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  『 39 』











「じゃあ・・・・愛しあうのは当然だろ?」




「そ・・・そりゃ・・・・・」
悠河クン眉間に皺寄せて考え出す。
あたしは彼を、ひょいっと姫抱き。
「りっ!りかさんっ!!!」
「だってソファでガタイのいい男二人は狭すぎだろ?」
「えっ・・!えっ・・・!!」

バタバタするのをものともせずに、あたしは彼を寝室に。
ああ、鬼畜攻めには男ってサイコーだわ。
神様、ありがとうっっっ!!
あたしは天を仰ぐ。



ダブルベッドに彼をそっと横たえる。
乱れた胸元、外れかけたベルト、怯えたような大きな瞳。
あたしはのしかかって、脚で膝を押さえこむ。
「りかさん、一体何を・・・?」
「何を・・・って、愛しあうんだろ。」
悠河クンの上で、にやりと笑うあたし。

「それは、ちょっと・・・っ!」
叫ぼうとする唇を、又唇で塞ぐ。
舌を絡めて、舐めるように擽るように。
悠河クンの弱いところは、全部知ってるもの。
眉間が辛そうに動いて、舌が抵抗を無くす。
あたしはいきなり唇を離し、耳に寄せる。
「感じてるだろ、悠河。」

かあああああああっ!!!と赤くなる悠河クン。
それでも健気に、口をぱくぱく。
「だ・・・だから、愛っていうのは精神的に満たされれば・・・」
「やなこった。」
「だけど、俺達は・・・・」
「愛しあおうと思えば、なんとでもなるんだよ。」
「なんとでもって―――――――――っ ?!」
悠河クン爆死寸前みたいな必死の形相。
でも、あたしも火がついちゃったのよね、んふ。


あああ、またバタバタ暴れ出した。
「しょうがねえなあ、悠河は・・」
「え・・・」
あたしはクロゼットにかかってたネクタイを持ってくる。
「ど・・・どしたの・・りかさん・・?」
これよっ!この目よっ!
異様にそそる、不安げな黒めがちな瞳。
あたしは手際良く、しゅるしゅるって彼の手をベッドに縛り付ける。
「りかさ――――――んっ!」
「ん?」
と呟きつつ、また上へ。
彼の一番弱い耳元から首筋へ、唇を這わせる。
ああ、何十回も触れた肌なのに、この身体で触れるとまた格別。
乱れた胸元から手を差し入れて、円を描くように滑らせながら下げて行く。
「りっ・・りか・・・さんっ・・」
うふ、悠河クン、吐息が乱れてきてるわよ。
で、そうなるとなぜか一層、あたしの頭は冷静に。
彼の弱いところを、じわじわと責めてみる。
「身体は・・・・正直だな。」
彼の目が見開かれて、羞恥で頬に血が上る。
でも、吐息は乱れたまま。
乱れたシャツは剥ぎ取って、唇を下げてゆく。
悠河クン震えてる。
乱れた髪が額にかかり。口元は半開き。
ああ、なんてセクシーなの。
手早くベルトをはずし、下半身に手を伸ばす。
「りかさんっ!・・・そんなことっ・・?」
「どんなこと?」
上半身はあくまで優しく、そして下半身はちょっと乱暴に。
あたしのテクニック総動員。
彼の唇が弱弱しく開く。
「た・・・頼むから・・」
「頼むから?」
「もう・・・やめ・・」
「やだね。」
ああ、悠河クンてば気持ちイイのと恥ずかしいので涙が盛り上がってる。
気持ちイイんだからいいじゃない、んもう強情なんだからっ。
乱暴に弄る度合いを上げる。
「ああっ・・・・」
「やめたい?」
あたしは微笑を浮かべながら、頬に優しいキス。
盛り上がった涙が伝って、ちょっとしょっぱい味がする。



