和歌山港で「電車直結」の南海フェリー、国鉄時代は徳島側も「駅直結」で急行列車の運行もあった
大阪と徳島の移動は、岡山経由のJR線ではなく、梅田や難波に発着する高速バスか、南海電車と南海フェリーを乗り継いで向かうパターンが一般的だ。大阪―徳島間は高速バスが4,000円程度の運賃であるのに対して、南海電車と南海フェリーを利用する場合、電車とフェリーのセット券である「とくしま好きっぷ」を購入すれば、なんば駅から和歌山港を経由して徳島港まで2,500円で向かうことができることは、筆者の記事(徳島―大阪が2,500円!南海電鉄&フェリーの「とくしま好きっぷ」 関西空港の発着だとタイパもよし)でも触れている。
本州側の和歌山港は、南海電鉄の和歌山港駅がフェリー乗り場に直結しているが、四国側の徳島港は、バスでのアクセスとなり徳島駅までは30分程度を要する。しかし、国鉄時代には徳島港も国鉄線の駅に直結していた。なんかフェリーの徳島側は、1999年まで現在の徳島港ではなく小松島港に発着していたが、この小松島港にフェリーと直結する小松島港駅が1985年まで設置されていたのである。
小松島港駅からは、徳島駅方面に急行よしの川号も運行されており、この列車に乗れば、徳島よりさらに遠くの阿波池田駅まで乗り換えなしで行くことができた。さらに、国鉄最盛期には、小松島港駅から高知行の急行よしの川号も運行されていた。急行よしの川号は、現在、阿波池田―徳島間を結ぶ特急剣山号の前身となる列車であるが、こうした列車がフェリーに直結し、徳島港と和歌山港の双方で鉄道に直結できていたのであれば、高速バスに対しては現状よりも競争力を保てていたと考えられるだけに残念である。
最盛期に高知駅から小松島港駅に急行列車が直通していたメリットの一つは、高知駅から小松島港駅に至る各停車駅で、「小松島港行」という行き先が乗客の目に留まることで、そうしたことが、小松島港を経由して和歌山港経由で大阪方面につながるルートの認知度の向上につながる点だ。仮に、現在の特急剣山号の行き先が現在の南海フェリーが発着する徳島港であるとするならば、やはり南海フェリーを利用して大阪方面に向かうルートの認知度の向上につながっているはずだ。
徳島駅から徳島港の南海フェリーのりばまでは、用地買収の困難さなどは当然あろうが、新町川沿いに線路を3km程度延伸すれば、直結できそうな雰囲気は感じる。こうした考えについては、否定的なコメントが寄せられることは承知の上ではあるが、交通の利便性を向上させて地域経済の活性化を考える一つの考え方としては、こうした鉄道新線に何らかの公的な仕組みを活用して投資を行っていくことも必要なのではないだろうか。
(了)
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