転校理由を「家庭の都合」に いじめ被害生徒の文章、教員が書き換え
水戸市の私立水戸英宏中学校に通っていた男子生徒が同級生からいじめを受けて転校した問題で、転校時に男子生徒が「長期間嫌がらせを受けた」と記した文章について、担任の教員が「家庭の都合」などと書き換えていたことが新たにわかった。
弁護士らで構成する調査委員会も、教員の書き換えを事実と認め、「いじめの認識の甘さが露呈している」と批判している。
この事案については、調査委が2024年2月から今年4月まで調査し、「いじめが継続的に行われていたと評価することに疑いの余地はない」などとする報告書をまとめている。報告書などによると、男子生徒は中学2年だった22年9月以降、クラスメートの男子生徒らからいじめを断続的に受け、23年10月下旬、いじめを理由に転校願を学校に提出した。
その後男子生徒は、クラスの生徒らに転校を伝えるための文章を書き、担任の教員に提出。転校する理由について、「長期間嫌がらせを受け、心身ともに疲れたことです」と記していた。しかし、受け取った教員は「家庭の都合と自分の体調面と相談した上です」と書き換えた。「仲良くしてもらった」などとする表現も付け加えた。
男子生徒は、教員に書き換えられた文章をクラスメートの前で読み上げて、同月末で転校した。
教員「反省している生徒を追い詰める」
教員は当時の経緯について、「(男子生徒が嫌がらせを受けたとする)内容がクラスで報告されると、反省している(加害者側とされる)生徒を追い詰めてしまう」などと判断。教頭にも相談したうえで文章を書き換えたと、調査委の聴取に対して答えたという。
だが調査委は、この判断は適切ではないとし、「教頭も認識していたことを考えると、学校としていじめの認識の甘さが露呈している」と報告書の中で指摘している。
報告書で教員から相談を受けた、とされた水戸英宏中学校の教頭は6月30日、朝日新聞の取材に対して「生徒のプライバシーに関わるため答えられないが、学校の考え方と同様に、真摯(しんし)に対応していきたい」と話した。
学校側、いじめ問題を発表せず
水戸英宏中学校を巡っては、昨年、別の女子生徒をめぐる問題が朝日新聞の報道で明らかになった後、いじめに関する調査報告書を受領したことをホームページ上で認めていた。しかし、今回の男子生徒に対するいじめの問題については公式発表をしていない。
女子生徒の件については、同様に同級生からいじめを受けて1年以上不登校となる事態になり、調査委が昨年、「いじめに対する本質的な理解不足や教育不足があった」などと学校側を批判する報告書をまとめていた。
この女子生徒と男子生徒の2件は、同じクラスで起きたこともわかっている。
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