『週刊現代』の特集第3章『グルコサミンに話題の「NMN」も…ダマされるな!「飲んでも効かないかもしれないサプリ」の「全リスト」』より続く。
「ネフロン」に負担がかかる
「紅麹問題」がきっかけで、サプリが腎臓をいためることに注目が集まった。しかし、そもそもなぜサプリの摂取が腎臓にダメージを与えるのか。
埼友クリニック外来部長で腎臓専門医の高取優二氏はこう解説する。
「腎臓は、血液を濾過して老廃物や余分な水分を尿として体外へ排出する機能を担っています。血液から濾された老廃物が『原尿』となり、その後、尿細管を経て尿として体外に排出されます」
問題は、特定の成分を過剰に摂取すると、腎臓に多大な負荷がかかることだ。
「推奨量や腎機能の値を無視し、サプリを摂取し続けていると"過剰"な状態となる恐れがあります。そうなると腎臓の重要な構造の一つであるネフロンに負荷がかかります。ネフロンは血液を濾過して尿をつくるもので、人体に100万個あるとされていますが、加齢とともに数が減っていきます。だいたい40代からネフロンの減少に伴い腎臓の大きさが徐々に萎縮し、緩やかに機能が落ちるのですが、糖尿病や高血圧などの生活習慣病があれば、腎機能はさらに低下します。このうえで一部のサプリを摂取し続けると、加速度的に腎機能が衰えるリスクが生じるのです」
具体的にどういったサプリが腎臓にダメージを与えるのか。'23年に韓国の研究機関が成人1万3271人を対象として「どのようなサプリが慢性腎臓病に関連しているのか」を調査した。
愛し野内科クリニック院長の岡本卓氏が、その結果について解説する。
「アミノ酸、タンパク質、高麗人参、紅参、植物エキス由来の漢方薬、ベリーのサプリを摂取している人は慢性腎臓病の有病率が高いことが明らかになりました。
特にアミノ酸やタンパク質を摂りすぎると、本来は排出すべき毒素である尿素やクレアチニンなどが血液中に蓄積されてしまう。これを放置していると、腎不全の一種である尿毒症に陥るのです」