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アルトワークス HB21S に、e-manage ULTIMATE を取り付けよう。

2011-2012 ウインターシーズンの、年末年始休暇の工作のつもりですが、
しっかり生かせるようになるまでは、多分、何シーズンも掛かると思います。(;^_^A アセアセ・・・

このページでは、ハードウェアのインストールと普通に動き始めるまでの過程、
その後のハードウェアの更新や、セッティングについて、紹介します。

↓↓↓下に行くほど新しい情報です。↓↓↓

2011.12.23 準備

F6Aエンジンを搭載する  入墨カプチーノ(EA11R)
K6Aエンジンを搭載する ブルメタカプチーノ (EA21R)

上記2台の車両へ、e-manage ULTIMATEの装着とセッティングを行ってきました。
完成度としてはまだまだ発展途上ではあるものの、
現時点のセッティングでも、それなりの成果を得ることが出来ています。

そこで、気をよくして次のクルマへの取り付けを行います。
今回のターゲットは、『スノートライアルA1アルト』、平成8年式の HB21S アルトワークス RS-Z です。
エンジンはK6Aの初期型ですが、2008年に大きな事故を経験し、フルレストアを行ったクルマです。

これまで、SUZUKI SPORTのタービン RHB31FW と、N2-ECU を装着して制御してきましたが、
HB21S WORKS-R の純正カム、SUZUKI SPORTの大容量インタークーラー、などのチューンを施してあり、
ハードウェアの能力を充分に生かしきれていないのではないか、との想いから、
『e-manage ULTIMATE』 の装着とセッティングによって、更に最適化を行おうと考えました。

まずは、必要な資材を準備します。

『TRUST GReddy e-manage ULTIMATE』

当面は、現時点で使用している 、
SUZUKI SPORT の N2 ECU (RHB31FW用) をベースにし、
わずかの追加補正をかける予定ですが、
最終的には、純正ECUをベースに変更するつもりです。

K6Aエンジンを搭載する (EA21R) ブルメタカプチーノへの、
装着・セッティングのデータや経験が、生きてくるでしょう。

尚、この e-manage ULTIMATE 本体は、
ヤフオクにて、中古で入手したモノです。

『TRUST GReddy
   e-manage ULTIMATE ハーネスKIT 1.2m』

入手した中古の e-manage ULTIMATE は、
NA8C ロードスターに装着されていたモノで、
このハーネスキットが付属していましたが、先端には、
『NA8C用ECU延長ハーネス』が接続されていました。
後から気づいたのですが、
ロードスター (NA6CE) B6-ZE '89.09~'93.07
ロードスター (NA8C前期) BP-ZE '93.08~'95.07
上記車両は、カプラー形状がHB21S用と同じです。
追加工で使用できるのですが、接続の確実性を優先し、
ECU延長ハーネスは新しいものを使うことにしました。

『カプチーノ EA21R用ECU延長ハーネス』

ECUと車両ハーネスに割り込ませるコネクターです。
ヤフオクで購入したノーブランド品です。
HB(A)21S、EA21R、JA22W、は同じカプラー形状です。

車両ハーネスを傷つけることなく、
電子パーツを取り付けるために使用するものですが、
無理な体勢で長い時間作業しなくて済むので、
配線がたくさんある場合には、取り付けが楽になり、
接続も確実性を増すと思います。

『TRUST GReddy ターボ用圧力センサー』
『TRUST GReddy 圧力センサー用ハーネス』

単独でサージタンク圧力を測定して、
e-manage ULTIMATE に信号を送る圧力センサー。

純正センサーの測定限界を超えるハイブースト域や、
圧力測定信号の確実性を求めて、設置します。

『TRUST GReddy A/F計入力ハーネス』

黄色カプラーに2芯のハーネスです。
左:白、中央:空、右:灰色、となっていますので、
白をA/F計外部出力の+線へ、灰色を同じく-線へ。

ただ、モノの割には高価である気がしてなりません。

『innovate 空燃比メーターセット MTX-L (3m)』

A/Fワイドバンド空燃比デジタルメーターセット、です。
接続ケーブル+センサーケーブル=全長 約3m

ワイドバンドUEGOリニアO2センサー。
パソコンや周辺機器に接続できる、MTS 対応。
100%デジタル制御、応答速度は約80ms以下。
大気較正により、従来の「メーカー較正」が不要。
100%デジタル制御による高精度な測定が可能。
日本語版解析ソフトウエア Log Works 付属(専用)。
防滴52mmφメーターには、ブラック/ホワイトパネルと、
ブラック/シルバーベゼルが付属し、選択可能。