 
では、と言うわけでスラックスに手をかける。
「ぎゃああああ~~~~りかさんっ!りかさんっ!!」
悠河クン絶叫。
「お隣に迷惑だろ。」
ちょっと薫ちゃんの顔なんか思い出して、呟いてみる。
「でっ、でもっ!・・・そこはっ!」
「でももクソもねーよ。」



ああ、悠河クンよか力のある男って、なんておもしろいのかしら。
あれよあれよと言う間に、すっぽんぽん。
生まれたままの彼、伸びやかな長い足、滑らかな小さな腰。
そして怯えきった瞳。
これぞ鬼畜攻めの夢ってカンジ。



「さあて・・・・と」
口の端を上げながら、彼を見る。
「なっ・・なにするの?」
「可愛がるんだろ、当然。」
そして、あたしは彼の脹脛を手にとって唇を。
小さな膝小僧に。
そして太腿に時々歯なんか立てちゃう。
「あうっ・・・あっ・・・・」
そのたんびに彼の辛そうな声。
ああ、背骨にゾクゾク来るんだけど。


もう我慢できない。
悠河クンも攻めだけど、この場合我慢してくれるわよね。
だって愛しているんだもん!!



くるんと彼を腹ばいに。
「りかさんっ!これは!!これはっ!!・・違うよ――――!!」
悠河クン叫びすぎて声かすれてる。
「愛してんだから、いいんだよ。」
「俺、壊れる!絶対死ぬ!!」
「ばーか。赤ん坊はみんなココに注射すんだろ。
 変わんねーよ。」
「変わる――――――っ!!違う―――――――――――っ!!」
ああ、この囚われた動物のような叫びが、最後のあたしの理性を解き放つわ。
あたしの欲望は最高潮。
初体験の、めくるめくであろう快感への期待にどきどき。
身体中の熱が下半身にぎゅうっつと凝縮するみたいに流れ込んでくる。

形のいい悠河クンの腰をつかんで・・・・・いざ。




「り――――――――かちゃあああああああんんっ!!!!!!!」





・・・・・・えっ?・・・えっ?
身体中の熱くて疚しいものが、しゅるしゅるしゅる~と放出されるような快感。
で、でも、まだ、あたし・・・・悠河クンにはなんにも・・・


神様―――――――――――っ!!

















「りかちゃん、りかちゃん。」
「あ・・・ん」
抜け殻のような気だるい虚脱感をかかえ、あたしはベッドでごろり。
横にはパジャマの悠河クン。
「悠河・・・!」
そしたら悠河クンあたしの鼻をコツンとはじいて、
「違う、悠河クン。」
え?
で、手をおそるおそる胸に・・・・
そして下半身に・・・・・
ああっ、今度は、あってないっ。
戻っちゃったんだわ。
「いやー、もうだめかと思ったよ。」
だめって?
「やばっ!入るっ!って思った瞬間にりかちゃん倒れちゃってさあ。」
えっ!結局できなかったってこと?!
「で、みたらりかちゃんに戻ってるじゃん。」
ううう~神様、感謝すべきなのかしら、これって。
悠河クンにこにこ顔であたしの顔覗きこんだまま。
「やっぱ、神様っているんだなあって。」




ん~なんかちょっと複雑、欲求不満。
でも、にこにこ顔で抱きついてくる悠河クンの胸の温かさに、
あたしのやましい気持ちも解けてゆく。


きっと神様がおしえてくれたのね。
あたしたちにはこれが一番なんだよって。







「じゃ、りかちゃん、改めて寝る前に愛しあおう。」
「だって・・・疲れてない?」
悠河クン片眉上げて、思いきり気障に、
「でも・・・・・愛しあうのは当然だろ。」




ふたりでお腹が痛くなるほど笑い転げる。
軽い羽のようなキスを何度も交わす。
抱き合って、身体の隅々まで確かめあって、
そして、彼とあたしは深く深く触れあって、
深い眠りに落ちた。




こんなふうに幾つもの夜を触れあっていきたい。
あたしとあなたがどこかで溶けあうその日まで。








いつまでもどこまでも一緒にいてね、
あたしの素敵な旦那様















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