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友人に“選挙フェイク”を拡散してしまった
「ねえ、知ってる?」
自分が“価値のある”情報を見つけたら、つい人に教えてあげたくなるもの。
その一方で、総務省が公表した調査では、フェイク情報を広める手段として最も多いのは「知人・友人への口コミ」という結果も。
もしそれが選挙に関するフェイクだったら…。
実際にそんな体験をした女性が取材に応じてくれました。
【動画で解説】
「投票前にはたくさん情報を集めたい」
20代の会社員ゆいさん(仮名)は、SNSで目にした候補者に関する誤った情報を信じ、それを友人に広めてしまった経験があります。
当時は大学生で、選挙権を得てから間もないこともあり、投票先を決めるためにできるだけ多くの情報を集めたいと考えていました。
ゆいさん(20代・仮名)
「大きい選挙は20歳の時がちょうど初めてで、すべてが初めての経験でした。選挙権を持ってるからには自分たちの将来に関わってくることだし、暇があれば情報収集をしていました。今思えばすごいアホっていうか、自分がうのみにした情報を友達にそのままバッと流して、それをまた友達が信じるという負のスパイラルが起きてしまいました」
このとき、ゆいさんの地元で行われていた知事選挙は、ふたりの候補の一騎打ちとなっていました。
きっ抗した展開に注目が集まり、友人の間でも選挙のことがたびたび話題になっていました。
ゆい「知事選、どうする?」
友人「行こうとは思ってるけど、どっちに入れたらいいか分からないよね」
その一方でSNSでは、候補者に関する真偽不明の情報も飛び交っていました。
ゆいさん
「みんながシェアをしていたり、特に友人とかがシェアをしていたりすると、あたかも真実かのように見えてくる」
目を引いたSNS情報 友人たちに拡散
さまざまな情報がスマホに流れてくる中、特にゆいさんの目を引いた投稿がありました。
ゆい「何これ? ほんとなの?」
それは、一方の候補者の政策がもう一人の候補者に比べて文字数が少なく、中身が薄いと批判する投稿でした。
この情報に説得力があると感じたゆいさんは、すぐに友人たちに伝えました。
ゆい「ねー、あの書き込み、見た?」
友人「えー 何それ?」「知らなかったー」
ゆいさん
「重要だと感じた情報は誰かに伝えたい、共感を得たいっていう気持ちがあった。悪気もなく、自分はむしろ正義感的な感じで、『伝えなきゃいけない』みたいな使命感、そういう気持ちも混ざりつつ、伝えてたなって思います」
ところが投票の直前。
父「おはよう」
ゆい「おはよう。 え? ちょっと新聞貸して!」
地元紙に掲載されていたのは、SNSで拡散されていた情報を検証した記事でした。ゆいさんが信じていた「政策の文字数が少ない」とする投稿も取り上げられていました。記事によると、文字数が少ないという事実はなく、投稿は誤りだと指摘されていました。
ゆい「あれ、ウソだったの!?どうしよう…友達にも言っちゃったのに…」
ゆいさん
「気付いた瞬間は衝撃というか『自分が今まで信じてきた情報は何だったんだろう』みたいなショックが大きくて、今までそういった事を信じてきた自分が恥ずかしいという気持ちになりました。『自分、何してたんだろう』、『なんでこんな情報に自分呑まれてるんだろう』という気持ちで、やっぱり後悔の方が大きい」
実は多い、クチコミによるフェイク情報の拡散
ゆいさんのように、誤った情報を信じて家族や知人に伝えてしまう例は、決して珍しくありません。
総務省がことし公表した調査によると、誤情報や偽情報を広める手段として最も多かったのは「家族や友人などに対面の会話で伝えた」で、「インターネット上で不特定多数の第三者に伝えた」を上回っています。
ゆいさんが、友人に情報が誤りだったと伝えることができたのは投票の後でした。今も後悔が残ると話すゆいさんは、それ以来、安易に情報を拡散しないよう心掛けているといいます。
ゆいさん
「良いことも悪いことも、根拠にちょっとでも不安があるようなことは拡散しないし、友達にも言わないというのを今では自戒として意識するようになりました。情報を得るのにすごく便利なのがSNSの良いところなんですけど、得るだけじゃなく拡散できてしまうのもSNSです。人に伝えるからにはちゃんと根拠がある、ちゃんとした事実があってこその正確な情報を、伝えるべきだなっていうのをすごく感じます」
(首都圏のニュースで放送)