『GRID センサーヒートシンク』

リニアUEGOワイドバンドO2センサーは、
1020℃度以上の高温では、誤差や故障につながり、
センサーのボディ部分で 620℃以下が理想のようです。
逆に、センサーが冷えすぎてもエラーとなるようです。

このヒートシンクは、
高温な排気ガスの流量を制限して冷却すると共に、
O2センサー本体に伝わる熱も冷却します。
また、センサーの冷えすぎにも対応します。

ネジサイズ M18mm x 1.5mm

2011.12.30 ハーネス作成

車両のサービスマニュアル、e-manage ULTIMATE の取り付けガイド、A/F計のマニュアル、を並べ、
使う機能と使わない機能を整理しながら、それぞれの情報を見比べて、よくよく考えます。
整理と確認のため、Excelで配線ダイアグラムを作っておきます。

HB21SアルトワークスのK6Aエンジンは、点火系がデスビ方式で、シーケンシャルインジェクションです。
新規格のK6Aエンジンは、点火系がダイレクトイグニッション方式になっており、デスビレスとなっています。
e-manage ULTIMATE の点火制御で、ダイレクトイグニッション化も不可能ではないはずですが、
とりあえずは、元々の制御系をそのまま動かすことにしました。
e-manage ULTIMATE は、水温/吸気温/ノック1/ノック2 の信号のうち、2つを入力することが出来ます。
K6Aにはノックセンサーがひとつしかないので、水温入力とノック1入力をスイッチによって切り替え、
ノッキングレベルのログを取ってみたい、と思います。

A/F計には、ナローバンドO2センサー(純正)の出力をシミュレートする機能があるので、
純正O2センサー(ナローバンド)を取り払ってしまっても、制御できると思います。
念のため、配線上は、ナローバンド信号とシミュレート信号とを、スイッチで切り替えられるようにしました。

ハーネスの全体像です。


将来にわたって不要と思われる配線は撤去しました。
それでもこのように、ごちゃごちゃです。

ECU延長ハーネスの加工完了状況です。

配線は、前回と同じ方法としました。

E-manage への配線を途中に割り込ませる場合は、
配線の中央付近を切断して、丸ギボシを装着しました。

E-manage への配線を分岐線に接続する場合は、
精密ドライバーを使用してオスカプラーから端子を抜き、
配線の中央付近を半田ごてで溶かして芯線を露出させ、
分岐線を半田付けして熱収縮チューブで絶縁した上で、
オスカプラー内に配線の端子端を戻しました。

切替スイッチのパネルです。

ステンレスのL字金物のビス穴をリーマーで広げ、
ON-ONタイプのトグルスイッチを装着しました。

文字はテプラで作成しました。
粘着力が弱くてすぐに剥がれてしまいそうです。

トグルスイッチは一般電気用、100Vに使えるものです。
クルマ専用の品ではありません。
大きさと価格で選択しました。

切替スイッチの配線状況です。

スイッチの端子には、導線を直接半田付けし、
熱収縮チューブで絶縁しました。

上のスイッチは、ECUへ送るセンサー信号を選択。
純正O2センサーの信号を送るにはレバーを下へ、
A/F計からシミュレート信号を送るにはレバーを上へ。

下のスイッチは、E-manage へ送るセンサー信号の選択。
水温センサーの信号をEマネに送るにはレバーを上へ、
ノックセンサーの信号をEマネに送るにはレバーを下へ。

2011.12.31 ジャンパー設定

大基本のジャンパー設定です。
旧規格K6Aの場合、『K6A(EA21R)』という基本設定を使用するのですが、
ジャンパーに関してはデフォルトの設定のままでよいようです。
他車種に使われていた経緯も考慮して、全てのジャンパーをひとつひとつ確認しておきました。

