電車に乗っていて、突然惨めな気持ちが襲ってきます。
その時に、私たちは自動的に「この惨めな感覚はどこからきている?」と考えてしまいます。
そして「この惨めな感覚は、今朝、近所の人に挨拶をした時に無視をされたあの感覚だ」とその場面が思い出されてしまいます。
そして、そこから近所の人への怒りが湧いてきて、さらに自分が過去に周りの人から邪険にされて惨めな思いをした記憶が芋づる式に出てきてしまいます。
どうして芋づる式に惨めな気持ちが引き出されてしまうのかというと「惨めな気持ち」と「近所の人の不快な態度」がマッチしないから惨めな感覚が記憶の引き出しにしまわれない。
だから「惨めな気持ち」を打ち消すために「これが正解の記憶?」とパズルのピースが合うまで惨めな記憶が引き出されてしまいます。でも、どれも「惨めな気持ち」とマッチしないので「頭がぐるぐるする!」という感じで不快感が打ち消せなくなってしまう。
正解は「その惨めな気持ちは目の前に座っていたおじさんの気持ちが脳のネットワークで伝わっていただけ」となります。
この正解を探し当てることができたら「な〜んだ!おじさんの惨めさを真似していただけなんだ!」と惨めさが記憶の引き出しにしまわれて、ちゃんと学習できるわけです。
人って面白いのは「緊張している人のそばにいると緊張はうつる」という常識はあるのに、そのほかの感情については「うつる」という感覚があまり持てません。
だから、緊張している人から緊張感が伝わってきているのと同じように惨めさが伝わってきているのに「あの時のあのことが原因で私は惨めな気持ちになっている」と原因を自分の中に見つけて、自分のものにしてしまう。
でも、本当の不快感の原因が自分の中にない場合は、惨めな感情は記憶として整理されないから「次から次へと不快な記憶が引き出されてくる」となるのは、正解の記憶を探してしまうから。
人の感情を真似ているだけで、原因が自分の中にない場合は「不快な感情でぐるぐるが止まらない」になってしまうんです。
電車で目の前の座っているおじさんが太々しい態度をしている場合「この人の惨めさが伝わってきている」なんて思えない。
そんな時の対処方法が「Don't think, feel」になります(これは有名な映画のセリフ)。
日本語だと「考えないで、感じろ!」ですね。
原因を考えてしまうと、不快な感情を全部自分が請け負ってしまうことになります。
考えてしまって、惨めな感覚とミスマッチだと、その記憶が整理されず、ずっと抱え込むことになるから。
「惨めさを感じている!」ってただ感じるだけにすると、無意識が「これって目の前のおじさんから伝わってきているものじゃん!」って勝手に記憶の引き出しに整理してくれます。
だから、ただ考えずに「惨めさを感じている」と感じるだけをしていると、自然とその惨めさは消えていきます。
そして、次の感覚が湧いてくるのは、また別の人から伝わってくる感覚だったりするんです。
それも「Don't think, feel」をしてみると「あれ?いつの間にか消えていく」となるのは、無意識がちゃんと記憶として整理していってくれているから。
「Don't think, feel」ができるようになると、記憶がちゃんと整理されて、ものすごい学習が進み、人の体験も自分の経験として活かすことができるようになります。
(つづく)