模範解答「丸写し」可能な試験、小田原短大 文科省が「不適切」

清水敬久 島崎周
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 小田原短大(神奈川県)が、保育学科通信教育課程の試験の一部で教材と同じ問題をそのまま出し、模範解答の持ち込みも認めていたことが分かった。幼稚園教諭2種免許などの取得に必要な単位取得に関わる試験だった。文部科学省は不適切だとして行政指導した。

 小田原短大は取材に「ホームページで開示している以外の内容は答えない」とした。

 短大のホームページによると、不適切とされたのは、単位取得の最終試験にあたる「科目修得試験」。教科書とは別の「学習の手引き」という教材に載った「理解度テスト」「レポート問題」と同じ問題を出した。試験問題全体の約16%が該当した。試験時には、その教材の模範解答の持ち込みも認めていた。

 今後、教材と同じ問題は出さず、模範解答の持ち込みも認めないという。

 2024年度の公表資料によると、通信教育課程の在籍者数は2学年で計4670人。

 文科省によると、2月に短大側に事実確認を求め、3月に「『丸写し』ができるような状況での単位取得は不適切」として口頭で指導した。同短大は、コロナ禍でオンライン試験を始めた20年度以降、模範解答などの持ち込みを認めていたと説明したという。

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この記事を書いた人
清水敬久
小田原支局長
専門・関心分野
身近な行政
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権