神奈川県立の障害者支援施設「中井やまゆり園」の元利用者が父親に殺害された事件について、県が設置した検証チームが最終報告書を公表しました。
神奈川県によりますと、この事件は去年7月、小田原市に住んでいた中井やまゆり園の元利用者の男性が転居先の千葉県で父親に首を絞められて死亡したものです。
その後、父親は殺人の罪で起訴され、千葉地裁から懲役3年執行猶予5年の判決を受けています。
事件を受けて県は、有識者や関係機関で構成された検証チームを設置。
重度知的障害者への支援の在り方について検討し、再発防止策などをとりまとめました。
検証チーム 國學院大学 佐藤彰一名誉教授
「どういうふうに行政や各種社会福祉サービスが支援の手を差し伸べることができるのかということを、これから真剣に考えていかないといけない。 その中で施設の在り方も考え直していかないといけないという意味で今回の報告書を作成させてもらった」
最終報告書では、関係機関が虐待を把握していたにもかかわらず、在宅生活を続けさせたことについて「緊急的に入所による支援を検討し対応する必要があった」と指摘。
再発防止策として当事者目線の支援や家族への寄り添いのほか虐待対応スキームの明確化などを挙げています。