意外にも1例だけ 国鉄からJR7社すべてが引き継いだ「唯一の形式」とは?
配信
かつて日本全国に鉄道網を張り巡らせていた国鉄は、1987年に分割民営化され、鉄道事業者はJR旅客6社とJR貨物にわかれました。 【画像】特徴的な「横向き運転台」とは? 国鉄時代に開発・投入された車両は「国鉄型」とも呼ばれ、同じ形式が全国のさまざまな路線で見られました。たとえば、山手線でデビューした103系は大阪環状線などにも投入されましたし、交直両用特急型電車の485系は、北は北海道から南は九州まで、全国を駆け抜けていました。 しかし、国鉄分割民営化時、JR7社すべてに引き継がれた形式は、たった1つしか存在しません。ディーゼル機関車のDE10形です。 DE10形は、1966年に登場したディーゼル機関車。ローカル線運用や入換作業用として開発された車両で、本線用のDD51形と同様に凸型の車体を採用していますが、DD51形と比べると小型です。また、操車場などで行ったり来たりする入換作業を想定して、運転台が横向きの配置となっているのも特徴です。 708両が製造されたDE10形ですが、派生型として、入換作業に特化したDE11形や、除雪機関車のDE15形、さらには私鉄の同型機も多数存在しており、国鉄→JRだけでなく、臨海鉄道などのさまざまな路線で見られた車両でもありました。 国鉄からJR旅客6社に引き継がれた車両としては、キハ40系や14系客車なども該当します。しかし、貨物列車を担当するJR貨物は、旅客車両は不要の存在で、このような車両は引き継いでいません。一部の貨車は旅客会社が引き継いだ形式もあるのですが、それでも旅客全6社が引き継いだ形式は存在しません。したがって、JRの鉄道事業者全7社が引き継いだ形式は、このDE10形が唯一の存在となっています。 JR7社で見られたDE10形も、今は老朽化によって置き換えが進んでいます。JR東海は2008年、JR四国は2023年に、DE10形の運用を終了。、JR貨物でも、2025年に定期運用を終了しています。JR北海道ではけん引を担当する「ノロッコ号」の運転終了が発表されており、JR東日本やJR九州でも後継機が導入されている状況です。全国で見られたDE10形も、ほとんどのエリアでは、その活躍は長くないのかもしれません。 なお、先述したように、DE10形は臨海鉄道などにも導入された車両。現在でも、各社が新製導入、あるいはJRなどから譲渡された車両が、八戸臨海鉄道、仙台臨海鉄道、衣浦臨海鉄道、西濃鉄道の、4社の貨物輸送事業者で運用中です。また、観光列車用としてJRから譲渡された車両が、東武鉄道、真岡鐵道、わたらせ渓谷鐵道、嵯峨野観光鉄道に在籍。このうち、嵯峨野観光鉄道は2027年の新型車両導入が発表されていますが、その他の各社は現状特に置き換えといった話は聞かれません。
西中悠基
- 37
- 128
- 42