Special

2005-2006オフシーズンの、冬休みの工作のつもりでしたが、
とっくに何シーズンも経っています。(;^_^A アセアセ・・・
結果的に超大編のレポートになっちゃいました。

このページでは、ハードウェアのインストールと普通に動き始めるまでの過程、
その後のハードウェアの更新や、セッティングについて、紹介します。

いつまで続くのか、。。。(;^_^A アセアセ・・・

↓↓↓下に行くほど新しい情報です。↓↓↓

2006.04 構想

『TRUST GReddy e-manage ULTIMATE』

一世を風靡したサブコン『e-manage』の進化版です。
初代が『青マネ』と呼ばれるのに対し、
『銀マネ』とか『黒マネ』と呼ばれているみたいです。

SUZUKI SPORTのN2ECUをベースに補正をかける予定。

ULTIMATEの魅力は、豊富な補正マップですが、
その中でも、A/Rフィードバック目標値MAPがヨサゲです。

説明書を読んでも何のことやらチンプンカンプンです(・_・、
もっとよく読まなきゃね。

『GReddy e-manage ULTIMATE サポートツール』

F6AのECUは大雑把な制御しかしていないため、
色々加工しないとULTIMATEの機能を使いきれません。
時間はかかるけど、ひとつひとつやっていこうと思います。

『TRUST GReddy
   e-manage ULTIMATE ハーネスKIT 2.5m』


カプチーノって室内が狭いんです..・ヾ(。><)シ ぎょぇぇぇ

そこで、助手席背面にラックを製作し、
助手席足元にあるオーディオパワーアンプを移設します。
e-manage ULTIMATE 本体もそこに装着する予定です。

カプラーのピン数だけ配線があるので、全部で44本。
ほとんど使用しないんだろうけど、先が思いやられます。

『FIELD ワンタッチコネクター CN-50』

ECUと車両ハーネスに割り込ませるコネクターです。

本来は車両ハーネスを傷つけることなく、
電子パーツを取り付けるために使用するものですが、
配線がたくさんある場合には、取り付けが楽になります。
無理な体勢で長い時間作業しなくて済むからねぇ。。。

『TRUST GReddy
   ターボメーター(60φ電子式ワーニング)』


入墨カプチ-ノのブーストメーターは、未だに機械式。
緻密なエンジンセッティングを行うためには、
ピークホールドくらいは見たいと思いまして、
この際、新調することにしました。

エンジンルームに設置された圧力センサーからの信号を、
メーター本体の他に、e-manage ULTIMATEにも接続し、
ハイブースト時の制御もしてしまおうというモクロミ。

←画像左 『e-01圧力センサー共用ハーネス』

圧力センサー、e-01、青マネの3つを併用する場合に、
圧力信号をセンターユニットに戻すためのハーネス。
センターユニットに接続するための白カプラーは切り取り、
ターボメーターの圧力信号線に割り込ませてみます。
うまくいくかどうかは、やってみないとわかりません。

←画像右 『e-manageAF計入力ハーネス』

黄色カプラーに2芯のハーネスです。
左:白、中央:空、右:灰色、となっていますので、
白をA/F計外部出力の+線へ、灰色を同じく-線へ。

『INNOVATE LX-2』

GRIDで発売しているスタンドアローン空燃比メーター。
O2センサーインターフェースであるLC-1と、
デジタルメーターのXD-1のセット品です。
単体のみでのデーターロギング機能はありませんが、
アナログ出力端子をPCに接続すればロギング可能。
それと別に、配線でe-manageのOPTION端子に接続し、
その他のデータとまとめてロギングすることも可能です。
センサーヒートシンクを併用して常設してしまうので、
セッティング時以外はピカピカ光って綺麗かな?(笑)

←マウスポイントでメーター本体(XD-1)の拡大画像

『HP Compaq Business Note nx4300』

e-manageのセッティングに使用するモバイルPC。
ER753PA-AAABECUというモデルです。

なぜコレかって?
安かったからに決まってんじゃン( ̄ー ̄)ニヤリッ
σ(^_^;にとっては充分、というよりオーバースペック?↓

Windows XP Home Edition , 12.1inch WIDE-TFT WXGA
Celeron M 370  1.5GHz , DDR2 SDRAM 512MB
Ultra ATA-100 5400rpm 40GB , DVD-ROM/CD-RW
Wireless LAN , USB2.0 , IEEE1394 , 4in1 Media slots

『Cellstar Power Inverter mini HG-150/12V』

モバイルPCを車載してセッティングを行うために、
ACアダプターを駆動する100V電源を確保します。

それ以外の用途を考えておりませんので、
ごく簡単で、軽量、小型、かつ安価なモデルにしました。

コレを使いながらのロギングはデータにノイズが乗るので、
移動中の充電専用として割り切っています。

2006. 04 e-manage ULTIMATE 機能の紹介~実験予定のメニュー

普通の人ならチャレンジせずに諦めるようなことを、
やってみたい性分なのです。(;^_^A アセアセ・・・

『パラメータ設定~点火』


e-manage ULTIMATE(青マネも同様)は、
ECMからイグナイターへの信号を調整することによって、
点火時期補正
を行うことができます。
ノイズの問題でうまくいかない可能性もありますが、
やってみるしかないでしょう。(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン

『パラメータ設定~I/J』

F6AのEPIシステムは、昔ながらの同時噴射です。(T_T)
インジェクターはクランク角720度に1度噴射しています。

シリンダーNo.1とNo.3が同一回路を使って噴射制御し、
リミッターもこの2気筒でコントロールしています。
(シリンダーNo.2は完全独立回路でリミッターなしです。)

そこで、シリンダーNo.1のインジェクタハーネスを作り、
e-manage ULTIMATE から直接制御することにより、
シーケンシャルI/Jが可能。。。のはず。

『パラメータ設定~本体ロガー』

e-manage ULTIMATE の本体に、
8種類のデータを、ロギングすることができます。
ロギングスタートスイッチを別に設けることも出来ます。

セッティングの方向性を絞り込むことが容易になるはず。

『A/Fフィードバック目標値MAP』

A/F計とリンクさせ、A/F目標値を設定することにより、
リアルタイムにフィードバック補正できます。

INNOVATEのLC-1はA/Fデータを出力可能なので、
設定さえうまくいけば、この機能が使えるはず。

基本データは、あくまでもI/J補正MAPで作りますが、
季節・高度・天候・気候・地域にとらわれず、
常に最適な制御ができるようになるはずです。

『車速補正MAP』

F6AはDジェトロ、つまり圧力センサー式なので、
圧力から吸気流量を推測してコントロールしているため、
負荷による吸気流量の変化をセンシングできません。

2速や3速の軽い負荷状態でセッティングすると、
4速や5速でエンジンブローの可能性があります。
逆に、4速や5速の高負荷状態でセッティングすると、
2速や3速では回り方が重いエンジンになってしまいます。

そこで、車速補正MAPで負荷による補正を行い、
いくらかナントカならんかと。。。

『加速点火補正MAP & 加速I/J補正MAP』

F6A(MT)のスロットルポジションセンサは、3芯。
全閉全開のスイッチにすぎません。

そこで、リニアスロットルセンサをどこからか調達し、
最近のエンジンみたいに加速補正MAPを使えないかと。

だって、加速時こそが勝負の決め手なんだもん。。。

2006.04 準備

e-manage ULTIMATE と、ECUの接続模式図です。

取付けマニュアルを見て考えながらの作業では、
頭が混乱してうまくいかないので、
いつも、机上でまず考えることにしています。

F6AのECUには、イグナイタが内臓されています。
e-manage ULTIMATE で点火時期補正を行うには、
ECUを加工する必要があります。

A/FメーターLX-2の接続模式図です。

純正O2センサーの配線にトグルスイッチを設けて、
アナログ出力1の信号をECUに送る加工を施します。
アナログ出力2の信号はe-manage Ultimate の、
OPTION端子に接続します。

ターボメーターの接続模式図です。

圧力センサの配線を分岐して、
一方を通常通り、データリンクユニットへ接続し、
他方をe-manage Ultimate のOPTION端子に接続します。

e-manage ULTIMATE のパネルを外し、
中身の基盤を取り出してみました。

最初にやらなければならないジャンパー設定のためです。

とは言っても、F6Aは適用外エンジンなので、
正しい設定方法がわかるわけでもありませんので、
説明書にしたがって、ひとつひとつ確認しただけです。

説明書が正しければ、出荷時設定のままで、
ジャンパーを変更する必要はなさそうです。

ワンタッチコネクターから信号を取り出すために、
配線に加工を施しますが、全部黒い配線なので、
たいへんわかりにくいです。

そこで配線名称や信号の種類を表示させておきます。
具体的には、テプラで名称シールを作って、
配線を挟み込んで貼り付けてしまいます。

まずは作ってみましたが、実に面倒(苦笑)。
PCのキーボードみたいにさくさく入力できないんです。

ワンタッチコネクター、加工終了。

机の上で作業できるなんて、なんて快適♪
予算ケチって車両ハーネスを加工するなんて、
やめたほうがいいですよ~>腰を悪くしちゃいます。

水温センサと吸気温センサはロギングのため、
ISCソレノイドバルブはアイドル調整MAPのために、
車速センサも車速補正MAPのために、接続します。

ちなみに、回転信号はノイズの問題から使いません。
クランク角信号でコントロールします。

e-manage ULTIMATEは、独立点火6気筒+追加I/J2本、
増量だけなら8気筒まで対応することができます。

F6Aはデスビ方式の同時噴射3気筒エンジンなので、
点火信号は1CH分、I/J信号は2CH分しか存在しません。
シーケンシャル噴射のためにI/Jは3CH分使いますが、
それでも使わない配線がたくさんあって、邪魔です。

リレー用、アナログ入出力用配線は拡張性のために残し、
それ以外は精密ドライバを使ってコネクターから外し、
圧力センサーと、AF計入力の延長にも流用。
余った使わない配線はチューブから抜き去りました。

あと残っている配線作業は、
I/J CH1出力配線をインジェクターまで延長することと、
ECUを加工して点火信号を抜き出すこと、
A/Fメーターのアナログ出力配線を接続すること、
圧力センサーのアナログ出力配線を接続すること、です。

わからなくなってしまうので、テプラを追加しました。

A/FメーターLX-2のアナログ出力には、
純正O2センサー出力をシミュレートする機能があります。

そこで、コレを使ってECUをだまし続ければ、
学習機能をキャンセルすることができるはずなんです。
折角セッティングが決まっても、学習の結果元通りじゃ、
危なくてやってられないモンね。

うまくいかなかった場合を考慮して、
いつでも純正状態に切り替えることができるように、
トグルスイッチを割り込ませておきます。

e-manage ULTIMATE 接続ハーネスの完成。

これ以上、シンプルにはなりません。(×_×;)

尚、I/J番号(シリンダー番号)ですが、
スズキのサービスマニュアルではシリンダー順番を示し、
e-manageのCH番号では点火順番を示すので、
間違えないように注意しましょう。

2006.05 取付

正確なA/Fを計測するために、フロントパイプの前方に、
A/FメーターのO2センサーを取り付けます。

有名でない話ですが、O2センサーは水分に弱いので、
水キレしやすい部分に装着するのが良いそうです。
フロアトンネル(トランスミッション横)に余裕があるので、
フロントパイプの真上(ミッションケース横の位置)に
センサ取付用ステンレスナットを溶接しました。

ちなみに、A/Fセンサーのキャリブレートは、
取付ける前に動作実験を兼ねて済ませてあります。

←マウスポイントするとサーモバンテージのない状態。

O2センサーは、ワイドバンドのリニア出力タイプ。
今や、そんなに高価なものでもありませんが、
熱による寿命短縮をなるべく回避するため、
センサーヒートシンクを介して取り付けしました。
でも、ヒートシンクが高いんだよなぁ。。。

←マウスポイントするとヒートシンクのみの状態。

フロントパイプを車両に取り付けた状態。

O2センサーのハーネスは、
フロアトンネルを通って、エンジンルームへ向かい、
排気温度センサーハーネスや純正O2センサーハーネスと
同じルートを通って助手席側バルクヘッドまで達します。

バッテリーの後ろ側バルクヘッド付近にて、
LC-1のインターフェースにカプラーオンします。

A/Fメーターとターボメーターの表示部を、
ステアリングコラム上に取り付けました。

純正のフュールメーターと水温計は、
ターボメーターの影になって見えません。
どうしても見たいときは、横から覗きます。

A/F計は薄っぺらいので、どこにでも貼り付けできますが、
通常通り、メーターパネルを使って取り付けました。
基本的にはノートPCにロギングしてチェックするので、
メーターとしての表示部分は参考程度に見えればOK。

シリンダーNo.1のインジェクタハーネスを加工しました。

インジェクタNo.1からカプラーを外し、
精密ドライバーを使ってカプラーから端子を引き抜きます。
青/赤のコードを途中で切断し、車両側配線は絶縁。
端子側にはe-manageからの配線を半田付けしました。
熱収縮チューブで絶縁対策をしたらカプラーに戻します。
これで、完全独立3系統のインジェクタ回路が完成。
シーケンシャルI/Jが可能になります。
ECUの制御信号は2系統のままe-manageに送るので、
リミッター関係は純正同等に駆動するはずです。
また、噴射タイミングをe-manageで制御しなければ、
純正同等の同時噴射制御になるだけなので、
うまく設定できなくても、慌てなくてOKです。

車内の配線作業開始!

