知事の支持訴えた立花氏、市民の反応は 兵庫・三木市長選は現職勝利
兵庫県三木市長選は29日に投開票され、無所属現職の仲田一彦氏(52)=自民、公明推薦=が3選を決めた。一時は無投票が予想されたが、新顔で政治団体「NHK党」党首の立花孝志氏(57)が告示2日前に立候補を表明し、選挙戦となった。
確定得票数は、仲田氏が2万1670票、立花氏が4693票だった。
立花氏が今回、立候補した動機の一つに挙げたのが、昨秋の知事選での仲田氏の政治姿勢だった。
仲田氏は、県内のほかの21市長とともに、知事選の候補者で前尼崎市長の、稲村和美氏への支持を表明した。立花氏は「斎藤元彦知事が再選したにもかかわらず県政が前に進んでいない」と主張し、自身は斎藤知事を応援する立場から「斎藤知事に対して○か×かを争点にしたい」と訴えた。
知事選の開票結果をみると、三木市では斎藤知事が1万4481票でトップで、稲村氏は1万3511票で2番目だった。
今回の三木市長選で、有権者はどんな思いで選択したのか。
期日前投票に訪れた20代の会社員女性は立花氏を選んだといい、「特に何を変えてほしいというのはないが、何か変えてくれると思った」と話した。知事選で斎藤知事に投票したという。
30代会社員男性は知事選では斎藤知事を選び、今回は仲田氏に投票。「正直論点がわからなかった。仲田さんのほうが三木市のことを具体的に訴えていた」と話した。
知事選で稲村氏を支持した60代女性は仲田氏に投票。立花氏について「知事選もそうだったが、いろいろな地域の選挙に立候補されている方なので、冷やかしのように感じる」と困惑した様子で語った。
仲田氏は中山間地を含めた市内全域を回った。立花氏は三木市以外に、神戸市、明石市などでも演説した。
知事選で稲村氏を支持した仲田氏だが、県が関わる三木市の事業に影響が出ているのか。
市幹部は「冷遇されていると感じることはないし、フラットに市の政策を見ていただいている」と語る。
例えば一時、事業の実現が危ぶまれた県と市による産業団地の整備事業がある。県と市は2021年、山陽道三木東インターチェンジの東側に産業団地を整備する「ひょうご情報公園都市第2期」について、役割分担して事業を進めることで基本合意した。
ところが23年、これまでの産業団地の造成・分譲による多額の借金について、県の外部識者による委員会から問題視された。
そのうえで、昨年度に県は県議会特別委員会の審議を経て、民間事業者の資金や技術を活用する「公民連携」の事業の進め方を新たに打ち出した。21年の合意はいったん廃止し、今年3月、あらためて県と市で基本合意書を結んでいる。
合意した際の記者会見で、梶本修子・県公営企業管理者は、県政を巡る混乱の影響について問われた。「外部から見ると混乱状態にあるという評価もあるが、一つ一つの組織については(県の)各部長がスピード感を持ち、的確に対応してきたと思っている」と説明した。
仲田氏は選挙戦で、県立総合射撃場や県立三木総合防災公園内の宿泊施設の整備など、県と連携した大型事業を実績に挙げ、「県市協調というテーマの下に進め、『チーム三木』で実現してきた」と強調した。
県内のある首長は「政策を巡ってわれわれは県に言うべきことを言うが、それは対立ではなく議論であり、民主主義として当たり前のこと。選挙で知事自身を支持したかどうかということを市町の選挙に持ちこむこと自体がおかしいのではないか」と疑問を口にした。
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