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カプチーノ(EA11R)の実験用ECM製作 (2022.11.20)

目的はダイレクトイグニッション化の実験

e-manage ULTIMATE を使用して点火時期を調整するためには、点火信号(IGT)が必要になります。
F6A エンジンは、ECM 基盤上にイグナイタが設置されているので、点火回路を加工して配線を引き出し、
ECM に戻す、という加工が必要になります。

現在、入墨カプチーノで使用しているECMは、スズキスポーツN2コンピュータであり、
点火信号の取り出し加工済みで、e-manage ULTIMATE に接続して点火時期補正できています。

e-manage ULTIMATE を使用してダイレクトイグニッション仕様とするためには、
点火回路から引き出した点火信号(IGT)を、e-manage ULTIMATE の点火補正MAPで調整した後、
各気筒に設置するダイレクトイグニッションコイルに接続すれば良さそうですが、そう簡単ではありません。
クランク角センサー(CAS)故障時のフェイルセーフ機能があり、回転信号が入力しなければ始動しません。
ここでいう回転信号とは、イグニッションコイルの逆起電力であり、ICのNANDに入力して機能します。
この機能を、『IGF フェイルセーフ』と呼ぶことにします。
元々ダイレクトイグニッション仕様のエンジンでは、ダイレクトイグニッションコイル(内のイグナイタ)から、
点火確認信号(IGF)を発報し、ECMに入力することで機能しているものが多いようです。
IGF フェイルセーフを回避するためには、点火確認信号(IGF)の入力配線を新設しなければなりません。

電子部品や制御の世界に関してはズブの素人である自分が、単に興味があるというだけで、
インターネット上に散見される情報をかき集めながら回路の解析をしている時点で危険(笑)ですが、
絶版品であるスズキスポーツN2コンピュータを、いきなり加工するのは、あまりに危険な行為なので
まずはストックしてある純正の無加工ECMを検体として、実験してみることにしました。

純正ECMをじっくり観察

通称ECM (エレクトリックコントロールモジュール)

正式名称は、コントローラ,フューエルインジェクション(ND)

純正品番は、33920-80F10 です。

ネジを4本外して、カバーを開きます。

更にネジを5本外して、バックカバーを外し、
基盤だけを取り出します。

一部分だけ接着剤で固定されているので、
損傷を与えないように慎重に取り出します。

目視レベルでは電解コンデンサの液漏れなどの不具合はない様子でした。

点火信号(IGT)の取り出し

点火時期を調整するための点火信号(IGT)を取り出します。

T522 のエミッタと、R502 の間を分離して、
T522 から e-manage ULTIMATE の点火信号入力へ、
e-manage ULTIMATE の点火信号出力から R502 へ、
という接続にするため、配線を半田付けします。

ダイレクトイグニッションにする場合は、
e-manage ULTIMATE の点火信号出力を IGT として、
ダイレクトイグニッションコイル(イグナイタ)へ接続するので、
R502 側の配線は使用しなくなります。
よって、ダイレクトイグニッションだけのためならば、
R502 は外してしまっても同じです。

素人なので半田付けが汚いですが接続できました。
R502 は一旦外して、角度を振ってつけなおしました。
片側が空中に浮いた状態となっています。

このままでは振動などで外れてしまいそうなので、
グルーガンで固定しました。

この2本の配線を短絡すれば、無加工と同じ状態です。

IGF フェイルセーフ を回避する配線の取り付け

次に、点火確認信号(IGF)を入力する配線を接続します。

IGコイルの逆起電力をIGF信号としてNANDに入力し、
点火していることを判別するしくみです。

点火回路段のR505とIC403(TC4093BP)の間を分離し、
それぞれに配線を取り付けます。

『IGF フェイルセーフ』の回避だけが目的であれば、
R505 を撤去してしまって点火回路を切断し、
IC403(TC4093BP)入力に配線を新設すれば充分ですが、
実験のために、両方に配線を取り付けました。

R505 は一旦外して、反対側に振ってつけなおしました。
片側が空中に浮いた状態となっています。

このままでは振動などで外れてしまいそうなので、
グルーガンで固定しました。

この2本の配線を短絡すれば、無加工と同じ状態です。

『IGF フェイルセーフ』を回避するには、
IC403(TC4093BP)側の配線に IGF 信号を入力します。
その場合、R505 側の配線は使用しなくなります。
同時に、点火回路自体が無効になるので、
タコメーターとエアコンが機能しなくなります。

加工完了

ケースに穴をあけ、配線損傷防止にグロメットを装着し、
配線を4本通してギボシ端子をカシメました。

実験用ECMの完成です。

はたして狙い通りに動作するでしょうか・・・

配線がわからなくなっては困るので、
テプラでラベルを作って貼りました。


 

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