インジェクタNo.1、A/Fメーター、ターボメーターの、
各ハーネスを、バッテリー後部のグロメット部より、
バルクヘッドを貫通して車内に引き通しますが、
既にオーディオ用の電源とかアーシングとかがあるので、
この作業は非常に困難を極めます(*_*)

助手席足元は、まさにごちゃごちゃ(;^_^A アセアセ・・・
e-manage ULTIMATE 、ETC、増設シガーソケットなどの、
様々なハーネス類が、これでもかっ!ってくらいに、
混雑してしまいました。。。まとまるんだろうか。。。

禁断のECU加工。

スズキスポーツN2コンピュータの基板上から、
ECM~イグナイタ間の点火信号を取出加工しました。
これで思う存分、点火時期が補正できます。

様々な理由により加工情報は非公開とします。

苦労してしまいましたが、一応、配線をまとめました。

まずはノートPCで初期設定です。
一番近いエンジン形式であるK6Aとして設定を進めます。

粗方の設定ができたらエンジンスタート。
最初だけちょっとぐずりましたが普通のアイドリングです。

基本設定以外は何もしない状態で走ってみました。
致命的な不具合もなく、普通に走行できます。

e-manage ULTIMATE の本体を設置しました。

ベニヤとフェイクレザーを使ってボードを製作し、
助手席の背面のバルクヘッドに設置。

下にはオーディオアンプを、上にはe-manageを固定。

配線は非常に綺麗にまとまりました。

現時点での配線関係のマイナートラブル。

N+(クランク角)の信号を回転信号入力に接続した場合、
MAPトレースは動いても、ロギングができません。
IG(イグニッションコイル)を取込んでみましたが、
高回転域のログがノイズでひどい状態です。
結局、エアコンハーネスから、
ノイズフィルタ通過後の回転信号を取り込んでみました。

あと、やばいのは、インバーターがちゃんと動かないこと。
バッテリーそろそろ寿命で電圧が低いせいかも。(爆)

2006.05 初期設定~パラメータセッティング

『パラメータ設定~車両』

ver.1.14から、エンジン形式にF6Aが追加されました。
正式に適用エンジンになったんです。\(^O^)/ヤッター

確かに、そのままエンジン始動できますが、それだけ。
回転数認識方法の初期設定が『クランク角』なのですが、
車両側のN+(クランク角)では回転数が認識できません。
回転信号はノイズフィルター後のエアコンハーネスから
分岐して取り出しましたが、一番安定する回転数認識は、
『点火信号』を選択すること、でした。
ECU加工による点火信号入力が効いていますね。

『パラメータ設定~CH設定』

水温と吸気温のロギングデータが(;¬_¬) ぁ ゃι ぃ
初期設定のままだと、常に-20℃を表示します。

コレでは全く使い物にならないので、
近似値を表示できるセンサー形式を選択しました。
水温が『TY_WT-1』、吸気温が『TY_AT-1』です。

あくまでも近似値でしかないのかもしれませんが、
ロギングのためだけなので、さほど問題ありません。
抵抗でも割り込ませればいいのかもしれませんが、
どうしても必要に迫られたら試すことにします。

『パラメータ設定~ フロントパネル』

OPTION1端子には、ワーニングターボメーターの
センサーハーネスを分岐加工して接続しました。

OPTION2端子には、A/F計を接続しました。
A/F計の機種を選択するドロップダウンメニューには、
INNOVATE社製がないので、どれでもOK?
(NGK AF BOOST を選択しました。)
大事なのはその右側の二つの欄です。
右から2番目の欄には信号電圧が0Vの時のA/F値を、
一番右の欄には5V時のA/F値を、各々入力しました。

どちらも何の問題もなく、綺麗に認識できています。

『パラメータ設定~I/J』

どうしてもやってみたかった、シーケンシャルI/Jですが
ECUの学習機能をもってしても、アイドリングが不安定。
噴射タイミングと噴射量について、各々個別に、
且つ細かに設定する必要があるんでしょうが、
タイミングを細かに制御する機能はありません。
と言うわけで、しばらく封印します。

そもそも、低回転域のクリーンな燃焼の技術であって、
高回転では、インテークバルブが開いている時間より、
インジェクタの噴射時間のほうが長いわけだから、
同時噴射でも特段問題はないわけです。<負け惜しみ

『パラメータ設定~点火』

エンジン形式欄でF6Aを選択した場合、点火設定は無し。
今回は、ECUを加工して点火信号を取り出したので、
点火補正MAPが使えるようになります。

所詮、デストリビュータによるイグニッション形式ですので、
入力も出力もCH数は1。
ダイレクトイグニッションにでも変更しない限り、
気筒別設定とかは不可能ですが、
点火時期を補正できるだけマシと考えます。

2006.06 車検用触媒装着&アクチュエーター交換に伴い・・・

2速の全開加速でロギングしてみました。
赤:エンジン回転数、白:I/J噴射率、灰:I/J噴射時間、
青:GReddy圧力センサ、黄:A/F、橙:車速、です。

4600rpmで50km/h、ブースト圧は1.1kg/cm2に達します。
触媒後のA/Fが10.2なので薄めることはできそうですが、
この時点で既にI/J噴射率が100%!!??。
データにいくらかの誤差があるとしてもなぁ。。。
現在、インジェクタはスズスポの295cc/minなのですが、
もっと大容量のものに交換しないと、
これ以上の領域がセッティングできません。

まさにトライ&エラー。。。遅々として進みませんねぇ。。。

大容量インジェクタ をヤフオクで入手しました。
出品者の情報では320cc/minらしいです。
樹脂部分に、23250-46010、1F17という表示があります。

SARDの327cc/minがDENSO製だということと、
DENSOの195500-2150が330cc/minらしいということが、
情報としてありますが、2つは同じものかもしれません。

ログをとってみれば、正確な吐出量がわかるかなぁ~?
でも、それ自体はあまり意味はありません。
なぜなら、フィードバックやロギングを駆使して、
マップで増減してしまうからです。

インジェクタを入れ替えてみましたが、失敗です。

通常走行は可能ですがCO調整がR6しか合いません。
これは基本噴射が一番濃い状態であることを示してます。
それに、ブースト0.9kg/cm2での全開加速中のA/Fが、
12~13程度となり、希薄燃焼状態です。
インジェクタの吐出量が、本当はもっと小さいのか、
あるいは噴射制御がスズスポN2と合っていないのか、
定かではありませんが、
全開加速時の5800rpmに、失火のような症状がでます。

結局、スズキスポーツのN2ECU付属の、
DENSO製の水色295cc/minを再度装着してみます。

2006.06 ココまでの段階での、セッティングレポートです。

まず、インジェクタをスズスポの295ccに戻しました。
CO調整レジスタとかアイドリングとかの基本設定戻し、
計算上、147.5psまではいけるはずやし。。。

やはり、スズスポインジェクタだと快適に動きます。
というか、A/Fやレジスタの設定を考えるに、
320ccと言われて買ったインジェクタは、
260ccくらいしかない気がする。
後から気づいたことだけど、リミッタ現象については、
補正をかけたことで、うまく動かなかったのであって、
このインジェクタが悪いわけではなかった気がする。
容量が足りなければ意味ないけどね。
不必要なもの、買っちゃったかな~?。

さて、出撃。

パーキング2ヶ所間で往復できる上り坂を探し、某国道を北上していきますが、なかなかありません。
対向車がパッシングしてくるので、何かあると思っていると、レーダーがけたたましく鳴り響きます。
いやぁ~ん、パンダ発見!!でかい図体で、こっちを向いて隠れております。
あぶねあぶね。

そのちょっと向こうで、3速レッドまでスピードを出せるいいトコ発見♪

サイレンサーを外して、まずは軽く一往復、今まで遅いと思ってたHT07が化けました、速い速い。
サイレンサー有り無しの差が、RHB31FWのときと明らかに違って、20psくらいのパワー差を感じます。
これだけ違うなら、HT07でパワーがでない人の大多数は、排気効率が悪いんじゃないだろうか。。。

次に、EVCのセッティングを開始。
説明書どおりにオールリセットをし、何の問題もなくEVCの初期学習が完了します。
アクチュエーターを調整しておいたので、EVCが電源OFFで0.90kg/cm2、公道上で不満ない速さです。
EVCのLOW設定を1.00kg/cm2にして、実験走行。オフセット値も微調整しました。
強化アクチュエーターなのに排圧に負けてる様子で、3速レッドまで廻すと徐々に上がってしまって、
ピーク値は1.15kg/cm2くらいまで達しますが、この状態で、排気温度は880度、A/Fは11を切る位で、
ノッキングの兆候もなく、スズスポRHB31より充分に速いです。

これ以上、パワーいらんかも?って思ったけど、一応、EVCのHIGH設定を1.10kg/cm2にしてみました。
速い速い、でも、排気温度は950度、A/F10台。
ノッキングの兆候はないから、排気温度計の数字が怪しいけど、
壊しても意味ないので、この設定を使うのはとりあえず止めておきましょう。

さぁ、いよいよe-manageのセッティングを開始します。
インジェクタ補正MAP2と、A/FフィードバックMAPをON。
0.90kg/cm2の目標空燃費比を10.5にし、それより上はもっと濃くして、ちゃんと動作するかどうかの実験。
2速3速で全開加速、停止してMAPを見ると、ほとんどの領域は0のままだけど、
4000rpm付近で-12%、7000rpm付近が+2%に自動補正されていた。
-12%って怖いけど、機能としては使えます。( ̄ー ̄)ニヤリッ
エンジン回転グラフがより急上昇するように目標A/Fを詰めていけば、
自動的にインジェクタ補正MAPが出来上がっちゃうんだからね。

I/J補正MAP2のデータをMAP2へコピペして、MAP1をON。
今度はフィードバックなしで走ってみます。
すると、5800rpm付近でリミッターにあたったような、
症状になってしまいました。。。

設定をいろいろやってみたけど、補正MAPを使っていて、
アクセル全開だと同じ症状になってしまいます。

ログを見る限り、F6A+青マネの皆さんのような、
回転信号ノイズが原因ではない気がします。
エアフロ電圧上限によるフェイルセーフ機能かなぁ~?

『高負荷でのミスファイヤは点火系トラブル?』
というセオリーも地味に対処しつつ、
じっくり原因究明を進めています。

実は、エアフロコンバーターを使っていたときも同じ症状が出ていました。

にしても、この仕様、スズスポRHB31FWより、かなり速いと思う。
4速以上は実験してないけど、スズスポN2ECUのまま、ブースト1.0kg/cm2の設定で走れちゃいます。
サーキットはセッティングを煮詰めないと無理かもしれないけど、ジムカーナイベントは、出られますね。

RHB31FW(A/R=9)の1.3kg/cm2の風量より、HT07(A/R=9)の1.0kg/cm2の風量のほうが大きいみたい。
パワーなんてガソリン量で決まるわけだし、大きなタービンに交換して吐出量が同じであれば、
燃調を薄めたのと同じであってパワーは出るはずであって、あとは足りてるかどうかの問題。

このままではe-manageはただのデータロギングユニットでしかないけど、
症状への対策は、いくつか考えているものがあるし、じっくり考えつつ、徐々にパワーアップしていこう。

もし、ブースト1.30kg/cm2のセッティングが煮詰められたとしたら、化け物みたいな加速ができそうです。

2006.06 なかなかうまくいかないので、次の対策です。

車内でのセッティングにはモバイルPCを使用しますが、
カプチーノはとても狭く、12.1インチでは不自由でした。
身内で『HP Compaq』を下取りしてもらって買い替え。

『Panasonic Let's Note Light R5』

CF-R5KW4AXRという店頭販売用個人ユーザモデル
光学ドライブはないけど、必要にして充分なスペックです。
Windows XP Professional Service Pack 2 ,
10.4inch TFT XGA , DDR2 SDRAM 512MB ,
Core Solo 超低電圧版 U1300(1.06GHz)
Ultra ATA-100 60GB , Wireless LAN , USB2.0 ,
SD Memory Card Slot , PC Card Slot

『DRY BATTERY D-COM』

数年使っているバッテリーの電圧がやばい・・・かも?

ならばいっそのこと、軽量化と小型化を実現しちゃいます。
5時間率容量が18.7Ahで、決して大容量ではありません。

特に問題なく使用できています。

とっくに寿命を過ぎていると思われる純正点火系パーツ
(デスビキャップ、ローター、カバー)を新品に交換し、
プラグコードも新品(ULTRAシリコンパワー)へ交換、
プラグ(IRIMAC9)はワイヤブラシで清掃後、
プラグギャップを0.9mmに調整しました。

同時にe-manage ULTIMATE でブーストリミッターカット。
エアフロ電圧(圧力センサ)出力のクランプ値(上限)を、
全域4.40Vに設定してみました。

なんと、5800rpmのリミッタ現象はなくなりました。

I/Jマップは4500rpm以上の正圧領域を増量しています。

2006.06 状況は徐々に好転しています。次の実験です。

『SUZUKI純正AT車用スロットルポジションセンサ』

全開全閉スイッチでしかないF6A(MT)のセンサを、
AT車用のスロットルポジションセンサに交換します。

これは4芯(純正は3芯)でリニア出力がありますので、
この信号を e-manage ULTIMATE に送ると、
スロットル開度に応じた細やかな補正が可能になります。

とはいえ、そう簡単につくはずもなく。。。

左が、リニア出力のあるAT車用スロポジセンサで、
右が、全開全閉スイッチでしかない純正センサです。

左は4芯で、右は3芯。

実は、AT用リニアセンサは全開出力がありません。
全閉端子についてもそのままでは信号線として使えず、
単純にECUのIDL(アイドル信号)に接続しても、
アイドリング制御としては全く意味がありません。

これが一番の問題で、ポン付けできない理由です。
普通ならこの時点で諦めるんでしょうなぁ~。。。

まずはセンサを交換します。

AT用リニアセンサをスロットルボディから外した状態です。

スロットルの軸が見えます。
全閉状態で、切り欠きが真下を向いています。

純正センサをスロットルボディから外した状態です。

同様にスロットルの軸が見えますが、
全閉状態で、切り欠きが斜め後方を向いています。

これも、もうひとつのポン付けできない理由です。

角度の違いを修正するために考え抜いた結果、
スペーサーを挟める作戦を取りました。

材料は、加工のしやすさからアルミt=1.0にしました。
リニアセンサ固定メネジはナットリベッターで作りました。

角度がしっかり測定できれば長穴の必要はありません。
(センサ取り付け部が元々長穴であるため)
現物あわせで角度を決めたため、そうなっています。

ちなみに、純正センサとリニアセンサでは、
取り付けボルトのPCDがわずかに違います。

いよいよ、スペーサーをスロットルボディーへ固定します。

センサの微調整を可能にするために、
出っ張りの少ない皿ビスを使用しました。

あまりカッコよくないですね。。。

スペーサーにリニアセンサを固定。

リニアセンサ本体があちこちに干渉するので、
穴が開かない程度に、各部を微妙に削っています。

取付け角は、サービスマニュアル通りに、
スロットルレバーとバルブストップスクリュの間に、
0.5mmのシックネスゲージを挟んで、
スロットルバルブ開度が1.5°の状態を作り出し、
ココで全閉スイッチの切り替え角度になるように固定。

とりあえず考えたとおりに配線してみましたが・・・

先日、中途半端な状態でバトアタに参加しましたが、
全開全閉スイッチのない状態だったみたい・・・。

そんな不完全な状態で、満足できるリザルトは無理。
だって、エンジンパワーが全然なかったんだもん。
(スズスポN2ECUの加速マップを使っていない状態)

←某HPより、勝手に画像を拝借m(_ _)m

やむなく、全開全閉信号をN2ECUに送るユニットを作成。

←FactoryRyoオリジナル全開全閉信号コントローラ

( ̄ー ̄)ニヤリッ

詳細は企業秘密です♪ < 企業じゃねぇって(笑)

すべてのデバイスがやっとの思いで組みあがった!
と言うのに。。。
同日、2006年前半戦のジムカーナイベントが終了。
..・ヾ(。><)シ ぎょぇぇぇ

2006.06 3000rpm付近と4600rpm付近で起こる失火対策完了?

