TBS『報道特集』元編集長・曺琴袖さん

――兵庫県知事選においては、SNSでいわゆる「犬笛」を吹かれた人々により、百条委員会の委員県議たちが名指しで誹謗中傷を受けていました。自分たちもこうした攻撃の対象になることを恐れて報道することを躊躇したメディアもあったのではないでしょうか。

曺:そうですね。実際に、知事選後の3回目の放送(「YouTubeの拡散指示が…」“支持者LINEグループ”の登録者に聞く 斎藤元彦氏再選の舞台裏/2024年11月30日放送)で選挙戦の裏で起こっていた誹謗中傷やデマの拡散について報道すると、立花氏の『報道特集』に対する攻撃が始まり、さらに番組スポンサーに対する攻撃も過熱していきました

年明けは、しばらくこの問題に関する報道は控えようと考えていました。知事選を前にマスメディアが横並びで行った過熱報道についての検証ができていなかったし、選挙期間中に何があったのかについてもちゃんと追いたいという思いもあったからです。そんななか、1月18日に竹内さんが自殺されたんです。

-AD-

――そんなタイミングだったのですか……。

曺:さらに衝撃だったのは、人の死に対して悼んでいないようなコメントがSNS上で多く見られたことです。怖かったですね。一部の人たちによるものにすぎないのかもしれませんが、そのありようを見て、なんとかしなきゃいけないという思いに駆られました。

竹内さんの存在は、私たちの制作上の気持ちの支えになっていました。そして竹内さんの奥様のインタビュー(「見るに堪えなかった」亡くなった竹内元県議の妻が語った苦悩、誹謗中傷“選挙動画”の拡散を検証/2025年3月22日放送)を放送することが決まり、できるだけ多くの人に見てほしいという思いでXに投稿しました。それがバトンの形でどんどんつながっていき、「報道特集がんばれ」の声をたくさんいただいたんです。

SHARE

FRaU SDGs edu こどもプレゼンコンテスト2025