2011.12.31 A/F計表示部の取付

大晦日に何やってんだ・・・

・・・・・な~んて言わないで。(^人^)オ・ネ・ガ・イ



innovate製のA/F計の前モデルであるLX-2と比較して、
MTX-Lはメーター表示部の奥行寸法が厚くなっています。
アンプ部が小さくなった分、メーター表示部に移動した内部パーツがあるんでしょうね。

『JURAN メーターホルダー EZ』 を使用して、
ステアリングコラムに装着しました。

ステアリングコラム左上のA/Fメーターと、
ダッシュボード上の3連トラスト製メーター。

視認性がよく、邪魔にならず、大変満足な配列です。
どれひとつとして無駄なものがありません。

2011.01.03 GReddy 圧力センサー の取付

アルトはエンジンルームが狭いために、
何をするにもスペースが小さくて苦労させられます。

もちろん、ターボ用圧力センサーの設置場所も。
ハーネスとホースの取り回しを検討した結果、
バルクヘッドの上部、ワイパーモーターの横がベター。
この時点でこの場所に既に設置していた、
ターボメーター用の圧力センサーと、
上下に組み合わせて設置しました。

ミニサージタンクからの配管に、更にジョイントを使って、
分岐してホースを接続していますが、
まとめて整理したほうが良さそうですね。

2012.01.03 A/F計のO2センサー 取付~エンジン始動

純正のオキシジェンセンサーを取り外し、
ワイドバンドUEGOリニアO2センサーを取り付けます。
測定精度を高めて安定させるため、
センサーヒートシンクも使用します。

ワイドバンドUEGOリニアO2センサーの校正は、
必ずエンジンから取り外し、大気中でを行います。
色々試してみましたが、大気中で校正を行わないと、
正しく測定されず、不安定なデータ出力となります。
ちょっと面倒ですが、仕方がありません。

ネジ部分にはスレッドコンパウンドを塗ってから、
ターボアウトレットにネジ込んでいます。

ワイドバンドUEGOリニアO2センサーを
センサーヒートシンクを介して、
ターボアウトレットに設置した状態です。

エンジンマウントとの位置関係は画像の通り。
高さ方向にはギリギリ交わします。

尚、センサーのハーネスには、
コルゲートチューブを巻いて保護しました。
エアコンのコンデンサーファンと近い位置を通るため、
タイラップで固定しつつも、念のための対処です。

完全暖気後のアイドリングでは、
理想空燃比の A/R=14.7 付近を示します。

ECUは、極めて優秀な制御をしていますね。

LX-2には、光センサーによる自動減光機能と、
PCによる照明色を指定する機能がありましたが、
MTX-Lは、その機能を省略されており、
オーディオなどと同様ディマー配線をつなぐ必要があり、
照明色はオレンジのみとなっています。
コストダウンによる措置だと思いますが、
取り付けてしまえば、特に不便はないと思います。

2012.01.07 ハーネス変更

回転信号認識の方法を変更しました。
これまでは、ECUの回転信号を、e-manageの回転信号入力に接続していましたが、
今回は、ECUの回転信号を、e-manageのクランク角入力に接続してみました。
同時に、パラメータ設定の回転信号認識をクランク角に変更しました。

配線変更の結果、点火時期のロギングができるようになりました!
赤がエンジン回転数、白がGReddy圧力センサー、黄色が点火時期です。

純正のオキシジェンセンサーは取り外してしまったので、MTX-Lのアナログ出力2は、
ECUのO2センサー配線に接続しました。
シミュレート信号をECUに送る措置で、現在のところ、全く問題なく制御できています。

2012.01.15 ハーネス変更

水温入力とノック1入力をスイッチによって切り替え、
ノッキングレベルのログを取ってみたいと思いましたが、
ノッキングレベルがそもそもロギングできない上に、
水温のログさえもおかしな数値をはじき出す始末。

水温データが正しく取り出せなければ、
A/Fフィードバック機能を使うことができないので、
やむなくノッキングレベルのロギングを諦めました。

切替スイッチを取り外した結果、
水温のログはしっかり取れるようになり、
A/Fフィードバック機能も使用できるようになりました。

ハーネスを変更して、ダイアグラムはこのようになりました。

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