エンジン回転数は点火信号で認識しているので、
回転信号線とクランク角信号線が不要ですから、
この2本の線を e-manage に接続するのをやめました。
これで失火現象は極々わずかになりました。

同時にシーケンシャル噴射は諦めました。
ま、元々カム角信号がないから無理だったかもしれんし。

←『e-manage ULTIMATE 点火信号アダプタ2』

最後の手段?ところがこれが効果テキメン?
もしかすると、失火現象とオサラバできたかもしれません。

2006.07 後半戦に向けて、セッティングの日々の始まりです。

現在抱えている問題

1.完全暖気時の電圧が低く、バッテリーもあがりやすい。
  →デバイスの電源供給方法の再検討が必要。
  →バッテリー容量の問題?
  →アイドリングが低すぎる(850rpm)。
2.A/Fメーターがエラーコードを表示する機会が多い。
  →アース不良?
3.A/Fメーター外部出力値がおかしいことがある。
  →アース不良?
4.点火時期補正を掛けると、タコメーターの表示が変。
  →タコメーターのコントロール信号を別からひろう?
5.点火時期補正を掛けると、3~4000rpmで不安定。
  →これはどうにもならないかも。。。

ASL砂川でジムカーナ練習会をしてきたけど、
その結果がコレだよ。。。全然吹けないと思ったんだ。

多分、不必要なブーストリミッタ設定のせいだと思うけど、
スロポジセンサを純正に戻してみることにしました。

更に、ドライバッテリーの容量不足を感じていたところに、
強制的に充電したりしたものから、筐体が膨らみました。
もう使えないじゃん。。。(・_・、

とりあえず、バッテリーも普通のに戻してみました。

2006.07 少し前進しました。

イグニッションコイルを交換してみました。
選択したのは、高回転で有利な閉磁型。
和光テクニカル SUPER Z COIL C-90 です。

あれほど悩んでいた点火時期補正時の失火症状が、
まるで魔法のように、1/10くらいに減りました。
残る失火症状は、ほんのちょっとです。

アルミ板t=1.0で遮熱板を作りました。
コレがなかったら、あっという間に劣化するかと。。。

サイレンサーがついたまま、ブースト0.9kg/cm2まで、
加速してみると、プラグの焼け具合はこんな状態。
まぁまぁでしょうかね?

バッテリーがあがりやすい原因は、圧力センサーでした。
ターボメーターの圧力センサー配線を分岐して、
e-manage ULTIMATEに信号を送っているのですが、
3本の配線のうち、真中の5V電源を共用するのをやめ、
センサー電圧とアースだけを共用すると、
キーOFF時の消費電力が減りました。逆流してたみたい。

スロポジセンサーはリニア式を再装着しました。

2006.10.06 ココまでの段階での、セッティングレポートです。

気温が30℃を超えているのが気になりますが、<オィ。。。。
さて、出撃。前回もセッティングに使った某国道です。

点火補正MAPで0.5~1.5度進角、I/J補正マップで5~15%増量した程度の超暫定状態で、
ブースト設定は1.00kg/cm2、サイレンサーを外して、まずは軽くデータ確認。

クルマを停止してロギングデータを確認すると、A/F=8.5~9.5、えらく濃いです。
お約束どおり、ブースト設定は1.00kg/cm2のまま、徐々に徐々にI/J補正値を絞っていきますが、
ややもすると減量領域に入ってしまいそうな勢いです。。。(◎-◎)

このデータは、ブースト設定1.30kg/cm2で、ギヤは3速。
かなり急な上り坂を5000~7500rpmまで回したログです。

上から、青=ストッロル開度、白=ブースト、緑=車速、
赤=エンジン回転数、黒=点火時期補正値、
紫=I/J開弁時間、黄=A/F、です。

A/Fが波打っているのは、A/F計のシステムアースを、
ECUに戻さず、ボディーアースしたせいだと思います。
本来はe-manageと同じアースにしなければなりません。

点火ノイズらしきものがチラリチラリと入っていますが、
体感的にはほとんど無視できるレベルで、
ロードノイズのほうが大きいです。

この日はあまり時間がなかったし、暑かったので、ほとんど煮詰めることはできませんでした。

I/J補正MAPのみを変更したのですが、最終データはこのグラフの状態で、排気温度は820~920℃。
平均ブースト1.20kg/cm2領域の補正値が+4~8%くらいで、A/Fは平均9.2です。
このくらいの領域ならば、目標A/F値は10.5~11.0くらいにしたいところなのですが、
計算してみると、I/J補正値をなんと、-4.5~-14.5%くらいにしなければならないはず。。。

えぇ~?フルブースト域で、そんなに減量ですかぁ?

要するにどうなのかといいますと、気温が高いので参考にならなかった可能性や、
A/F計のキャリブレーションがうまくいってなくて、表示が濃く出ている可能性は否定できませんが、
エンジンの回り方がとてももっさりしているので、強ち間違っていないのかもしれません。

思うに・・・
もちろんリレーは介しているけどバッテリーは直結の高流量フュールポンプ(コレクタータンク内、S15用)、
エスクード用フュールレギュレーター、DENSO製295cc/minのインジェクター、という燃料供給条件は、
かなりの噴射ができるようです。もしかしたら320cc/min以上、吐出できているかもしれません。
そういえば確かに、コレクタータンクをつけて以来、エンジンが吹けなくなった気がしてました。

I/J補正MAPのほとんどの領域で減量設定しないといけないかもしれませんが、
燃料の霧化の面で大きな吐出量のインジェクターより有利だし、減量してこそULTIMATEの価値がある。
排気温度を見張りながら、インジェクター補正MAPをもっともっと絞っていく必要がありそうです。

2006.10.31 大事件です

今シーズンのエンジン不調の原因が、
すっかりe-manageのせいだと思いこんでいたために、
遅々として進まなかったわけですが、ついに原因が発覚。

なんと、クランクプーリーの緩みを最初の原因として、
クランクシャフトとタイミングベルトプーリーの間にある、
キーが変形し、プーリーが約8.5°遅角方向にズレ(*_*)
バルブタイミングも点火時期も遅れていたわけです。

かなりの大事で費用も時間もたっぷりかかりましたが、
エンジンを壊さなかったのが不幸中の幸いです。

コレを治したら、トルク感がしっかりと戻ってきました。

2006.10 ところで、本体ロガーって・・・

タイムアタック中のデータを見たいのですが、
モバイルPCでロギングするのはとっても危険です。

e-manage ULTIMATE には、本体ロガー機能があります。
モバイルPCによるデーターロガーに比べると、
ロギングできる信号の数は減りますが、
短い時間のセッティングには不便はありません。

SWITCH端子に接続する本体ロガースイッチを作りました。
ミニステレオプラグの延長コードを買ってきて、
3芯のうちの2芯をプッシュスイッチにつなぐだけ。
簡単です。

このデータは、ブースト設定1.35kg/cm2で、ギヤは2速。
ジムカーナ場を5500~7780rpmまで回したログです。
2速だからなのか、ブーストがやや低いですね。
上から、青=ストッロル開度、白=ブースト、緑=車速、
赤=エンジン回転数、黒=点火時期補正値、
紫=I/J開弁時間、黄=A/F、です。
A/F計のシステムアースをつなぎ変えてみましたが、
ノイズは完全にはなくなりませんでした。
センサーの配線がIGコイルの側を通っているからかな?
もっと減らさないと、目標値フィードバックができません。

にしても、エンジン回転はもっさりしています。
e-manage ULTIMATE って、点火時期補正を掛けると、
イニシャル点火時期が遅れるんじゃないだろうか。。。

2006.10.31 今期のモータースポーツシーズンが、ほぼ終わっちゃいましたが・・・

クラッチが滑ってアッシー交換しましたが、
今期の一連のメカニカルトラブルが治ったら、
失火症状も、A/Fログのノイズも、どこへやら・・・

いよいよ本調子、お待ちかねの本題に戻ります。

e-manage ULTIMATE のソフトウェアが、久々に更新。
期待度満点のver.2.0が公開されました。

大基本として、
エンジンが掛かるまで各機能の補正が掛からないように、
修正された結果、エンジン始動性が向上しました。
コレと同時に、

『パラメータ設定~CH設定』


水温入力で、
エンジンストール防止設定がONになる温度を、
任意に設定できるようになりました。

この機能は現在使っていないので、
暫定的に、-20.0℃に設定しています。

『パラメータ設定~フロントパネル』

OPTION1及び2で、
A/F計のセンサーメーカードロップダウンリストに、
INNOVATEが追加され、正式対応しました。
キッチリ認識できています。

DIP SWITCH では、
MAP SELECT で選択した全てのMAPの中から、
任意の4つを割り当てることができるようになりました。

『パラメータ設定~I/J』

メインI/J制御や追加I/J制御に使用していないCHは、
リレー制御スイッチとして使用できます。

CH-A はリレーワーニング制御機能に割り当てて、
インタークーラースプレーをコントロールします。

『パラメータ設定~フロントパネル』

任意の回転数と圧力を満たしたときに噴射します。
リレー回路の大元にメインスイッチを設けているので、
通常走行時はOFFに出来ます。

『パラメータ設定~I/J』

リレー制御スイッチとして使用できる予備CHですが、
今までの、水温・吸気温・ワーニング、の3種類の他に、
燃料ポンプ制御機能が追加されました。

CH-B を燃料ポンプ制御機能に割り当てて、
コレクタータンクの燃料ポンプを制御させました。
キーON後3秒間はポンプが駆動し、その後は一旦停止、
エンジン回転中はかぶり復帰機能作動時以外駆動。
純正ポンプ並みに完全制御できるようになりました。

新機能 『データ取りMAP』

A/F値、エアフロ入力値、のどちらかをMAP化できます。

走行するだけで現状のA/F値をMAP化してくれるので、
あとはコレをA/Fフィードバック目標値MAPにコピペして、
薄く、あるいは濃く、と、簡単セッティング可能。
一定レベルまでのセッティングが、スピードアップします。

エアフロ入力値をMAP化する機能は、
LジェトロをDジェトロ(エアフロレス)にする場合に、
便利な機能だと思います。

『パラメータ設定~MAP SELECT』

今までも豊富だったMAPですが、
水温点火補正設定吸気温点火補正設定が追加。

コレだけたくさんのパラメータがセッティングできるのは、
大変魅力ですが、どこまで使いこなせるかが問題。
今のとこ、チェックしている6つのMAPだけです。

今回のソフトウェアバージョンアップでは、上記以外にも、
新機能、機能追加、機能補正、がたくさん行われ、
以前にも増して多機能なデバイスになったと思います。

まだまだ続くけど、そろそろ冬篭りです(;^_^A アセアセ・・・
と思ったら、しっかりミッションブローで粉々(爆)
詳細はこちらへ → 
Misson3

2007.5.22 モータースポーツシーズンが開幕したよっ!

開幕戦のK-CAR Festival R1、練習なしのぶっつけ本番。
イエチーノに見事に1秒負けて2007年がスタート!
尚、イエチーノは翌々週、タービンブローしました。(T_T)

これは、平らな国道を4700~6300rpmまで回したログ。
ギヤは3速で、ブースト設定は1.00kg/cm2だけど、
サイレンサー装着状態なので実際には0.80kg/cm2
青=ストッロル開度、白=ブースト、緑=車速、
赤=エンジン回転数、黒=点火時期補正値、
紫=I/J開弁率、黄=A/F、です。

点火時期を進めて立ち上がりのトルクを増やす作戦です。
この領域だと、IC補正値+4程度、点火時期補正値+3度。
A/Fは11.5~10.5くらいだから、ちょっと濃いかな。

2007.8.4 夏休み直前セッティング

セッティングに出かけてきました。
今回のテーマは、点火時期マップを固定して、
A/Fと排気温度をにらみつつ、I/J噴射量を絞ることです。

点火時期MAPの設定は、回転上昇の速さを重視して、
4000rpm・+0.6kg/cm2をピークとして4度進角させ、
加速域はだいたい2~3度進角させている状態。
排気温度が低く、パワーがあって、良い感じです。

排気温度に余裕があり、A/Fも濃いため、
どんどんI/J補正MAPを絞っていきます。
色々設定を繰り返してやってわかってきたのですが、
I/J補正値を減量方向に設定すると、失火します。
I/J容量で設定しても、I/Jマップで設定しても同じです。
結果としてI/J補正値は、なんと全域±0!!<オィオィ
もっと絞りたいけど、そこそこ速いので妥協しておきます。

A/Fのログが、かなりギザギザな状態ですが、
実際にはほとんど失火している感じはしません。
単にA/Fメーターの出力が安定していない様子です。
これではA/Fフィードバック目標値MAPが使えません。
何とかしたいところです。

2007.8.4 夏休み直前

ノイズのせいなのか、時折失火現象がありました。

ECU加工による点火時期補正が問題かと思い、
点火線にフェライトコアを装着してノイズ対策しましたが、
ほとんど関係ない様子です。(つд∩) ウエーン

2007.8.26 ジムカーナ練習会でセッティング

A/Fメーター『LC-1』の出力が安定しなかったり、
頻繁に『E-8』表示(TimingError)になっていたのですが、
1.10のベータファームウェアに更新したら、安定しました。
リンクを張っておきますね。→lc1v110b.dld

さて、残暑厳しいオートスポーツランド砂川で、
ジムカーナ練習会をやってきました。
本体だけでもログが取れるe-manageサマサマです。

A/Fを見ながら、点火時期を少しずつ進めていきます。
中回転域は、4000rpm、0.6kg/cm2で4.0度進角し、
高回転域は、10000rom、0.6kg/cm2で7.0度進角、
後はなだらかにつなげていきます。

スタートしてすぐの直線を、3速で加速したログです。

アクセルオフした瞬間のデータが、
104km/h、6341rpm、A/F=9.9、1.15kg/cm2
ただし、ブースト圧のログに関しては、
メーターのセンサーから信号を分岐しているからなのか、
メーターよりも、0.2kg/cm2ほど低くロギングされます。
実際には、1.35kg/cm2掛かっていることになります。
このあたりの中回転域は、A/Fはもっと薄くても良さそう。
高回転域はもっと点火時期を進めてみたいです。

尚、これでI/J噴射率がたった74.6% φ(□□ヘ)ナニナニ?
そもそも燃圧を掛け過ぎなのかも知れませんね。

2007.9.29 点火信号アダプタ

失火現象対策として使用しているつもりだった、
←『e-manage ULTIMATE 点火信号アダプタ2』

ある時点に戻って考えてみると、
トラブルの原因はタイベルプーリーのズレだったわけで、
このパーツがついている意味がわからなくなっています。
そこで外してみました。その結果はっ!?
あってもなくても、何にも変わらん・・・(爆)
パラメータ設定のI/Jサイズ、あるいはI/J補正MAPで、
減量側に設定すると、スロットル全開時に失火します。

更に研究を続けます。。。

2007.11 擬似トラクションコントロール(ローンチスタート)の設定

トランスミッション

点火カット設定の状況です。


スタート回転数>>>5500rpmに設定。

通常回転数>>>9800rpmに設定。

スロットル開度>>>50%以上設定。

車速パルス数>>>20に設定。

車速パルスがゼロ、且つ、スロットル50%以上の時、5500rpmを上限として点火がカットされます。
5500rpmに達すると点火を間引くので、5500rpmを上限としてレブハンチングします。

未燃焼ガスが排気されるので、マフラー出口ではパンパンと爆発音が発生します。
この未燃焼ガスをエキマニで爆発させることができれば、WRCカーのミスファイヤリングのように、
EVCで設定しているブースト圧が掛かるわけですが、そこまで完全にはできていません。
ただ、ログを見ると、停止状態で0.5kg/cm2程度、車速パルスが検出される瞬間には1.0kg/cm2程度の、
軽いブーストが掛かっていますので、スタートダッシュとしての加速はそこそこ良いです。

クラッチミートするとタイヤが回り始め、車速パルスが20までは5500rpmのレブハンチング状態になります。
車速パルスを距離に換算するならば、1パルスは392.5mmなので、20パルスで7850mm分となります。
カプチーノのタイヤ円周を1790mmと仮定すると、4.38回転分だけ、出力制限する、というしくみです。
20パルスを検出した後は、通常回転数設定の9800rpmが上限となります。

コレを、その時のタイヤグリップによって調整すれば、擬似トラクションコントロールとして使用できます。
待機時にアクセル全開にし、そのままクラッチをドン!と繋ぐだけで、滑らかにスタートできます。

