高速船三池島原ライン 50年の歴史にいったん幕
テレQ(TVQ九州放送)
大牟田市の三池港と長崎県島原市の島原港を結ぶ高速船「三池島原ライン」が、7月1日から運休します。三池島原ラインは、天神から西鉄の特急と大牟田での連絡バスを乗り継ぐと2時間半ほどで行ける天神と島原を結ぶ最短ルートでした。高速船運休前の最後の日を取材しました。 大牟田市の三池港。対岸の島原までの距離は30キロほどです。雲仙・普賢岳も見えます。 岳田秀昭記者 「島原からやってきた船が見えてきました。きょうで最後の運航です」 1日4往復する三池島原ライン。島原からの第一便からは、5人が降り立ちました。 島原市民 「もう最後だということで若いとき乗っていたので。一番早くて一番安かった。福岡の中心部にすぐ行けますし。島原に住む人にとっては一番使いやすい交通手段だったと思います」 一方、島原方面に向かう人も連絡バスに乗って大牟田駅からやって来ました。 大牟田市民 「夫の親戚が島原にある」 Q.高速船がなくなったら 「子供たちと車で遠回りしないといけない」 客を乗せた高速船は、島原に向け動き出します。三池島原ラインは、60人乗りの高速船で時速40キロで航行します。三池島原ラインには、1973年に高速船が導入されました。福岡と島原を最速で結び、最盛期は年間15万人が利用しました。しかし新型コロナウイルスによって乗客が激減。コロナ収束後も以前のようには客足は戻りませんでした。さらに燃料費や人件費の高騰などで、この10年でおよそ4億円の累積赤字となり運営会社は運休を決めました。一般的に市営渡船など自治体が運営する生活航路は、赤字になっても住民サービスを維持するため運航を継続することが多いとされています。しかし、県が違う2つの市の間を結ぶ民間の定期航路という特殊な事情もあり、今回、存続は厳しいようです。電車とセットで割引切符を販売していた西鉄。南島原出身の林田浩一社長自身、この船を利用していたそうです。 西鉄 林田浩一社長 「南島原出身で多分あの船がなかったら私西鉄の社長になってないんじゃないかと。気軽に福岡まで出て来られたっていう貴重な路線であったことは間違いないです」 高速バスや他の航路などとの競合も激しい中、同じ運輸事業者として運航休止もやむを得ないと感じています。 西鉄 林田浩一社長 「民間事業者として、経営が厳しくなってくると、維持していくっていうのは難しい、それはもう苦渋の判断をされたんだろうという風に思っています。個人的には非常に残念だという風に思っています」 運営会社は、深刻な人手不足であるほか、赤字航路を引き継ぐ事業者は見つかっておらず、今回運休を決めたと説明しています。この後、午後6時20分。最後の船が三池港を出ると、約50年の歴史にいったん幕を降ろすことになります。
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