もはや国民病⁉︎「不倫大国・日本」で起こる”不倫バッシング”の闇と『源氏物語』
みなさんは、不倫恋愛をしたことがありますか?
そう聞かれて、正直に「したことあるよ!」とか「今してますけど?」と言える人はどれくらいいるのでしょうか?
今日は、日々メディアを賑わしつつも日常茶飯化しつつある”不倫”について書いてみたいと思います。
日本の不倫経験者はここ数年で爆増している⁉︎
カウンセラーとして恋愛のお悩みを伺っていると、当然「不倫」をしている人、「不倫」をされている人からのご相談をお受けすることも少なくありません。
不倫中の女性、不倫されてしまった女性ともに、
『こんなことは誰にも言えないし、相談できる人もいない』とか、『親友にも言えずにいるから苦しい』、とおっしゃる方も多いです。
それほど、「不倫」は許されざること、されるのも恥ずかしいこと、もし知られたら社会的に自分やパートナーが抹殺されるかもしれないこと、だと思ってしまう……。
もちろん、他人様の家庭を壊し、お子さんにも大きな負担を強いることになる不倫は決して誉められたものではありませんが、最も恐ろしいのは、この「不倫」がまったく「まれ」なことではなくなっている事実です。
ここで、ジャパンセックスサーベイの2020年の統計を見てみましょう。
この統計によれば、現在までに不倫を経験したことのある20代30代の割合は、男性では7割を超え、女性でも6割を超えるという結果に。
実に、男性3人のうち2人、女性の2人に1人が不倫経験済みということなります。
ともに半数程度だった2017年の統計からしても爆増してることが伺えます。
これをみて、いったいどう思われたでしょうか。
数年前の川谷さん&ベッキーさんへの文集砲を皮切りに、TVにもネットメディアにも、週刊誌の中吊り広告にも溢れかえる「不倫」の2文字。そのほとんどが暴露やバッシングなど否定的な内容で当事者を追及するものがほとんどです。
その後も多くのタレントさんや芸人さんがバッシングやスポンサーの忖度によって廃業寸線まで追い込まれたりもしました。
と思いきや、パートナーの協力もあってうまいこと切り返して返り咲いたり、はたまた事務所の圧が強いのか全く”無傷”な有名人もいたり。
もはや”いいんだか悪いんだかよくわからない”し、”どうでもいい”んじゃない……?
そう思う人も増えてきたのではないでしょうか。
そりゃそうです。
一般人の半数近い人が経験済だという事柄に、有名人だけがここまで色々くらってしまうなんて、有名税にしては重すぎる気がします。
そして、多くの人が、「実際けっこうみんな”してる”からなあ……」と思っていることも事実でしょう。
一部の社会的ストレスの溜まっている人、もしくは自身が浮気や不倫を”サレた側”が鬱憤ばらしに、ここぞとばかりに振りかざせる正義の刃を手に入れたと思い込んでバッシングしまくっていた、というのが本当のところではないでしょうか。
不倫された側&した側、その痛みをどう乗り越えるのか
不倫は決して肯定できるものではありませんが、全く関係のない他人に刃を向けても、「不倫をされた痛み」を和らげることにはなりません。
不倫をされてしまった方の多くは、本当に苦しい気持ちを抱えていらっしゃると思います。
離婚に向かっているにしろ、再構築に向かっているにしろ、その心の傷や痛みにははかりしれないものがあります。
『許せないけれど、気持ちがあるので別れたくない』
『不倫なんかした夫の顔も見たくないけれど経済的に離婚ができない』
『子供を一番に考えたら男女の関係が壊れても夫婦としては一緒でないと…』
など、心にとても深い傷を負う中で、現実生活との折り合いに悩む方も多いものです。
一方で、不倫してしまった側の方の中にも、心ならずも恋に落ちてから既婚者だったと知り、それでも諦めきれずに極度に自分を責め、苦しんでいる方もたくさんいます。
ひとくちに「不倫」といっても、その状況や関係値は多種多様で、”善悪二元論”で一刀両断できるものではありません。
私は、立場的にも心情的にも、フラットな目線で状況を整理し、少しでも気持ちが安らいだり、目指す解決地点に近づくお手伝いをしたいと思っていますが、そのとき、いつも心の中に浮かぶのはこの物語です。
それは、日本で初めての長編小説といわれる「源氏物語」。
「源氏物語」にみる女性の多面体と悟りの風景
”紫媛は源語を著し、而して一旦悪趣に堕つる者”
(現代語訳:紫式部は『源氏物語』を著して、一度は地獄に落ちた)
『源氏物語』は、後世に『雨月物語』や『春雨物語』を著した江戸時代の小説家、上田秋成によってこのように喩えられた平安時代の長編小説です。
地獄へ落ちたはさすがにアレですが、それほどまでに”業が深い”書物だといいたかったのでしょう。
稀代のモテ男「光源氏」を主人公とし、数多の女性たちと繰り広げられる恋物語を軸としながらも、この『源氏物語』という大長編で描かれるのは、人が”悟り”の境地に至るまでの壮大な曼荼羅絵図のような世界。
生きている以上、決して離れることのできない【愛・別・離・苦】を丁寧に描ききった物語です。
奪う女、奪われる女、儚い女、翻弄される女、奔放な女、耐える女、悟る女……。
ありとあらゆる女性の一面を切り取り、愛するとは何か、その苦しみとは何かを突きつけてくるようなお話ばかりです。
繊細な心理描写とともに描かれるストーリーの中に、あなたの苦しみを投影した女性を見出すことができるはずです。
まさに、女のために女が書いた女の世界の物語。
他人の恋愛にもちょっとは興味がある、という方!
ゴシップ記事やスキャンダル誌を眺めて心がギスギスしたり、傷が抉られるような思いをするよりも、日本屈指の極上の文学作品を読んでみるのはいかがでしょう?
平安時代の貴族といえば、基本的には男が女の家に通う妻問婚。
いってみれば”婚外恋愛”が同時多発的に繰り広げられるのが常識の世界です。
光源氏の舌打ちしたくなるような身勝手さにイラッとしながらも、読み終わる頃には、あなたの中に何か違う感情が芽生えているかもしれません。
平安時代のみならず、日本には過去、そう遠くない時代まで「不倫」という言葉は存在しませんでした。
多くの恋の罪を犯された、また犯してきた女性たちが、そのつらさを乗り越え、そして女の魅力の肥やしにしながら、逞しく生きてきたのだと思います。
あなたの今の恋がどんな恋だったとしても、それが幸せな未来の人生につながっていきますように……。
心から応援しています♡
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櫻麻 莉子(Rico Sakuma)
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