ところが、2007.10.28にミッションこわしちゃった(またかよっ!)んだけど、その原因かもしれないんです。
レブリミッターによるロケットスタートが、インプット&カウンターシャフトに負担を掛けていた可能性です。

OS技研のクラッチって、ダンパースプリングがないのもよくなかったんだろうナァ・・・・・。
クラッチは滑らかにミートしましょう。。。。・゚゚・(>_<)・゚゚・。

2008.4.20 エキマニ交換&排気温度計交換に伴い・・・

やっとの思いでハードウェアが組みあがったので、
まずは慣らしのために200kmくらい走ってきました。
天気の良い日曜日の午後だったので、
バイクがたくさん走っていました。

これはマフラーにインナーサイレンサーがついたまま、
かなり急な坂道を3速でのぼったログ。
尚、e-manage ULTIMATE のソフトウェアはver.2.16

目論見通り、排気温度のログが取れるようになりました。
(*^^)//。・:*:・゚'★,。・:*:♪・゚'☆ パチパチ

で、このまま来週ジムカーナ、と・・・(;^_^A アセアセ・・・

2008.5.5 砂川練習会にて

『イエチーノのスタートダッシュ、速いナァ~♪』
な~んて、のんきなことを言っる場合ではありません。

エキマニ交換後、なんだか中域の加速力が鈍い。
A/Fとしてはさほど薄いわけでもないのですが、
トルク感がかなり乏しい感じがしていました。

そこで、2800回転以上の領域を軽く増量してみました。
たった5%程度以下の増量ですが、かなり良くなりました。

燃調でこれほど差が出るエキマニって、凄いかも。。。
ポン付けでは性能を発揮しきれない、ってことだもんね。

尚、2008年シーズンから、
e-manage ULTIMATE のソフトウェアはver.2.16です。

2008.6.8 某所にて

1日まるごと自由な時間ができたので、
某所へセッティングに行ってきました。

←このような状態で走りまくります。

各種の追加メーター8個に、モバイルPC。
エンジンが壊れたときのために携帯は欠かませんが、
今回のセッティング場所は圏外でした。<ダメじゃん

今回は、エキマニを交換してから、
やっとはじめてまともなセッティングです。

I/J補正MAP1・2、点火補正MAP1、車速補正MAP、
A/Fフィードバック目標値MAP、データ取り用MAP、
今回は、上記5枚のMAPのスケールを変更しました。

縦軸には相対圧力値(kg/cm2)を選択しています。
以前は-1.0~+1.6くらいまでを割り振っていたのですが、
負圧領域は変更する必要がなくMAPの無駄遣いなので、
+0.00~+1.50までを均等に割り振りました。
以前の数値を、机上の計算(Excel)で割り振り、
新しいMAPに入力。。。コレがかなり大変だった。。。

また、I/J減量は失火症状が出る可能性があるので、
パラメータ設定のI/Jタブで、『増量』を選択しておきます。

まずはデータ取り用MAPを使って、現状のA/Fを記録。
1.0kg/cm2を越えたあたりからA/Fは10.0を切ります。
明らかに濃すぎだし、凹凸も大きいので、コレを踏まえ、
『A/Fフィードバック目標値MAP』を作っていきます。
1.3kg/cm2の4000~10000rpmを10.0とし、
0.7kg/cm2の4000rpmを11.9、10000rpmを10.9とし、
中間領域は『均等割付-4隅』で均します。
それ以外は『-』を入れておくとフィードバックしません。

A/Fフィードバックの使用MAPを『I/J補正MAP2』に設定、
3速にシフトして、実走行すると、
アクセル開度が設定の80%を超えた領域で、
I/J補正MAP2がどんどん書き換わっていきます。

書き換わった『I/J補正MAP2』を全面コピーして、
『I/J補正MAP1』に加算貼り付けして、
基本的なI/J補正MAPが出来上がりです。
減量ができないので、目標A/Fまでは届きません。
『I/J補正MAP2』の数値設定は再び全て0.0にします。

次に、『点火補正MAP1』を少しずつ進めていきます。
『I/J補正MAP2』にフィードバックをかけたままなので、
点火時期によってずれるはずのA/Fは、
目標値に向かって、I/J噴射量が自動調整されます。

コレを繰り返して、だいたいのデータは出来上がりです。
排気温度に余裕があるので、まだまだ行けます。

この日はマージンをかなり削ったと思うので、
このあたりでやめておきました。

速度やギヤ、上り下り、気温など、
色々な条件で走ってみて、まだ余裕がありそうなら、
更に詰めていきます。

帰り道、サイレンサーをつけて少し回してみると、
来る時よりも明らかにパワーがあります。
トルクを感じる前に、クルマが一歩前へ出て行く感じ。
いわゆる、軽く回る方向にセッティングできました。

2008.06.09 現在の状況~覚書です

デバイスが原因だと思われる、
現在抱えている問題
(ver.2.16では未確認)


1. I/J補正MAPで減量すると、
      失火のような症状が出る。

2. パラメータ設定でI/Jサイズを変更すると、
      失火のような症状が出る。
 

現時点で動作している機能


01. I/J補正MAPによる増量
02. 点火補正MAPによる進角遅角
03. 車速補正MAPによるI/J増量
04. A/Fフィードバック目標値MAPによる自動調整
05. NVCS設定を利用したインタークーラースプレー
06. 追加I/Jチャンネルを利用した追加燃料ポンプ制御
07. アナログ出力設定を利用したリニアTPS制御
08. 点火カット設定を利用したミスファイヤリングスタート
09. A/F・排気温度のロギング
10. SWITCH端子に接続した本体ロガースイッチ
 

将来実現したい機能


1. 点火時期のロギング
2. ノッキングレベルのロギング
3. シーケンシャルI/J(独立噴射)
4. 各種セッティング
 

2008.6.15 再び某所にて

先週に続き、1日まるごと自由な時間ができたので、某所へセッティングに行ってきました。

先週よりもA/Fフィードバック目標値MAPの設定領域を広げ、より実践的なA/Fに合わせたつもりです。
他には、I/J補正MAPの減量側や、加速I/J補正など、複数の実験もしてみました。
 

で、とうとう、禁断の『I/J補正MAP大公開』!
なぜそこまで踏みきったかというと・・・

装着パーツやハードウェア等のデバイスの違いにより、
恐らく、入墨カプチーノ以外には、全く参考にすら、ならないと思われるため。(笑)
公開しちゃっても別にいいか・・・っていうノリです。

なんとなく同じ仕様だから試してみようか?って思った人に忠告!

エンジン壊してもしらねぇ~よ?
というか、絶対にそのまま試してはいけません。(笑)


なぜ、試してみないほうがいいかというと・・・

点火補正MAPと組み合わせて使う、という前提でのMAPであり、目標A/Fだけであわせているし、
フュールポンプの関係もあって、普通のフュール系では、計算上10%以上燃料が足りません。
I/J補正MAP1だけを真似しても、排気温度は900度を軽々とオーバーするはず。

ピストン融けます。(^ー^)

というわけで、危険回避のためもあり、この時点での点火補正MAPは公開しないことにします。

前提条件として、このMAPの縦軸に使っている相対圧力値はメーター読みとはややズレがあって、
最大ブースト圧は1.45kg/cm2(メーター読み、及び、EVC設定)でセッティングを出しましたが、
MAP上で表示されるMAPトレースでは1.35(1.30~1.40)kg/cm2くらいの領域を読んでいるようです。
MAP上の1.40~1.50kg/cm2の領域は予想で数値を作っています。
ですから、このMAPのスケールなら、メーター読みで1.60kg/cm2まで制御できるはずです。

5200rpmの0.7~0.8kg/cm2(実際には0.8~0.9kg/cm2程度)の補正値と、
5200~7000rpmの1.2kg/cm2(実際には1.3kg/cm2程度)の補正値を見るとわかりますが、
常識的頭脳では入力できないような、ありえないほど大きな数字が入っていますが、
A/Fフィードバック目標値MAPで自動調整した後、データ取り用MAPでも確認し、
更になだらかに均してもこの結果ですので、誤差ではないようです。
I/J減量ができないので、目標A/Fまでは薄くできませんが、仕方のないところですね。
しかし、加速感はそれなりに満足できるレベルに仕上がってきましたので、まぁ良いかな、と思っています。

加速I/J補正MAP、加速点火補正MAP、気筒別I/J補正MAP、も試してみましたが、
現時点ではさほど優位性が感じられなかったので、使用は控えることにしました。
それにはセッティングをもっと詰めていかなければならないですね。

尚、8800rpm以上の領域はパワーの盛り上がりを感じられず、タダ回っているだけ、に近い状況なので、
スロットルとかカムとか、ハードウェアを変えていかねば、これ以上は望めない気がしてます。

2008.06.15 現在の状況~覚書です

デバイスが原因だと思われる、
現在抱えている問題
(ver.2.16で確認済み)


01.  I/J補正MAPで減量すると、
      失火のような症状が出る。
02. 車両側クランク角センサ(N+)の配線を、
        e-manageのクランク角配線(33)に接続すると、
        純正REVカウンター(タコメーター)が機能しない。
        エアコン配線からの回転信号線を使用しても同様。
03. シーケンシャルI/J(独立噴射)に設定すると、
        アクセルONの瞬間に吹け上がらない。
 

現時点(ver.2.16)で、
動作を確認している機能


01. I/J補正MAPによる増量
02. 点火補正MAPによる進角遅角
03. 車速補正MAPによるI/J増量
04. A/Fフィードバック目標値MAPによる自動調整
05. NVCS設定を利用したインタークーラースプレー
06. 追加I/Jチャンネルを利用した追加燃料ポンプ制御
07. アナログ出力設定を利用したリニアTPS制御
08. 点火カット設定を利用したミスファイヤリングスタート
09. A/F・排気温度のロギング
10. SWITCH端子に接続した本体ロガースイッチ
 

現時点(ver.2.16)で、
動作を確認済みだが、
使用していない機能


01. エアフロ補正MAP
02. 加速I/J補正MAP(増量側のみ)
03. 加速I点火補正MAP
04. 気筒別I/J補正MAP(増量側のみ)
05. 気筒別点火補正MAP
 

将来実現したい機能


01. 点火時期のロギング
02. ノッキングレベルのロギング
03. シーケンシャルI/J(独立噴射)機能
04. 各種セッティング
 

2008.6.18 机上にて

先日のセッティング結果としてのI/J補正MAP1に、イマイチ納得できないので、机上で変更してみました。

エンジンの回り方やパワーの出方的にはなんでもない、というか、体感的にかなり良好、とは言うものの、
ログをみるとI/J補正値がやたらギタギタの折れ線になっているわけで、どうも気持ちが悪いです。
I/J噴射率は最大でもまだ90%程度なので、全噴射まではまだ余裕があります。

そこで、5200rpmの0.7~0.8kg/cm2(実際には0.8~0.9kg/cm2程度)の補正値と、
5200~7000rpmの1.2kg/cm2(実際には1.3kg/cm2程度)の補正値を、周囲の領域を含めて均しました。

e-manage ULTIMATEのMAPからの出力は、単独のマスを読んで出力しているのではなく、
周囲の4マスから平均値を求める形で出力値を決定しているようなので、
任意のひとマスだけが突出した数値が入っているMAPは理想的ではありませんし、
出力(補正値)の推移を滑らかにしたほうが、制御も安定すると思います。

また、実走行でログが取れなかったMAP上の1.40~1.50kg/cm2の領域は、数値を入れなおしました。
スズキスポーツのN2ECUとはいえ、このハイブースト領域はMAPがないはずなので、
このMAPの1.20~1.30kg/cm2の数値を元に、増量した数値を予想で設定しました。

さぁ、実走行でどうなるか、乞うご期待♪

2008.6.22 毎度おなじみのセッティングコースにて

机上で作ったI/J補正MAP1を試してみましたが、思いのほか普通で特に不具合もありません。
慣れとは恐ろしいもので、先週はドキドキだったMAPが、既に心踊るものはなく。。。。

F6Aは、基本的にはA/Fを濃い目にしてトルクを出したほうが良さそうなエンジンなんですが、
『もっと薄めたらどうなるだろう?』、と余計な考えが・・・。
いきなりその場でA/Fフィードバック目標値MAPを打ち込みます。

縦軸のスケール(相対圧力値)は、ブーストメーターの読みより、0.1~0.2kg/cm2くらい低いので、
実質的には、1.7kg/cm2くらいまで対応できるMAPになっています。
他車種を基準に考えれば恐ろしく濃いA/Fでしょうが、コレでも入墨くん史上最も薄い目標値MAPです。
I/J減量すると失火するので、パラメータ設定で『増量』のみを選択して、走行開始。
ギヤを3速に固定したまま、2000rpmからあらゆるブースト圧で加速を繰り返すと、
どんどんI/J補正MAPが書き換えられていきます。フィードバックって便利で楽チン~♪

徐々にエンジンの回り方が軽くなっていき、あるところで変化しなくなったので、I/J補正MAPを確認します。
ところが、できていたのは驚愕のMAP!! なんとマイナスだらけだったんです。
どうせ減量はできないので、マイナス数値になっているところを0.0に打ち換えたのがこのMAP。

↑↑↑↑うわ~~~~、!!!  4マスが1.0で、後は全部0.0、ということは補正なし。
e-manage ULTIMATE がついてる意味ないじゃん!(いやいや点火時期が進んでるから無駄ではない。)

ロギングデータを見る限り排気温度的に危険はないし、体感的にはノッキングもまるっきり感じません。
軽く回る設定にはなっているので、スロットル全開での基本MAPとしては特に不満はないです。
目標とするA/Fまでは減量しなければ届かないけど、失火するから減量できない、ってのが悔しいです。
点火補正MAPも少々動かしてみたけど大きな変化はないので、基本MAPはコレでいきます。

というわけで、点火補正MAP1とI/J補正MAP1はこのままでひとまず固定し、
加速感は他のMAPで追加することにしました。 それが、この2つのMAP↓↓↓↓↓

加速I/J補正MAPと加速点火補正MAP。

縦軸スケールはスロットル開度変化率で、アクセルの踏み方が素早いほど下の値を読みに行きます。
元々全開全閉スイッチでしかないスロットルセンサーを、リニアセンサーに換えた効果が発揮されます。

瞬時に加速してほしくてスロットルを急に開けるときって、基本的には低回転のはずなので、
ブースト圧がインターセプトする4000rpmまでの領域のI/J噴射量をちょっと大げさに多くしてあります。

又、スロットル変化率がかなり大きいときのブーストの立ち上がりを期待するのとともに、
負荷が大きいときの安全性を考えて、点火時期はリタードする方向に設定しています。

想像だけで作ったこのMAPが、『お?おぉぉぉ~~~??』というほどに加速感がよい。。。
ちょっと、  m9( ̄ー ̄)ニヤリッ としてしまいます。

尚、MAPの値はあくまでも暫定(適当)なので、ケチケチせずに公開しました。これから詰めていきます。

2008.06.24 現在の状況~覚書です

デバイスが原因だと思われる、
現在抱えている問題
(ver.2.16で確認済み)


01.  I/J補正MAPで減量すると、
      失火のような症状が出る。
02. 車両側クランク角センサ(N+)の配線を、
        e-manageのクランク角配線(33)に接続すると、
        純正REVカウンター(タコメーター)が機能しない。
        エアコン配線からの回転信号線を使用しても同様。
03. シーケンシャルI/J(独立噴射)に設定すると、
        アクセルONの瞬間に吹け上がらない。
 

