ひきこもりの子供が中高年、親も高齢化「いつまで頑張ればいいのか」…不足する「親亡き後の支援」
「働いてほしいとは言わない。しかし、いずれ親の年金を頼れなくなり、食事を作る人も掃除をする人もいなくなる」
親の死亡届を出さずに年金を受給し続けたり、親の遺体とともに子どもが餓死していたり。そんなニュースを見聞きするたび、ドキリとする。ひきこもりの子どもが中高年になり、親も高齢化する「8050問題」は、我が事として身に迫る。
「親としての責任を果たし続けなければならない。ただ、いつまで頑張ればいいのか、頑張れるのか、と思うこともある」
〈NPO法人「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」が24年、ひきこもりの家族がいる466人から回答を得た調査によると、「不足している、または拡充すべき支援」(複数回答)のトップは、親の死後の生活、経済的不安に対応する「親亡き後の支援」(58%)。次いで「家族支援」(57%)だった。ジャーナリストの池上正樹さんは「家族支援の受け皿はまだまだ不足している。不安を抱え、疲弊している家族をねぎらい、つなぐ場を作ることが大事」と指摘。山根さんは「問題が長期化している家族は相談機関をたらい回しにされているケースが少なくない。対応する職員の教育を充実するなどして、相談機関の質の向上を図る必要がある」と話している〉