東京裁判の裁判長の言葉
被占領下において、日本の戦争犯罪を裁くとの名目で戦勝国によって行われた極東国際軍事裁判(東京裁判)の裁判長を務めたオーストラリアのウィリアム・ウェッブは、のちに(昭和44年[1969年])日本の戦史研究家のインタビューに応じて、昭和天皇について次のような感想を述べていた(児島襄氏『天皇と戦争責任』)。
直接受け継いでいるのは愛子さまだけ
その昭和天皇が広島を訪れられた際に、次の御製を詠んでおられた。
平和の鐘も
鳴りはじめ
たちなほる(立ち直る)見えて
うれし(嬉し)かりけり
広島が復興の緒についていることを喜ばれる昭和天皇のお気持ちが、率直に詠まれている。
令和の皇室において、昭和天皇以来の平和への願いをはじめとする高貴な精神を、上皇陛下、天皇陛下から直接に受け継いでおられるのは、敬宮殿下お1人だけだ。
皇室と国民との信頼と敬愛のきずなを重んじるならば、次の天皇になられるべきなのはどなたか。すでに明らかだろう。
自民党の信義にもとる「ちゃぶ台返し」
しかし、側室不在の一夫一婦制で少子化なのに「男系男子」限定という、ミスマッチな構造的欠陥を抱える今の皇室典範のルールのままでは、皇室はどうなるか。直系の皇女でいらっしゃる敬宮殿下が次の天皇として即位されるどころか、ご結婚とともに皇族の身分を失われることになる。
皇室典範を改正しない限り、未婚の女性皇族はどなたもご結婚とともに皇室から離れられる。さらに、未婚の男性皇族(悠仁親王殿下お1人だけ)はご結婚のハードルが絶望的に高くなる。
そのような最低・最悪のルールを、ほんのわずかでも改善するために、「立法府の総意」を取りまとめようと、衆参正副議長らが全政党・会派に呼びかけて、協議が重ねられてきた。大詰めの局面では、自民党の麻生太郎・最高顧問と立憲民主党の野田佳彦・代表が水面下での話し合いを繰り返した。
ところが、本来なら立法府とは立場が異なる政府サイドの人間である山崎重孝・内閣官房参与が、何ら民主的な正当性を持たないまま、介入した。その結果、内親王・女王がご結婚後も皇室にとどまられることでギリギリ合意に達していたのに、自民党サイドの信義にもとる“ちゃぶ台返し”のせいで、すべてが水の泡になってしまった。
令和の皇室で唯一の皇女でいらっしゃる敬宮殿下を、ただ「女性だから」というだけの理由で皇室からはじき出す。その一方で、戦後80年近く民間人として過ごしてきたいわゆる旧宮家系の子孫男性を、「門地による差別」で憲法違反との疑いを押し切って、“特権的”に養子縁組で皇族にしようと企てている(憲法上、門地差別の例外は皇統譜に登録されている皇室の方々だけ)。それが、自民党などが目指す方向性だ。