現時点(ver.2.16)で、
動作を確認している機能


01. I/J補正MAPによる増量
02. 加速I/J補正MAPによる増量
03. A/Fフィードバック目標値MAPによる自動調整
04. 車速補正MAPによるI/J増量
05. 点火補正MAPによる進角遅角
06. 加速点火補正MAPによる進角遅角
07. NVCS設定を利用したインタークーラースプレー
08. 追加I/Jチャンネルを利用した追加燃料ポンプ制御
09. アナログ出力設定を利用したリニアTPS制御
10. 点火カット設定を利用したミスファイヤリングスタート
11. A/F・排気温度のロギング
12. SWITCH端子に接続した本体ロガースイッチ
 

現時点(ver.2.16)で、
動作を確認済みだが、
使用していない機能


01. エアフロ補正MAP
02. 気筒別I/J補正MAP(増量側のみ)
03. 気筒別点火補正MAP
 

将来実現したい機能


01. 点火時期のロギング
02. ノッキングレベルのロギング
03. シーケンシャルI/J(独立噴射)機能
04. 各種セッティング
 

2008.8.3 念願の、I/J補正MAPによる減量成功

e-manage ULTIMATE のアップデートファイル、ver2.20が公開されました。
バージョン履歴を確認すると、恐らくF6Aの制御に関しては進歩はないはず、とは思いましたが、
念のため、TRUSTに電話で確認してみたところ、やはり思った通り、変更なし、の回答でした。
ただし、いくつか話した中で、ちょっと興味深い話を聞くことができました。それは・・・

『F6AのI/J信号はちょっと特殊で、入力信号の読み込み時にエラーを起こす可能性があり、
デフォルトの設定であるI/J信号の入力数=2よりは、1系統のほうが良い可能性がある。』 というもの。
ただし、使えそうなデータや実績は、TRUSTとしては一切持っていない、とのことでした。

入墨カプチーノは、当初、シーケンシャル噴射を目指していたことから、
純正ハーネスの2系統から分岐配線をつくり、3系統として入力していましたが、
入力を1系統とし、e-manage ULTIMATE の制御上で完全に同時噴射として設定してみることにしました。
尚、この実験では、配線は一切変更しておらず、パラメータの設定だけを変更してみました。

パラメータ設定画面のI/Jタブです。

入力CH数、今までは『3』だったものを『1』に変更、出力CH数は、『3』のままです。

CHごとのI/J設定表の中では、一番右端に噴射タイミングを決める欄があり、ここは『1-0』を選択します。
CH-1の噴射タイミングに対し、クランク角で0°遅れて噴射させる、という意味です。
3つのCH全てに『1-0』を入力することにより、CH-1のタイミングにあわせた全気筒同時噴射、となります。

何ヶ所かに減量数値を打ち込んで実験走行してみましたが、リミッター現象は起きませんでした。
長年の懸念であり、目標でもあった、I/J補正MAPによる減量設定の実現、の瞬間です。

前回作成したA/Fフィードバック目標値MAPをそのまま利用し、自動的にMAPを作ります。
ギヤを3速に固定したまま、2000rpmからあらゆるブースト圧で加速を繰り返すと、
I/J補正MAPがどんどん書き換えられていき、エンジンの回り方がどんどん軽くなっていきます。
できたのが上記のI/J補正MAP1、驚愕の減量数値です。
入墨カプチーノの燃料噴射能力がいかに高いかを確認する結果となりました。
もちろん、リミッター現象は皆無です♪

これは上記のI/J補正MAPを使用して走行したログで、白=GReddy圧力センサ、赤=エンジン回転数、
黄色=A/F、水色=I/J出力噴射率、紫=I/J補正MAP値、です。
I/J補正MAPはフィードバックで自動作成したままなので、値に凸凹があります。
そのため、紫=I/J補正MAP値がギザギザのグラフになっており、これは微修正が必要です。
A/Fがところどころ跳ね上がっている部分がありますが、路面変化がスロットル開度に影響する面もあり、
このグラフが絶対ではありませんが、I/J補正MAPの数値を均せば改善すると思います。

ここでちょっと余談。

F6AのI/Jハーネスは、純正で2系統となっています。
CH-1とCH-3(No.1とN0.2シリンダー)は#10(青/赤配線)で、リミッター制御をしています。
CH-2(No.3シリンダー)は#20(青配線)で、リミッターが掛かりません。
コレを悪用(笑)すると、一体どうなるでしょう?
e-manage ULTIMATE のCH-1入力ハーネスに#20(青配線)を接続し、#10(青/赤配線)のECU側は絶縁。
I/J出力は、e-manage ULTIMATE から3系統接続します。
上記の様にパラメータ設定を行えば、リミッターのない信号でインジェクタを制御することになるので、
スピードリミッター、ブーストリミッター、は、特別な設定をしなくても回避できる可能性があります。

入墨カプチーノはスズキスポーツのN2コンピュータを使用しているので、
スピード及びブーストリミッターはECU内部で既に解除されていますので、実験になりません。
F6A純正コンピュータ + e-manage ULTIMATE のチャレンジャーの皆さんの報告を期待します。

2008.08.03 現在の状況~覚書です

車両側が原因だと思われる、
現在抱えている問題
(ver.2.16で確認済み)


01.  車両側クランク角センサ(N+)の配線を、
        e-manageのクランク角配線(33)に接続すると、
        純正REVカウンター(タコメーター)が機能しない。
        エアコン配線からの回転信号線を使用しても同様。
02. シーケンシャルI/J(独立噴射)に設定すると、
        アクセルONの瞬間に吹け上がらない。
 

現時点(ver.2.20)で、
動作を確認している機能


01. I/J補正MAPによる増減量
02. 加速I/J補正MAPによる増減量
03. A/Fフィードバック目標値MAPによる自動調整
04. 車速補正MAPによるI/J増減量
05. 点火補正MAPによる進角遅角
06. 加速点火補正MAPによる進角遅角
07. NVCS設定を利用したインタークーラースプレー
08. 追加I/Jチャンネルを利用した追加燃料ポンプ制御
09. アナログ出力設定を利用したリニアTPS制御
10. 点火カット設定を利用したミスファイヤリングスタート
11. A/F・排気温度のロギング
12. SWITCH端子に接続した本体ロガースイッチ
 

現時点(ver.2.20)で、
動作を確認済みだが、
使用していない機能


01. エアフロ補正MAP
02. 気筒別点火補正MAP
 

将来実現したい機能


01. 点火時期のロギング
02. ノッキングレベルのロギング
03. シーケンシャルI/J(独立噴射)機能
04. 各種セッティング
 

2009.8.29 バルタイ調整とリセッティング

今までの苦労もあって、e-manage ULTIMATE の機能はそこそこ使いこなせているかと思います。
しかし大切なことは、ツールを使いこなすことではなく、目標のエンジン特性を得ることです。
今回は、スライドカムプーリーを装着し、バルブタイミングを調整したことによるリセッティングが目的です。

まずはメカニカルな作業として、純正カムプーリーを社外のスライドカムプーリーに交換したのですが、
カムシャフトの合いマークに、予想以上のガタが元々あることがわかりました。
既にこの時点でバルタイがずれていても当たり前、と言っても良いような状態ですが、
それをどうこう言っても何も始まらないので、とにかく調整してみることにしました。
いくつものファクターを同時に調整すると、良くなったのか悪くなったのかさえ怪しくなりますので、
まずはIN側のバルブタイミングだけをを3度進めてみることにしました。

エンジンを始動してみると、いきなりアイドリングが安定しませんでした。
こういう時は、基本に戻って忠実な作業が一番です。
プラグを新品に交換、アイドリング回転数調整、CO調整、イニシャル点火時期調整を、しっかり行うと、
アイドリングが安定しました。
特に、イニシャル点火時期の影響が大きかったようです。

F6Aのイニシャル点火時期調整は、本来はデスビを回すのが正しい作業なのですが、
IN側のカムとデスビが直結している構造ゆえに、バルタイ調整のたびにデスビを回すのは面倒です。
e-manage ULTIMATEの点火補正MAPを全域増減させることでイニシャル点火時期を調整できるので、
こういう点ではe-manage ULTIMATEは非常に楽チンです。

基礎的な調整が終わったら、クルマ仲間で、かつEマネ(準備中)仲間でもある『ゆうさん』を助手席に、
いつものセッティングコースへ行ってきました。

これはセッティング後に走行したログで、白=GReddy圧力センサ、赤=エンジン回転数、
黄色=A/F、水色=I/J出力噴射率、紫=I/J補正MAP値、黒=点火時期補正値、黄緑=排気温度、です。

I/J補正MAPは空燃比フィードバックで自動作成した後、調整したものですが、値の凸凹が激しいです。
そのため、紫=I/J補正MAP値がギザギザのグラフになっており、今後、もっと修正する必要があります。
しかし、それに関わらずI/J出力噴射率が滑らかに上昇するグラフになっていることを見ると、
実情はさほど問題ないのかもしれませんね。

今回は、時間の限られる中、さらりとセッティングを行いましたが、行きと帰りの特性はまるで別物。
低回転のトルク感がしっかりとしていて、まるでひとまわり小さなタービンをつけているかのようです。
それでいて、高回転もしっかりとパワーがついてきています。

これによって、翌日のジムカーナイベントではオーバーオールタイムを刻むことが出来ました。
このセットでは、全体的に空燃比が濃く、排気温度も低すぎ、燃費も悪いようですので、
近々、リセッティングしたいと思います。

2009.9.5 リセッティング ~ irezumi077.em2

先日のセッティングでは、加速I/J補正MAPと加速点火補正MAPを有効にしたままだったため、
濃い状態にMAPが出来上がってしまい、トルク感はあるものの、全体に重い感じになってしまいました。
排気温度も異常に低く、まだまだマージンが多すぎる状態でした。

今回は、K-CARチャレンジカップ最終戦で最良の結果を残すべく、排気温度をもう少し上げ、
トルク感と回転上昇の軽さを両立した、バランス感のあるMAPを目指します。

これはセッティング後に走行したログで、白=GReddy圧力センサ、赤=エンジン回転数、
黄色=A/F、水色=I/J出力噴射率、黒=点火時期補正値、黄緑=排気温度、です。

I/J補正MAPは空燃比フィードバックで自動作成した後、手動で調整し、以前より薄い状態にしました。
排気温度は前回よりも30℃ほど上がり、安全圏内ではありますが、より軽く回る状態になっています。
5800rpm~6400rpmまでの間で、I/J噴射量がギザギザの状態になっていますので、
もっと滑らかなカーブを描くようにI/J補正MAPを調整しなければなりませんね。
A/Fは多少の上下はあるものの、ブースト圧に対してある程度一定の状態を保てています。

排気温度が6500rpmを超えたあたりから伸び悩んでいるのは、実は意図的ではないのですが、
その領域のマージンを削りすぎないことを重視していることが、結果として現れているのだと思います。

エンジン回転数の曲線を見ると、低回転が犠牲にならず、高回転までリニアなカーブを描けているようで、
トルクの山谷を感じない、非常に滑らかなエンジン特性に仕上がりました。
HT07-4Aの割には、怠惰なドライブもさらりとこなせてしまうほど、良いセッティングになっています。

まだまだ詰めていける要素はあるのですが、タービンの寿命が近づいていると思われることもあり、
今回はこの程度でやめておきましたが、それでも、

入墨カプチーノ史上(俗に言う当社比ってやつ)、最高レベルのセッティング

になりました。
このセッティングデータは、『irezumi077.em2』。
なんと、通算77枚目のセッティングデータになってしまいました。(;^_^A アセアセ・・・

この結果、今季最大の目標としていたK-CARチャレンジカップ最終戦のリザルトは・・・

『ドライブシャフト折れにより有効なリザルトなし=エキスパートクラス最下位』  。・゚゚・(>_<)・゚゚・。

パイロンターンからの立ち上がりで、クラッチ操作がもしかすると雑だったのかもしれませんが、
μの高い砂川の路面、AD08の195/50R15、イニシャルの高いLSD、そしてこのエンジンセッティング。
この条件では、インナージョイントを砕くほどトルクがあった、と言うことかもしれません。

『結果的に、シリーズポイントも入賞に届かず・・・』  。・゚゚・(>_<)・゚゚・。

セッティングはよく出来ても、モータースポーツのリザルトと言うものは、うまく行かないものですね。(苦笑)

2011.10.22 タービン仕様変更によるI/J補正MAPの修正

しばらくHPの更新をサボっていましたが、久々にセッティングを行いました。
今回は、タービンの仕様変更に伴うデータ変更です。

今まで使用していたのは『HT07-4A』というワゴンRワイドの前期型に純正装着されていたタービンでした。
延べ2基の『HT07-4A』を使用して、セッティングを試みてきましたが、低速トルクは次第点でした。
ジムカーナをメインカテゴリーとしている入墨カプチーノにとって、『HT07-4A』は高回転型過ぎだったため、
小さなコーナーからの立ち上がり加速では、もどかしく思うこともありました。

この度、今までのタービンからオイルリークするようになったため、タービン交換が必要になったのに伴い、
『HT07-5』という、ワゴンRワイドの後期型のタービンを試してみることにしました。
『HT07-4A』と比較してしまえば、長い直線では不満に思うこともあるかもしれませんが、
低回転から高回転まで滑らかな回転上昇が扱いやすい、トルクフルなタービンです。
仲間の『ブルメタカプチーノ』(K6A)で、e-manage ULTIMATE によるセッティングを実証済みなので、
作業前からそれなりの自信がありました。

まずは、今まで濃い目だったことを考慮して、少し薄めに『A/Fフィードバック目標値MAP』を作成。
このページを見ている方には申し訳ないのですが、このMAPは非公開とします。
e-manage ULTIMATE を使う場合、恐らく最大の価値があるMAPだとは思いますが、
自分にとっては、今までの経験の積み重ねが生んだ宝物のようなMAPである上に、
もしかして、他車で流用した場合、トラブルにもなりかねない、と思うからです。

前フリが長くなりましたが、これを使用して自動的に仮I/J補正MAPを作り、
数値の怪しい部分をなだらかに修正したのが、下記の『I/J補正MAP1』になります。

どうでしょうか?驚愕の減量数値でしょう?
入墨カプチーノの燃料噴射能力がいかに高いかを、改めて確認する結果となりました。
これで通算85枚目のMAPとなり、『irezumi085-HT07-5.EM2』というファイル名で保存しています。
ただ、あまり時間がなかったので、データはかなり荒いものになっていると思います。

入墨カプチーノを制御している e-manage ULTIMATE のMAPは、もちろん、これだけではありません。
他にもたくさんのMAPを複合して使用することで、このI/J噴射値が適切となるのです。
繰り返しになりますが、これを真似して他の車両を制御しちゃダメですよ?
最悪、エンジンが壊れます。(笑)

セッティング翌日にエントリーした、『ASPテクニカルジムカーナ2011ROUND3』のレポートはこちら

2012.08.15 シーケンシャルインジェクションの実験

e-manage ULTIMATE のアップデートファイル、ver2.30が公開されました。

トラストのサイトのバージョン履歴を確認すると、
 【点火カット設定の改善】  【A/Fフィードバックの改善】  【レブリミッターカットの改善】
 【エンジンストール防止設定の改善】  【インジェクター減量の改善】  【その他修正及び対応点】
と、基本的な制御システムのあらゆる部分に修正が加えられた様子です。

