが常態化していたのが薬物勧誘につながったとみており、相談者が安心して利用できる環境を作ると定めた要綱に違反していると判断した。

 団体の一員ではなく団体そのものに問題があったと認定するなら、東京都には事業を選定する過程に問題がなかったのかを反省してほしいところだが。


 はてなブックマークを見ると、id:wildhog氏のコメントが最上位の注目コメントに入っていた。
[B! 福祉] 「日本駆け込み寺」の補助金取り消し 2355万円返還命令 東京都 | 毎日新聞

wildhog 東京都の若年被害女性等支援事業は全部ダメじゃん。若年女性は性的にも座り込みにも価値が高くて利用されやすいので民間に接点持たせるとろくなことにならない。当てになるのは警察と児相だけじゃないか?

 しかし冒頭のエントリでふれたように、先に東京都自身の事業「きみまも」で性加害が発生しているし、支援団体Colaboへの暴力的な妨害を警察が充分にふせげないとされてバスカフェ事業が中止を強いられた。
裁判所から接近禁止命令をひきだしたりした支援団体Colaboの努力は、某大学教授によると「なにもしません」という態度になるらしい - 法華狼の日記
 一方で座り込みに利用されたという主張は、Colaboのことであれば、裁判で真実ではないと認定された多数のデマのひとつでしかない。他の団体については知らない。
「暇空茜」の請求を東京地裁棄却 Colabo仁藤夢乃代表への差別意識を認定 | 週刊金曜日オンライン

神原元氏に名誉棄損されたとして暇な空白氏が訴え、逆に地裁判決で自説の誤りが認められた11の争点の表

「全部ダメ」といえるほど大きな問題が起きているのは、特に不正も見つからなかったのにColaboへの攻撃に同調するように東京都が事業の方針を変更して、Colaboが事業を辞退して以降だろう。
 id:Outfielder氏は事業そのものの見直しを要求し、id:preciar氏は同等の問題を起こしたかのように主張しているが、現在のように変更することに妥当性があったのか、そうした東京都の判断に問題はなかったのかが問われる事態だろう。

Outfielder 「補助金が取り消された。23年度は交付額の一部、24年度は交付済みの全額の返還を命じた」東京都若年被害女性等支援事業そのものの見直しが必要ではないか

preciar 「山口組からシマを奪った住吉会がやり過ぎて捕まった。やはり山口組に任せるべきだった」みたいなことほざいてる奴等、少しは二元論しか展開できない自分の頭の悪さを自覚して欲しい

 より良い変更が模索された結果として、ふたたびColaboが事業に参加できないのであればそれはそれでいい。しかし、補助金返還も不要で他団体と大差ない会計ミスが見つかった問題と、支援対象者にコカインをつかって性行為をはたらいた疑惑が同じくらいの問題という考えで活動を見直すべきだとは思えない。


 また、Colaboバッシングの背後に日本駆け込み寺がいたのではないかというコメントに対して、陰謀論的だと否定するid:gun_kata氏のコメントもはてなスターを集めている。

gun_kata colabo叩きの背後にはこういう団体がいたんだと主張するやつが暇空の「認知プロファイリング」を嘲笑しているの、本当にお笑いみたいな光景なんだよな。

 しかし日本駆け込み寺は、逮捕された事務局長とは別の設立者である玄秀盛氏が2024年4月に実話BUNKAタブーにインタビューされ、仁藤氏への批判を展開したことがある。
日本駆け込み寺・青母連の玄秀盛氏が明かすコラボ代表・仁藤夢乃さんの学生時代からの豹変ぶり | 実話BUNKAオンライン

「Colaboの内情まで知っているわけではないが、不正は本当にあったから問題になっているわけでしょう。東京都の助成金以上の寄付収入があるから、それでカバーしたんじゃないか。そんなやり口をしつつ周りに敵をつくりまくってたんだから、見返りがきているのがいまなんだろうな」

 助成金以上の収入でカバーしたわけではなく、助成金以上の活動をおこなっていたから返還の必要がなかったことすら玄氏は把握していない。このように背後ではなく、正面から叩きに連帯していたのだ。
 ちなみに仁藤氏は学生時代に会ったこと自体を否定しているし*1、日本駆け込み寺の手法を以前に批判していたとも語っている。


私はこの記事(https://bunkaonline.jp/archives/4845)に書かれているように、この男に学生時代に会ったこともないし、会計不正がなかったことは監査結果でも明らかなのに、Colaboについて「不正は本当にあった」などとデマを流している。

私が「ホストはキモいおっさんと違ってちゃんと女のコに寄り添える存在」などと主張したことも当然ないが、自分たちこそがホスト問題を理解し少女たちに寄り添っていると印象づけるためにデマを拡散しているのだろう。

この団体が業者と区と進めてきたまやかしの「ホスト対策」を、私はこの動画↓(9:30〜)等で批判しているので、反撃のつもりなのかもしれない。

「悪質ホスト対策の名の下でホスト業界を温存させる新宿区」
https://youtu.be/OsLqWwUpvM8?si=vimfeQS3Ub9ysH5I
どういう人たちが連帯しColaboを攻撃しているのか、多くの人に知り、現実を見つめてもらいたい。

 ちなみに都民ファーストの会で都議をつとめる尾島紘平氏は、会計をめぐってColaboへのバッシングを煽るような虚偽を発信したことがあったが*2、日本駆け込み寺といくらか関係があったようだ。


座長を務める都民ファーストの会「トー横PT」で、歌舞伎町の日本駆け込み寺・青少年を守る父母の連絡協議会と意見交換をしてきました。終了後はゴミ拾いをしつつ、現場視察へ。界隈の当事者、いわゆるキッズの話も聞けて良かった。来週はホストの売り掛けに対する法規制について、都庁と議論をします。


歌舞伎町の「日本駆け込み寺」事務局長が、コカイン所持の容疑で逮捕されました。私もトー横問題に取り組む中でお付き合いのあった団体であり、極めて遺憾です。青少年を守るべき立場で自ら犯罪に手を染めるなど、論外です。都からの補助金支出も、あらためてチェックします。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250519/k10014810231000.html

 別の支援団体を呼びこむため既存の支援団体のバッシングに加担したとまでは思わないが、東京都にとって好ましいと思える支援団体が支援対象者にとっても好ましいものかは考える必要があるだろう。

*1:会ったかどうか、それがいつかだけならば、罪のない記憶の錯誤で起こりうる範囲だと思うが。

*2:「会計検査院」のもりあがりなどを見ていて、米国大統領選挙不正を思い出す - 法華狼の日記