今頃になってこれだけたくさんの修正が必要なのは、発売時点では暫定的なプログラムだったのでは?
という批判的な声が聞こえてきそうですが、とりあえずは改善されたことを喜んでおきましょう。

さて、F6Aの制御に関してですが、
エンジン型式の『F6A』を選択した場合、I/J入力CH数で『2』を選択出来るように対応
という項目が存在します。

そもそも、ずっと以前のバージョンから、入力CH数のドロップダウンメニューには『1』『2』『3』が、
最初から選択できたはずで、画面上選択しても正しく動いていなかった、と解釈していいのでしょう。
入墨カプチーノの場合、入力CH数=『1』の設定で普通に動かせてたので、恩恵はなさそうです。

今回のバージョンアップは大規模ながら、恩恵は何も無しかナァ・・・なんて考えていましたが、
とりあえずは、今までの設定が正確に動作するかどうか、バージョンアップファイルを確認します。

入墨カプチーノは、当初からシーケンシャル噴射を目指して、配線や設定の努力を続けてきましたが、
以前のバージョンではうまく制御できていませんでした。
アイドリングが不安定で、スロットルを空けた瞬間に回転が一瞬ドロップしてから立ち上がる状態でした。
このため、やむなくシーケンシャルインジェクションを諦めて、同時噴射として制御していたのです。

配線上は、既に、純正ハーネスの2系統から分岐配線を作り、e-manage ULTIMATE へ3系統として入力。
e-manage ULTIMATE からインジェクターへの出力配線を新たに1系統追加して、
完全独立3系統の出力配線に変更済みです。

入力CH数は、今までは『1』だったものをそのまま維持して、出力CH数も『3』のままとして設定したまま。
CHごとのI/J設定表の中では、一番右端に噴射タイミングを決める欄があり、ここは『1-0』を選択。

この状態でe-manage ULTIMATE のアップデートを行って、エンジン始動。
特に問題もなく、普通にアイドリングしました。
走行実験してみましたが、気がつく範囲では何の不都合もなく、今までどおりに動作しているようでした。

そこで、パラメータ設定を、シーケンシャル噴射できるように変更してみることにしてみました。

この図は、カプチーノのサービスマニュアルの一部なのですが、
まるで第1気筒圧縮上死点が計測出来ているかのような解説になっています。

配線は、もともとシーケンシャル噴射を目指していたことから、何も変更無しです。

e-manage ULTIMATE のパラメータ設定で、入力CH数のドロップダウンメニューは『1』を選択。
つまり3系統のうち、2つのCHは不採用として設定しました。
F6Aの同時噴射信号を、最もシンプルな形で、e-manage ULTIMATE へ入力する、という考えです。

これに対し、出力CH数のドロップダウンメニューは『3』を選択。
e-manage ULTIMATE の制御能力を信じて、3系統独立の信号を出力する、という考えです。

CHごとのI/J設定表の中には、一番右端に噴射タイミングを決める欄があり、
ここを、CH-1は『1-0』、CH-2は『1-480』、CH-3は『1-240』、に変更しました。
右から2番目の欄には『基準』の欄がありますが、これは、6気筒以上のエンジンの場合に、
圧縮上死点のシリンダーと、排気上死点のシリンダーが存在するために、
どちらのシリンダーを基準にするかを選択する欄であって、3気筒のF6Aエンジンには関係ない部分です。

インジェクターへの出力配線は、エンジンの前側から、CH-1、CH-2、CH-3、と接続しているので、
この画面では、CH-1 → CH-3 → CH-2 、という順番で点火していることになります。
その順番に、クランク2回転=720°を3で割って、240°ずつ遅らせて噴射させる、という考えです。

パラメータ設定画面のI/Jタブは、このようになりました。

設定が終わり、考え方にミスがないことを確認したら、エンジンを始動してみます。

なんと驚くことに(本来は驚く場面ではないかも・・・・)、特に問題もなく、普通にアイドリングしました。
以前のような、アイドリング回転数の不安定さはありませんでした。
もしや、成功?
いやいや、スロットルを空けたときのドロップ現象は相変わらずでした。

やはり、第1気筒圧縮上死点の信号が、純正で計測する機能がないことが原因だと思われます。

今回の、各気筒独立噴射(シーケンシャルインジェクション)の実験は、あえなく失敗です。
このように、成功ばかりではありません。
こうして、実験はいつまでも続きます。(笑)

2012.10.20 現在の状況~覚書です

車両側が原因だと思われる、
現在抱えている問題
(ver.2.16で確認済み)


01.  車両側クランク角センサ(N+)の配線を、
        e-manageのクランク角配線(33)に接続すると、
        純正REVカウンター(タコメーター)が機能しない。
        エアコン配線からの回転信号線を使用しても同様。
 

現時点(ver.2.30)で、
動作を確認している機能


01. I/J補正MAPによる増減量
02. 加速I/J補正MAPによる増減量
03. A/Fフィードバック目標値MAPによる自動調整
04. 車速補正MAPによるI/J増減量
05. 点火補正MAPによる進角遅角
06. 加速点火補正MAPによる進角遅角
07. NVCS設定を利用したインタークーラースプレー
08. 追加I/Jチャンネルを利用した追加燃料ポンプ制御
09. アナログ出力設定を利用したリニアTPS制御
10. 点火カット設定を利用したミスファイヤリングスタート
11. A/F・排気温度のロギング
12. SWITCH端子に接続した本体ロガースイッチ
 

現時点(ver.2.30)で、
動作を確認済みだが、
使用していない機能


01. エアフロ補正MAP
02. 気筒別点火補正MAP
 

将来実現したい機能


01. 点火時期のロギング
02. ノッキングレベルのロギング
03. シーケンシャルI/J(独立噴射)
04. 各種セッティング
 

2012.7.21 GReddy圧力センサー

GReddy圧力センサーを取り付けました。

GReddy ターボメーター用センサーの出力を分岐して、
ターボメーターとe-manage へ、接続していました。
動作としての不具合はなかったのですが、ブースト圧が、
ターボメーターの表示よりも、e-manageの表示のほうが、
常に0.1~0.2kg/cm2低いのが、気になっていました。

そこで、それぞれ独立したセンサーを設ける、という、
本来の姿にして、マップを修正しました。
当然ですが、不具合はなく動作しています。

2013.9.21 アイドリングが安定しなくて・・・

入墨カプチーノは平成5年式なので、今年(平成25年)で、丸20年。
完全に、『旧車』とか『クラシックカー』と呼ばれる域に入ってしまいました。

諸事情により、入墨カプチーノでの2013年のモータースポーツ活動は、現在まで休止しています。
入墨カプチーノの存在価値はほとんどなくなり、『所有する喜び』だけを満たす存在になってしまいました。

ガソリンは一度も補給していないから、燃料費が0円。
公道は20kmくらいしか走っていないのに、任意保険代は5万円弱。
2年に一度の車検費用も無駄に思えます。

すると、クルマのほうもそれを察したのか、完全暖気後はアイドリングが維持できなくなり、徐々に悪化。
遂には、冷間暖気さえもできなくなってしまいました。

原因がどこにあるのか、トラブルシューティングを行いましたが、
前述の通り、何のために直すのか、という目的が全くわからない状態になってしまっており、
例年であれば、モータースポーツ開幕の春までに解決してきた様な作業なのに、
今回はまるっきりやる気になりませんでした。
半ば、鬱みたいなものです。
作業を始めてもすぐに嫌になってやめてしまう。
そんな日々を繰り返して、すっかり秋までかかってしまいました。

アイドリングが安定しないのは、排気が漏れているから?
と思って、タービン周りのボルト類を点検。

エキマニとタービンを止めているボルトが緩んでいました。
毎回のことですが、
このボルトに関しては、作業性の悪さに絶句です。

フロントパイプの前側も排気漏れしているようだったので、
ガスケットを取り替えました。

排気漏れは直したけど、
アイドリング不調の症状は治りませんでした。

アイドリングが安定しないのは、
O2センサーの出力が正しくないから?
と疑って、新品のセンサに交換してみました。

純正は高いので、社外品にしました。
楽天市場で、\6,000-(税・送料別)でした。

耐熱性を確保するため、
配線をガラスマットで包んでみました。

結論としては、問題解決にはなりませんでした。
経年劣化があるものなので、後悔はありません。
より正確な制御ができるようになった、と考えています。

アイドリングが安定しないのは、
プレッシャーセンサーの出力が正しくないから?
と疑って、ミニサージタンクを装着してみました。
結論としては、問題解決にはなりませんでした。

製品自体は単純で、アルミインゴットに穴を空けて、
ホースジョイントをつけただけのものです。
4φと6φのホースジョイントが2つずつ付いていましたが、
2つを4φに交換して、全部4φ用としました。

配管はすっきりしましたが、
トラブルの原因ではなかったようです。

アイドリングが安定しないのは、
プレッシャーセンサーの出力が正しくないから?
と疑って、純正プレッシャーセンサを交換してみました。
結論としては、問題解決にはなりませんでした。

高かったのに・・・。(´Д⊂ヽ

経年劣化している冷却系のホースを全交換しました。

特に、この3本のホース交換は大変な作業で、
インテークマニホールド下の作業のためには、
キャニスタ、クラッチワイヤ、アクセルワイヤなどを、
バルクヘッド部分の抜き差しのためには、
デスビキャップを外さなければなりません。
その上、ホースクランプを外すために、
小さなロッキングプライヤ、長めのロングノーズプライヤ、
などの工具を駆使しなければなりませんでした。

外したホースは、ゴムではないかのようにカッチカチ。

経年劣化していると思われるウォーターポンプを、
トラブル予防のために交換しました。

純正は高いので、社外品にしました。

AISIN【アイシン】製 ウォーターポンプ 
スズキ車用 品番:WPS-001 (ガスケット付属)
\3,750-(税・送料別)でした。

節約を心がけ、こういうものを上手に利用しています。

ウォーターポンプは、実はものすごく奥にあるんです
エンジンブロックについているのだから当然なのですが、
タイミングベルトインサイドカバーが被っているので、
ポンプをかわしながら外すことができません。

カムプーリーも、タイミングベルトインサイドカバーも、
一旦外さなければならないのです。

取り外すと、このような様子になります。

バラバラですね・・・作業は結構大変でした。

ついでに、タイミングベルトを交換しました。

これまで使用していたスズキスポーツ製を撤去。
まだまだ使えそうでしたが、トラブル防止のため、
早目に交換することにしました。

今回、取り付けたのは、
発売されたばかりのモンスタースポーツ製。

もちろん、タイミングベルトテンショナーも新品に交換。
アイドル時の異音(ベアリング鳴き)がなくなりました。

純正のO2センサーからECMへの信号配線を延長し、
トグルスイッチを割り込ませて、
純正センサーの信号と、空燃比計からの疑似信号と、
切り替えができるように配線していたのですが、
これが主な原因だったようです。
信号配線を純正状態に戻し、配線作業のついでに、
空燃比計のキャリブレーションスイッチとLEDも撤去。
そもそも、PC接続でキャリブレーションすれば、
スイッチもLEDも、実は不要なんです。

経年劣化で配線の抵抗値が上昇し、
正しい電圧がECMへ届かなくなった、
という仕組みだったのではないか、と思います。

デスビ接点の確認や清掃、プラグコードの確認、
プラグの清掃や交換、バッテリーの充電、
点火時期の確認、カム角(バルタイ)の確認、
そして、EマネのMAPの数値チェック、などなど、
それはそれは、たくさんのチェックをしました。



完全暖気後の安定したアイドリングが戻ってきました。

アイドリング回転数 1000 rpm、
イニシャル点火時期 5°BTDC、
空燃比 14.7付近

長かったね。

おかえり、入墨カプチーノ。

さてと。
EVCの初期学習をやり直して、MAPをチェックするか。

2015.10.13 やはりアイドリングが安定しなくて・・・

いろいろとトラブルシューティングを繰り返しているんですが、アイドリングが安定しません。
スポーツ触媒の採用、マフラーの交換、EGRの廃止、ABVソレノイドの廃止、そしてアースも点検。

制御信号に問題があるのかな?と思って、スロットルポジションセンサを交換してみました。

ロードスターのチューニングをを得意とする、
マルハモータースというショップがあるのですが、
そこでリニア式TPSという商品を扱っています。
調べてみると、他車種の流用品であることが判明。
というわけで、使えそうなセンサーをヤフオクで調達。

HCR32(スカイライン)用のスロポジセンサーです。

これの利点は、リニア信号を出力できることはもちろん、
F6A用センサと同じ全開全閉信号を出力できることです。

トラブルの元になっているかもしれないリレーユニットを、
排除することができるのです。

センサ本体用のコネクター。

コネクターの通販ショップで購入しました。

R33後期RBエンジンイグニッションコイル用らしい。

E3F1 : E3F1 E型3極メスコネクター(灰色)
ETF1 : ETF1 E型メス端子
EP2 : EP2 E型ワイヤー防水シール(若葉色) 

純正スロットルセンサ用のコネクタから配線を抜き、
こちらのコネクタに無理やり挿入したので、
端子と防水シールは余ってしまいました。

リニア信号を出力する別体コネクタ用。

購入したのは上記と同じショップです。

CA18DET、R31RB20DET、Z32VG30といった、
日産用イグニッションコイル用らしい。

WP1 : WP1 W型ワイヤー防水シール(緑)
WTF1 : WTF1 W型メス端子
W3F1 : W3F1 W型3極メスコネクター(灰色)

センサ本体は、少々加工が必要。

固定用ボルトのPCDが少々違うので、
PCDを広げる方向に長穴を削り広げました。

また、別体コネクタ用の配線固定金具が、
センサ裏側にわずかに出っ張っているので
ボルト固定する際に、スロットルボディとセンサの間に、
ワッシャーを1枚挟むことが必要でした。

スロットル軸の角度は同じなので、
センサ本体は水平に装着できます。

左下は全開全閉信号を出力する配線。
純正センサ用のコネクタから端子ごと3本とも引き抜き、
日産用コネクタにそのまま押し込みました。
端子は少々形状が違うのですが、何とか入りました。

右上はリニア信号を出力する配線。
新しい端子を使って3本の配線を引き、
プレッシャーセンサーの電源を分岐して5Vを接続、
ECMのE2から分岐してアースに接続、
リニア信号は e-manage ULTIMATE へ接続しました。

特に問題なく動作しており、
アイドルの安定度は向上しましたが完全解決には・・・。

2016.06.27 車検は通したんだけど・・・

低ブーストで失火症状があり、アイドリングが維持できず,、たまにエンストします。
そこで点検したところ、空燃比メーターの表示部のケーブルが断線して、もうすぐもげそう・・・( ;∀;)
多分、失火症状とは関係のないトラブルだと思いますが、LX-2はかなり長い期間使用したので、
この際、買い替えることにしました。

『innovate 空燃比メーターセット MTX-L (8ft)』

A/Fワイドバンド空燃比デジタルメーターセット、です。
接続ケーブル+センサーケーブル=全長 約3m

正規品はアルトに装着しているので、
価格が魅力の並行輸入品を購入しました。

8ftセンサーケーブル(約2.4m)
新型4.9ワイドバンドUEGOリニアO2センサー付属


 

シルバーベゼルとホワイトパネルを組み合わせました。

純正O2センサーを廃止し、メタル触媒のボスへ、
センサーヒートシンクを使用して常設しています。

アナログ出力1をe-manageのOPTION2端子へ、
アナログ出力2をECMへ接続しています。

特に問題なく動作しています。

 

2016.07.16 セッティングPC

時代に流れに従い、セッティングPCを更新しました。
念のため、今まで使用していたPC (Panasonic Let's Note Light R5 CF-R5KW4AXR)は、
Windows10をインストールした後、Windows7に戻し、ストックしています。

『ASUS EeeBook X205TA-RED10』

低価格の Windows10 32bit 仕様のノートPC。
薄型軽量なのにバッテリー寿命が長く、
そこそこ軽快に動作します。

e-manage Ultimate ソフトウェアは、
特に問題なくインストール可能で、動作も快適です。
デバイスドライバのインストールは難しく、
デジタル署名の問題でWindows10にはじかれます。
「スタートアップ設定」の「ドライバー署名を強制しない」を
選択してからインストールした上に、
「UEFIファームウェアの設定」の「Secure Boot Control」を
「Disabled」に設定しなければなりません。

空燃比計 MTX-L を設定するためには、
RS232C-USBケーブルが必要になりますが、
今まで使っていたものは Windows10 に非対応なので、
新しいものを楽天市場で調達しました。

メーカー名とかは良くわかりませんが、
デバイスドライバは、USB端子に接続するだけで、
自動的にインストールされます。
デバイスマネージャーには、
「USB-SERIAL CH340」と表示されています。

もちろん、動作は問題ありません。

http://emuserve.com/dv/

2017.10.01 シーケンシャルインジェクション

入墨カプチーノに搭載されているエンジンは、電子制御エンジン黎明期のF6Aという形式です。
執筆時点で、生産から既に24年も経過し、制御機構が時代の流れを感じさせるものとなっています。
それは、初代ファミコンと同レベルの、8ビットECMによる制御で、
デストリビューターによる点火配電と、3気筒同時に燃料を供給するグループ噴射方式。

これを、ダイレクトイグニッションとシーケンシャル噴射にすることが、長年の夢でした。
その効果としては、低燃費化、エンジン回転の滑らかさ、回転上昇の素早さ、といったことが見込めます。
ただ、感じることができるかどうかのレベルだろう、と予想していたこともあり、あまり期待していません。
この作業に自分を突き動かしたのは、単なる興味であり、できるものならやってみたい、ただそれだけです。

e-manage ULTIMATE を導入してから早12年。
時代は完全に進み、カプチーノそのものがクラシックカーの仲間入りをしている感覚になっているし、
エンジン制御も進歩して、フルコン制御がスタンダードになりつつありますが、
戦うステージがないので、今更、大枚を叩いてフルコンを導入するまでの熱意がない・・・。
しかも、現在使用している e-manage ULTIMATE には、
シーケンシャルインジェクションに変更できる機能が搭載されている(はず)、とくれば、
試してみない手はないでしょう。

これを世間では、某工作番組へのオマージュとして、
『できるかな』と呼びますね。

さぁ、助手のゴン太くんと共に、作業開始です。

これまでの実験で失敗してきた通り、その主たる原因は、気筒判別信号がないことです。
F6Aのクランク角センサーは、三角おにぎり型のローターによる信号であり、
圧縮上死点はわかりますが、それがどの気筒かということは、ECMには判別できていません。
そこで、第1気筒の圧縮上死点位置で信号を出すセンサーを新設することが必要になります。

尚、ハルテックのようなフルコン装着時に、純正のクランク角センサーごとデストリビュータ―を取り外し、
アダプターを介して、日産用の光学式センサーとディスクを使用する、という方法が、
最近の常套手段となっているようですが、全くうらやましい限りです。

ところがe-manage ULTIMATE による制御の場合はその手段は使えません。
なぜなら、e-manage はあくまでもサブコントローラーであり、純正ECMが正常に動作することが大前提。
つまり、純正クランク角センサーは外せない、ということであり、
カム角センサーを新規に設置するしか方法がない、ということになります。

ところで、このセンサーの呼び方ですが、
360°で考えれば 『カム角センサー』 、720°で考えれば 『クランク角センサー』 、
ホンダ風に言うなら 『TDCセンサー』 という名前になるでしょうか。
純正のEPIシステムで、『クランク角センサー』という言葉を使っていることと、
実際にセンサーを取り付ける位置は、インテーク側のカムシャフトになることから、
ここでは、 『カム角センサー』 、あるいは、 『カムポジションセンサー(CPS)』 、と呼ぶことにします。

『カムポジションセンサー』

実験ですので高額商品を買うわけにはいきません。
失敗した時にも財布の痛みを感じない程度が目安。

ヤフオクで、スズキ純正のセンサーを購入しました。
形状と大きさと価格が程よかった、ということです。
コネクターが付属しているものを選びました。

元車両の情報
車名 : ワゴンR 年式 : H11年 型式 : GF-MC21S 走行 : 103022km 
原動機 : K6A 排気量 : 660cc カラー : Z2S トリム : D02 WFMC-LD2
装備 : AT、AC、PS、AB、ABS

センサーを取り付ける場所はココ。

インテーク側のカムハウジングと、エンジンフックの間。

センサーを固定するステーを作り、
エンジンフックのボルトに共締めする形で設置します。

センサーに感知させる部分はココ。

エンジン本体を分解する前にクランクシャフトを回して、
第1気筒圧縮上死点の位置にします。
すると、プーリーのスライド固定ボルト5本のうち、
左上の1本がちょうど良い角度になります。

このボルトのみを長いものに変更して、
センサーに感知させる計画です。

タイミングベルト周りを分解してプーリーを取り外し、
ボルトを入れ換えました。
スチール製のキャップボルト、M5-25mmです。
1本だけ黒いので、わかりやすい。

緩み止めのためのスプリングワッシャーと、
平ワッシャーを入れています。

平ワッシャーは、数枚入れていますが、
それは、センサーとのクリアランス調整用として、
シムの代わりに利用するためです。

今回製作するステーは調整機構を持たないので、
基本の角度を設定するためには、
センサー位置の調整機能が必要ですが、
その時はステーを作りなおさなければなりません。
ただ、そんなシビアなことをしようとは思ってませんので、
点火MAPのリセッティングで対応しようと思います。

この画像は1本だけボルトが長いことがわかるアングル。

このボルトは、スライドカムプーリーのベース側ではなく、
タイミングベルト側に固定されます。
カムシャフトを調整してバルタイ変更した場合にも、
カム角信号の発報位置は変化しないことになるため、
センサー位置の再調整は不要です。

ステーを作成しました。
スチールアングル L-50*50*4から切り出し、
隙間に入りつつもしっかり固定できるように加工したら、
こんなイビツな形になってしまいました。
センサーをステーに固定する方法としては、
M5のステンレスキャップボルトを使用するので、
穴あけと共にタップをたてておきました。

文章では簡単に書いていますが、
ステー製作に、実は半日も掛かってしまいました。

本当はボルト2本止めにしたかったけど、
もう1本がどうしても緩まなかったという・・・(´;ω;`)。

センサーとステーを固定しました。

破損防止とクリアランス調整のため、
センサーにはコネクターを嵌めてあります。

センサーの先端は、カムハウジングの前端より、
プーリー側へ26mm程度突き出しています。

スライドカムプーリーを取り付け、
ボルトとセンサーのクリアランス調整をしました。

ワッシャーではあまり微調整はできないのですが、
1~2mmを目標に調整し、
最終的には、シックネスゲージで1.15mmを確認。

エンジンを始動しないと、
感知できているかどうかわかりませんが、
タイミングベルトアウトサイドカバーが加工済みなので、
クリアカバーを外せば、クリアランス調整は容易です。

仮止め時にワッシャーを使用せず、
ボルトを強めに締め込んで、センサーに干渉させ、
印をつけてみました。

だいたい希望通りの位置にセンサーを固定できました。
 

タイミングベルトインサイドカバーに、
センサーを通す穴を開けておきます。
インテーク側のカムシャフト用の穴の左上です。

多少広めになってしまいました。

防水性、防塵性はありません。
ちゃんと動作することが確認できたら、
何かしら考えようと思いますが、
あまり問題にもならない気がします。

さて、動作実験。

電源とアースを接続し、信号線を e-manage ULTIMATE に繋ぎますが、どこに繋ぐかが問題。
回転信号入力、クランク角入力、を試してみましたが、最も安定して動作したのはカム角信号入力でした。
カム角センサーだから、カム角入力に繋げば良かっただけのことです。
気筒判別信号のない状態でも同様の動作実験をしたことがありますが、その時とは動作が異なり、
エンジン始動とアイドリング制御はごく普通。
グループ噴射よりもかなり安定しているような気がしますが、気のせいかもしれません。

ところが、アクセルを素早くあおった時に、失火のような症状が一瞬起こります。
燃調セッティングは全域-3%にし、アイドリングが最も安定した状態にしてみましたが、
たかが3%では、単にそう感じただけで、ほとんど意味はない気がします。
一瞬だけ燃料が足りていないような印象なので、加速I/J補正MAPで調整できそうな気がします。
グループ噴射とシーケンシャル噴射の、要求燃料の違いが原因かと思います。
グループ噴射では、常に濃いめの燃調になっているため、問題にならないのでしょう。
ECUが8ビットで、インジェクターが素早く対応することができないのかもしれません。
このあたりはセッティングで詰めていけるような気がします。

いよいよ走行実験。

ゼロスタートでアクセルをあおった時に、エンジン回転がわずかにドロップするので、
発進時は気をつけなければなりませんが、走り出してしまえばほとんど問題がありません。
回転上昇の鋭さは、カムポジションセンサーを設置する前とは雲泥の差です。
あれ?こんなにパワーあったっけ?と感じるほどです。
加速時のブースト圧の上昇スピードや、加速力が、明らかに向上しています。

動作が確認できたので、仮配線から本配線へ引き直し。

イグニッション連動の12V電源は、赤のケーブル。
e-manage ULTIMATE の電源引込部分から分岐。

アースは黒のケーブルで、電源と同じく、
e-manage ULTIMATE のアース部分へ合流。

カムポジション信号は、黄色のケーブル。
ハーネスの束に残してあった予備の茶ケーブルに直結し、
e-manage ULTIMATE のコネクタCの9番ピン、
カム角信号入力へ接続しました。

尚、コネクターは純正品ですが、
端子は、『株式会社配線コム楽天市場店』で購入。
三菱電線工業製NMWP防水Fターミナルのみ
(ワイヤーシール無し)/F090WP-SJD-NMWP-wr 

3本のケーブルは、コルゲートチューブで保護しました。

コネクタとオイルフィラーキャップのクリアランスが、
やたら狭くなってしまいましたが、慎重に作業すれば、
オイル交換時には問題ないかと思います。

気筒判別できているということは、ECUのフェイルセーフに掛からなければ、
ダイレクトイグニッション化も可能なはずですが、それはまた次のテーマ。
まずは、遠慮なくアクセルを踏めるように、点火時期と燃料を調整しましょう。

さぁ、セッティングしなおしましょうか。(^^♪

2017.10.09 セッティング

お友達の木村さんが引越されたので、遊びに行くついでに、高速道路でセッティングしてきました。

いろいろな設定を試してみて、最終結論に至るまでに、とんでもなく時間がかかったのですが、
結局のところ、パラメータ設定の変更点は、I/Jタブのタイミング欄のみ。
今までの配線作業と考え方に誤りはなかったということではありますが、拍子抜けです。
カムポジションセンサーからの出力を、e-manage ULTIMATE のカム角センサー入力に接続しても、
パラメータ設定では特に設定する項目はありません。

今まで使っていたA/Fフィードバック目標値MAPを、そのまま使ってセッティングしてみたのですが、
排気温度が820度までしか上がらず、どうもエンジン回転の上昇がもっさりとしています。
そこで、今までのグループ噴射状態の目標値から、0.5ほどA/Fを上げ、少し希薄にしてみました。

回転数は5000rpmから上の領域で、ブースト圧は0.8kg/cm2くらいから1.50kg/cm2くらいまで、
新しいA/Fフィードバック目標値MAPを使って、自動的にセッティングしてみました。
排気温度が850度くらいまで上がるようになり、エンジン回転の上昇も軽く感じるようになりました。
フィードバックされない領域は、走りながらの感覚で数字を決めました。
もっともっと詰めて行けるはずですが、少し状況を観察してみようと思います。
数字では良くわかりませんが、3Dグラフにしてみると非常にガタガタの状態になっていました。
e-manage ULTIMATE は、近い領域の4マス平均を採用する方式らしいので、
多少の凸凹は大目に見ることができます。
にしても、この減量値・・・33%減量って、どういうことでしょうね・・・。
ちょっと信じられませんが、A/F、排気温度、フィーリング、は、問題ないのです。

ECUによってコントロールされているアイドリング状態(フィードバック領域)から、
スロットルを開けた瞬間に、わずかに回転が下がってしまう症状が起こります。
自分はこれを『ドロップ現象』と呼ぶことにしています。
この症状を回避するために、加速I/J補正MAPと加速点火補正MAPを修正しました。
完全には回避できていませんが、少しはマシになった気がします。
ECUが8ビットのため、フィードバックを抜ける瞬間の演算が、追いついていないかのような印象です。
これ以上はフルコンじゃないと無理なのかな・・・。

ここまでの作業で、グループインジェクションとシーケンシャルインジェクションの違いについて、
感じたこと、思ったこと、見られる様子、は次の通りです。

 1) エンジン回転の上昇が鋭く、スロットル操作に対して俊敏に反応する。
 2) エンジン回転が滑らかで、安定しており、行儀よく上品な印象。
 3) アクセルを開けた時のブースト圧の上昇が速く、ターボラグが少し減った。
 4) アイドリング時のエンジンの振動が少なく、アイドリング時の回転数が安定している。
 5) アイドリング時の排気ガスの臭いが少なくなり、少しクリーンになった印象。
 6) 排気音が全体的に少し小さくなった。
 7) 加速I/J補正MAPと加速点火補正MAPの効果が少しわかりやすくなった。
 8) クラシックカーっぽくなくなった。
 9) 多分、燃費が良くなってると思う。

全体的に、かなり良好な印象です。

もっとセッティングを詰めていきたいのですが、
冬がすぐそこまで・・・(いつもの展開)

2022.11.06 セッティング

特の流れは高齢になるほど恐ろしく速いもので、実に5年ぶりのセッティングです。
前段として、タービンを交換したのが春で、クーラント漏れを修理したのが秋、で、今回。

ようやく時間とヤル気が確保できたので、
ノートPC (Windows10 32bit) を積んで出発。
途中の某所でサイレンサーを外し、PCを接続しますが、
USBドライバーが機能していないようで認識されません。
以前に対策済でしたがUPDATEで上書きされたみたい。

原因は、ドライバにデジタル署名がないせいですが、
TRUSTがそれを解消してくれる様子はありません。
使用者側で何とかするしかありません。

出かける前に自宅ガレージでやっておけって話。

PCを設定します。

設定 > 更新とセキュリティ > 回復 >
PCの起動をカスタマイズする > 今すぐ再起動する >
オプションの選択 > トラブルシューティング >
詳細オプション > スタートアップ設定 > 再起動 >
スタートアップ設定 >
7(ドライバー署名の強制を無効にするオプション) >
Windowsが起動

これでようやくUSBドライバーをインストールできます。
無事にインストール出来たら e-manage を起動します。

今回のセッティング対象はこちら、加速I/J補正MAP と 加速点火補正MAP です。

スロットルを開けた瞬間に、空燃比で合わせている基本的なMAPに対してリーンになるので、
I/J噴射を増量し、安全のために点火時期の変化量を、スロットル開度変化率ごとに設定しました。
ごくごく稀に失火するような場面があるので、もっと詰めていかないとならないと思いますが、
スロットルを開けた瞬間にドロップする状況は回避することができ、通常運転時の扱いやすさが向上。
ブースト0.7~0.9kg/cm2辺りの加速感がとても良くなりました。
それより下の回転数でのトルク感をもっと向上させたかったのですが、
タービンサイズによるターボラグなのか、あまり改善させることができませんでした。

ちなみに、PRofecが記録したブースト圧のピークは、LOが1.32kg/cm2、HIが1.46kg/cm2でした。
耐久性を考えれば、LOは1.20kg/cm2までに抑えたいところです。

エンジンとタービンの正常動作が確認できたので、
もっとセッティングを詰めていきたいのですが、
2022年はこれにて冬眠します。

2022.11.19 ノートPCの接続設定

PCを起動して実験しようとしたら、またデバイス(e-manage ULTIMATE)が接続できなくなりました。

調べてみたところ、再起動するとドライバー署名が自動的に有効化されてしまうことを思い出しました。
放置期間の余りの長さに、そんなことまで忘れていたようです。

e-manage ULTIMATE は、ドライバーインストール時のみのドライバー署名無効化では不足らしく、
デバイス(e-manage ULTIMATE)接続時にもドライバー署名の無効化が必要、ということのようです。

そこで、ドライバー署名の強制を永続的に無効にする、という方法をとりました。

手順1 セキュアブートコントロールの設定
   BIOS画面 > Secure Boot Menu > Secure Boot Control > Disabled

手順2 テスト署名モードを有効化
   コマンドプロンプト(管理者) > bcdedit.exe /set testsigning on

手順3 ドライバー署名の強制を永続的に無効化
   コマンドプロンプト(管理者) >  > bcdedit.exe / set nointegritychecks on

これでPCを再起動しても、デバイス(e-manage ULTIMATE)が接続できるようになります。

尚、テストモードを戻すには、下記の操作が必要です。
   コマンドプロンプト(管理者) > bcdedit.exe /set testsigning off

2022.11.27 ダイレクトイグニッション化についての検討

カプチーノなんて古いクルマに、いつまでこだわっているんだ?
e-manage ULTIMATE なんて古いデバイスに、いつまでこだわっているんだ?

このコンテンツを読んだ方はそう思うかもしれません。

実はこだわっているわけではなく、今あるものとわずかな費用で、残り僅かの余生を楽しんでいるだけ。
純粋に性能の向上を求めるならばフルコンにしたほうが簡単ですが、そこまでの熱意はありません。

純正(あるいは互換の)ECMと、e-manage ULTIMATE を使って、どこまでできるのか、という実験です。

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F6Aツインカムターボエンジンの、e-manage ULTIMATE を使用した、DI化について考えてみます。
考えるだけの、完全なる机上の空論、です。
ネット上にたくさんの情報があふれている現代においても、これに関する情報はさほど見つけられません。

DIとは、ダイレクトイグニッション、独立点火方式のことです。
F6A最終型のSOHCエンジンはダイレクトイグニッション化されていたはずなので、
そのパーツを流用すれば意外と簡単にDI化できるのかもしれませんが、生憎その知識がありません。

F6Aツインカムターボエンジンの点火系統は、いわゆるデストリビュータ配電のフルトランジスター式です。
デストリビューターを使う形式の中では最も進化した形態ですが、今となっては過去の遺物。
デストリビューターケース内に設置されたクランク角センサのタイミングをベースとしてECMが演算し、
ECM基板上のイグナイター → イグニッションコイル → デストリビュータ → プラグコード → スパークプラグ
という流れで各シリンダー内の混合気に点火しています。
ここで、クランク角センサはクランク角240°毎に、基準信号を発しており、気筒判別機能はありません。
よって、気筒判別信号を作らなければダイレクトイグニッション化することができません。

フルコンを使用する際には標準的に使われている手法が2つあるようです。
 1) 純正クランク角センサを気筒判別信号のある光学センサー(日産用など)に入れ替える方法
 2) LINK ECU の 『KTD F6CG』 を使用して純正クランク角センサに気筒判別機能を持たせる方法
ところが、e-manage ULTIMATE を使う場合はどちらの方法も使えません。
e-manage ULTIMATE の動作は、純正(あるいは互換の)ECMが正しく動作していることが前提なので、
純正クランク角センサを撤去するわけにはいかないからです。
つまり、純正クランク角センサには手を付けずに、気筒判別信号を作る必要があります。

このように、F6Aツインカムターボエンジンのダイレクトイグニッション化が難しい理由は、
気筒判別機能がないこと、イグナイターがECM基板上にあること、の2つが考えられます。

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入墨カプチーノは、e-manage ULTIMATE の機能を使って、シーケンシャルインジェクション化しています。

e-manage ULTIMATE の気筒判別(No.1シリンダー圧縮上死点の検出)は、
追加設置した磁気式カム角センサが吸気側スライドカムプーリーの長ボルトを検出し、
e-manage ULTIMATE のカム角信号入力に接続することによって成立させています。
クランク角で言えば720°に1回、カム角で言えば360°に1回、信号を出力します。
つまり、e-manage ULTIMATE のカム角認識は正論理ということになります。
e-manage ULTIMATE のクランク角信号入力に接続しても動作しなかったということは、
e-manage ULTIMATE のクランク角信号入力は負論理だということでしょう。

センサというものは、常に検出する信号の精度の問題があります。
本来は、センサの位置を微調整することによって正確な圧縮上死点を検出すべきですが、
F6Aのカムハウジング形状などの物理的理由により、センサは固定にしてあります。
つまり、センサ自体の位置を微調整することが不可能であり、
イニシャル点火時期の調整は点火時期調整MAP上で全体数値を調整するしかありません。
ただ、単なる偶然なのですが、現在は調整しなくても正しい点火時期になっているようです。

磁気式カム角センサがセンシングしているスライドカムプーリーの長ボルトの位置は、
プーリー外側(タイミングベルト側)が固定であり、プーリー内側(カムシャフト側)が調整式となることから、
スライドカムプーリーでカム角を調整しても、カム角センサの検出角には影響がありません。
この点では、F6Aのフルコン制御で一般的になっている方式の、
デストリビュータをクランク角センサに置き換える方式よりも優れていると言えます。
スライドカムプーリーでカム角を調整すると、光学式センサーも調整しなければならないからです。
ただ、カム角調整というものは、一度出てしまえば頻繁に調整を繰り返すものでもないから、
その都度調整を行えば良いだけで、さほど大きな問題ではありません。

このように、気筒判別機能は、要求精度を満たしているかどうかはさておき、実現できています。

尚、スズキの気筒番号と、e-manage ULTIMATE の気筒CHは違うので、注意が必要です。
   スズキ シリンダーNo.1 = e-manage ULTIMATE CH-1
   スズキ シリンダーNo.2 = e-manage ULTIMATE CH-3
   スズキ シリンダーNo.3 = e-manage ULTIMATE CH-2

----------------------

次に考えなければならないのは、イグナイタです。

ECMを加工してIGT(点火信号)を e-manage ULTIMATE に入力し、点火時期を演算した上でECMに戻す、
という方法で、点火時期補正MAPで設定したとおりに点火時期補正を掛けています。
現時点では、1系統の信号を e-manage ULTIMATE に入力し、1系統の信号を出力しています。
デストリビューター配電式のまま、e-manage ULTIMATE で点火時期を制御することができています。

e-manage ULTIMATE が持つ機能でダイレクトイグニッション化するには、
1系統の点火信号を入力し、3系統の点火信号をクランク角240°毎に変位させて出力すれば良いのです。
e-manage ULTIMATE からのIGT(点火信号)出力は、イグナイターを介してイグニッションコイルを制御し、
スパークプラグで点火すればよいのです。

こうして考えると、イグナイタとイグニッションコイルは各気筒にひとつずつ必要になることがわかります。

イグナイタとイグニッションコイルを3セット使い、プラグコードでスパークプラグへ配電する方法は、
性能を左右する要素が最も大きいと思われるイグナイタを選択できるという長所がありますが、
プラグコードを廃止できないという短所があるとともに、費用が掛かりそうです。

そこで、簡単なのは、イグナイタ一体型のイグニッションコイルをプラグ上に配置する方法です。
他車種用のイグニッションコイルを流用することになりますが、色々調べてみたところ、
ダイレクトイグニッション用のコイルには一般的にイグナイタ(パワートランジスタ)が内蔵されています。
IGF(点火確認信号)出力のある4芯のものと、IGF(点火確認信号)出力がない3芯のものがあります。

こう考えてみると、イグナイタ一体型のイグニッションコイルをプラグ上に配置する方法が良さそうです。

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最後に考えなければならないのは、フェイルセーフの回避です。

F6Aの場合は、ECMの基板上の点火回路ではイグナイタを通過後の信号が基盤回路上で分岐され、
一方はECMのIG端子を通って純正イグニッションコイルに送られています。
イグニッションコイルで点火動作した際に逆起電力が発生し、ECM基板上の分岐部の点火回路に戻って、
ノイズフィルターや抵抗を通ってNAND(TC4093)に送られ、IGF信号として点火認識するしくみです。

つまり、e-manage ULTIMATE を使用して単純にダイレクトイグニッション化しようとすると、
ECM基板上の点火回路に信号が戻らなくなるので、フェイルセーフでエンジン始動を妨げられるのです。
ECM基板上のNAND(TC4093)にIGF信号を入れなければエンジン回転を継続できません。

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では、実際に接続する方法を考えましょう。

現状では、ECMを加工して、基板上の点火回路のイグナイタ手前から配線を引き出しています。
ECMから取り出した点火信号を e-manage ULTIMATE で補正するところまでは現状と同じで、
その信号をECMの点火回路に戻さないところが変更点です。

補正後の信号はIGT(点火信号)として、イグナイタ一体型のイグニッションコイルに送りますが、
e-manage ULTIMATE の独立点火に変更する機能で、各気筒にIGT(点火信号)を送ります。
つまり、e-manage ULTIMATE を中心に見ると、点火入力は1本、点火出力は3本、となり、
気筒判別は追加設置した磁気式カム角センサを使用する、ということになります。

同時に、ECM基板上では点火回路のフェイルセーフ機能が働いてしまうので、
IGF(点火確認信号)を作って入力するか、フェイルセーフ機能自体を殺す必要があります。

次に気になるのは、純正イグニッションコイルを外した弊害があるかどうかです。
電気配線図を確認すると、イグニッションコイルのECMと反対側の配線は、
O2センサ、ノイズフィルタ、A/Cコントローラ、コンビネーションメータ(タコメーター)に接続されています。
ここにIGT(点火信号)か、IGF(点火確認信号)か、純正クランク角信号かを接続すればよいと思いますが、
純正イグニッションコイルの逆起電力と比較すれば圧倒的に電圧不足となるので、信号自体を増幅するか、
各デバイス入力にあらかじめ入っている抵抗を少ないものに交換する必要がありそうです。

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A案:4芯のイグナイタ一体型イグニッションコイルを使用し、IGF(点火確認信号)を作って入力する方法

イグニッションコイルにIGF出力があるので、3気筒分まとめてECM基板上の NAND(TC4093)に戻せば、
フェイルセーフを正しく機能させたままエンジン回転を維持することができそうです。
NAND(TC4093)手前のR505(10kΩの抵抗)は削除して点火回路を機能させない事が必要でしょう。

イグニッションコイルの接続は次のように考えられます。

1.B+ バッテリー電圧入力 ← イグニッションONで12Vとなる電源
2.IGF 点火確認信号出力 → 3気筒分まとめてECMのNAND(TC4093)入力へ接続
3.IGT 点火信号入力 ← e-manage ULTIMATE の各気筒の点火信号出力
4.GND アース → エンジンアース又はボディアース

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B案:フェイルセーフ機能自体を殺してしまって、3芯のイグナイタ一体型イグニッションコイルを使う方法

IGF信号がないので、ECMから e-manage ULTIMATE へ送っている点火信号出力を分岐し、
ECM基板上の NAND(TC4093)に接続すれば、フェイルセーフを回避できるかもしれません。
ただし、この場合はフェイルセーフ機能を殺していることになります。
NAND(TC4093)手前のR505(10kΩ抵抗)は削除して点火回路を機能させない事が必要でしょう。

イグニッションコイルの接続は次のように考えられます。

1.B+ バッテリー電圧入力 ← イグニッションONで12Vとなる電源
2.IGT 点火信号入力 ← イグナイタ ← e-manage ULTIMATE の各気筒の点火信号出力
3.GND アース → エンジンアース又はボディアース

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よって、より簡単且つ確実にダイレクトイグニッションを実現するには、A案が良さそうに思います。
どちらの案にしても、問題はタコメーターとA/Cコントローラの動作です。

純正クランク角センサが内蔵されているデストリビュータ本体を撤去することは不可能ですが、
クランク角センサは、カム角360°(クランク角720°)で3パルス発生します。
この信号を分岐加工してタコメーターを動作させることはできるかもしれません。

デストリビュータキャップには4か所絶縁キャップを被せてダミーにすれば良いでしょう。

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ところで、ここまでやって結果がどうなるのか、という問題が根底にあります。

少しの出費で、e-manage ULTIMATE の補正制御のままDI化できる可能性はあります。
方法1であれば中古のDI用イグニッションコイルと配線だけで実験が可能です。

現在は、今あるデバイスでダイレクトイグニッションを実現することが目的になっていますが、
本来の目的は、よりフィーリングの良いエンジン回転を実現すること、であるべきです。
そもそも、F6AのECMは所詮8bit動作であり、初代ファミコン並みの能力しかないECMを、
e-manage ULTIMATE で補正する、ということ自体、そもそもかなり無理のある話ではあります。

イグニッションコイルが気筒毎となるために負担が1/3になるとは言え、
マルチシリンダーのエンジンと比べればその効果は微々たるものと考えられるので、
ダイレクトイグニッション化でフィーリングの良い制御が可能になるのかどうかさえ怪しいと言えます。

カプチーノ自体がラインオフしてから約30年経過しているわけで、
ECM本体がいつ不具合をおこしてもおかしくない年月が経過しており、
最近、タコメーターの動作が怪しい時があることを考えれば、
ECM自体の動作が怪しくなってきているのかもしれません。

いっそのこと完全におかしくなって、エンジン始動もできなくなれば諦めもつくので、
そうなったら丸ごと撤去してHultecやLINKなどでフルコン化するのが良いでしょう。
ただし、それなりに高い費用が掛かるのは覚悟しなければなりませんし、セッティングはやり直しです。。

さて、e-manage ULTIMATE でのダイレクトイグニッション化は、チャレンジする価値があるでしょうか?
そして、実現するまでの熱意が自分に残されているでしょうか?

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